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2014-07-31 21:16

恐怖の季節

 7月も今日でおしまいです。 さすがに札幌も暑くなりました。
 ところで暑さが募るにつれて、よもちゃんの様子がオカシクなってきました。 昼間、家の中でお昼寝しているはずなのに、姿が見えない事が良くあるのです。

 よもちゃんをお外に出した覚えはないので、家の中にいるはずです。 だから気にしなければ良いのですが、それでもやはり気になるので、猫探知機で探してみました。
 
 すると・・・・。

 
 よもさん!! よもさん!! そこにいるんでしょう? 

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  よもさん!! いる事はわかってるんだから、隠れてないで出てきなさいよ!! 

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  ・・・・・。

 何でそんなところに入り込むのよ? この暑いのに・・・・。


 よもちゃんはベッドの下に潜り込んで出てきません。 ワタシのベッドはこの家に引っ越して来た時に、引っ越しを手伝ってくれた便利屋さんに作ってもらったものです。

 普通のベッドより高い台に簀子を置いてその上に布団を敷いて使っています。 そしてベッドの下には色々なモノを仕舞い込んでいます。
 
 よもちゃんはそのベッドの下に潜り込んでいるのです。 こうなると引っ張り出すのは一苦労です。
 それにしてもなんだってこんな所に入り込むんでしょうか?

 わたしは布団を剥いで、簀子の下を覗きました。


 よもさん!! 

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  ・・・・・。

 よもさん!! 何やってるのよ?? 

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  イ、イヤよ!!

 あ、どこに行くのよ? 
 よもさん!! 

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  ・・・・・・。

 よもさん、何で隠れるのよ? 出てきなさいよ。 この暑いのに、そんな所に入り込んでるいると、熱中症になるわよ。
 早く出てきなさい!! 

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  イヤよ!!

 何でそんな事言うのよ? 暑いでしょう? 出てきたら扇風機をつけてあげるわ。 それからアイスクリームも買ってあげるわよ。 

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  そんなうまい事ばっかり言って、ワタシが出て行ったら、捕まえて獣医へ連れて行こうって言うんでしょう?

 な、何でそんなこと言うのよ? 

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  だって同居人はさっき二階へ上がったじゃない? それから着替えをしたじゃない?

 だから何? 
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  だから二階に仕舞ってあるケイジを用意して、それから着替えをして、ワタシを獣医さんに連れて行くつもりでしょう?

 呆れた、そんなことでビビってるの?
 いい、二階に上がったのは二階の窓を開ける為よ。 二階の窓を閉めたままにしておくと、御昼過ぎには二階が物凄く暑くなっちゃうからさ。
 それから着替えをしたのは、唯さっき来ていた服が汚れていたからよ。 

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  そんな事は信じられないわ。

 何でよ? 二階に上がるとか着替えをするとか、いつでも普通にやってるじゃない? それなのにそれだけで獣医さんなんて・・・・。
 第一よもさんは元気じゃない?
 ご飯も沢山食べたし、それどころか今朝もスズメを捕ったでしょう?
 何処も悪くないじゃない? それなのに何で獣医さんに行くのよ? 

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  それはこっちが聞きたいわ。 何で病気でもないのに、獣医へ強制連行されなくちゃならないのか?

 だから強制連行なんかしないってば!! 

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  嘘よ!! 去年も、一昨年も、それから先一昨年も、その前の年も、毎年毎年、今頃になると、同居人はワタシを獣医へ強制連行してるじゃない?

 ああ、それは・・・・・・。

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  ワタシ、絶対行かないからね!!

 違うってば、今日は獣医さんに行く予定はないから・・・・。 

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 ヤッパリ強制連行する気なんだわ。 ワタシ絶対出ないから!

 よもさん・・・・・。 

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  ワタシ、獣医さん大嫌い!!!


 ああ、よもちゃんはもう察しているのです。 
 
 わたしは毎年8月の中旬によもちゃんを獣医さんに連れて行って猫の伝染病の予防の為の5種混合ワクチンを注射してもらいます。
 大枚5000円もかかるのですが、でもこのワクチンは毎年打たないといけないのです。

 わたしは実はよもちゃんをこの獣医さんの所でもらいました。 一人暮らしが寂しくなって子猫が欲しくなって、この獣医さんに何処かに子猫をくれる人がいたら教えて欲しいと頼んだのです。

 そうしたら誰かが獣医さんの所に、野良猫の子猫を3匹持ち込んだ人がいました。 それでその中で一番可愛くて元気の良いよもちゃんを貰ったのです。

 貰ったのが5月の終わりでした。 よもちゃんは掌に乗る程小さかったのです

 それでワクチンを打つのは、もう少し大きくなってからにした方が良いと言われました。
 だから8月に最初のワクチンを打って、それから毎年8月になるとワクチンを打つことにしていました。

 お蔭で真夏はよもちゃんの恐怖の季節になってしまいました。 よもちゃんにとってはこの獣医さんは、懐かしくもあり恩人だとも思うのですが、しかし当のよもちゃんは全然そう思っていないようです。
 
 よもちゃんは唯ひたすら獣医さんを忌み嫌うのです。

 お蔭で夏はよもちゃんにとって、恐怖の季節になりました。
  1. 猫の生活
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2014-07-31 11:10

敵は消費増税 その2

家計調査、消費増税後3か月連続マイナス
日本テレビ系(NNN) 7月29日(火)13時46分配信
 4月の消費増税の後、一般家庭の消費支出が3か月連続で前の年を下回っていることが、統計調査から明らかになった。

 総務省統計局が29日朝に発表した6月の家計調査報告によると、2人以上の1世帯あたりの消費支出は27万2791円だった。去年の同じ月と比べると消費増税以来3か月連続のマイナスだが、マイナスの幅は4月、5月に比べると、6月は縮小した。

 項目別に見ると、去年の同じ月に比べて携帯電話料金などの「通信」や家の外壁などを直す「設備修繕・維持」は増えているが、「パック旅行代金」や、葬式にかかる料金、「医療費」などを含む項目が減っている。


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 消費増税の影響は未だに深刻なようです。 以前も敵は消費税増税と書きましたが、その敵の猛威が迫ろうとしています。

去年の同じ月に比べて携帯電話料金などの「通信」や家の外壁などを直す「設備修繕・維持」は増えているが、「パック旅行代金」や、葬式にかかる料金、「医療費」などを含む項目が減っている。

 携帯電話料金や家の修繕費が増えて、葬式や医療にかける費用が減ると言う事の意味(怪我や病気をする人が減り、死ぬ人が減ったと言うことなら、大変嬉しいけれど、それはあり得ないでしょう?)は良くわかりませんが、それにしても三か月連続で減少は問題ではありませんか?

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 しかしどう考えても消費支出が増える理由はないのですから、減って当然なのです。

 だって4月以降も名目賃金は殆ど上がっていません。 しかし物価は上がり、その上消費税分がそれに上乗せされています。
 
 国民の大多数を占める一般勤労者は一体どこから消費するお金を出せばよいのでしょうか?

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 元々アベノミックスのうち金融緩和は物価を上げるのが目的でした。 物価が上がると失業率が下がるのは、経済学で証明されているのです。
 そして失業率が下がる事で、賃金が上昇するのです。
 
 ① 物価が上がる。
 ② 失業率が下がる。 
 ③ 賃金が上がり、その賃金の上昇率が物価上昇率を追い越す。
 ④ 国民の家計に余裕ができて、消費が増える。
 ⑤ 企業が消費に合わせて生産を増やす為に、設備投資や従業員の雇用を増やす。
 ⑥ 国家全体の消費が増える事で物価が上がる。

 こういうサイクルを作る為に金融緩和を行ったのです。

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 しかしこれには問題があります。
 それは物価上昇は失業率の低下や賃金の上昇に先行するのです。 現在の日本は物価の上昇と失業率の低下までは持っていくことができたのですが、けれどもまだ賃金の上昇は追いついていません。

 賃金の上昇が物価に追いつかなければ、このサイクルは④にまで辿りつくことはできず、経済成長にはつながりません。
 
 それどころか国民の消費が減ったのでは、結局物もサービスも売れず、結局また失業率も上がる事になってしまいます。
 そして国民は所得も増えないのに、唯物価だけは上がると言う苦しい生活を強いられる事になります。

 そうなると日本の経済成長は望めません。

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 ワタシが理解できないのは、このサイクルの②「失業率の低下」しか達成されていない段階で消費税を上げると言うセンスです。
 いずれ増税が必要であるとしても、④の段階「国民の家計に余裕ができて消費が増える」まで待たなかったのでしょうか?
 
 麻生財務大臣は「福祉負担の増大を考えると、増税は避けられない。」と言います。 それがその通りだとしても、そんなことはもう20年も前から言い続けている事です。

 そしてこの20年間財政赤字は増え続けて、国債残高は積みあがってきたのですが、だから何?

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 20年残高が増え続けて国債残高が積みあがってきても、いまだに日本国債の金利は世界最低水準です。 円の信用も下がるどころか、ウクライナや中東の紛争が起きれば安全資産として円が買われるだろうと言う「有事の円買い」まで取沙汰される状況です。

 これでなぜあと数年消費税増税を先延ばししてはいけないのでしょうか?

 長い間病気で寝込んでいた病人がようやく快方に向かい、点滴を止めたり退院生活に供えてリハビリを始めたりしたばかりの時に、重労働をさせるような何でしなくちゃいけないのでしょうか?

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 しかし財務省は増税する気満々です。 その為に消費増税後3か月経っても、まだ消費が回復しないと言う深刻な状況も問題にする気はないようです。

 それどころか、この深刻な結果を誤魔化そうとしているのです。

 消費税増税の悪影響を認めたくないあまりに分析までおかしい「2014年度経済財政白書」

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 それにしても酷い話ではありませんか?
 
 4月の消費税増税の前には政府もマスゴミも財界も「4月には駆け込み需要の反動で消費は落ち込むが、6月頃には回復する」と言っていたのではありませんか?

 それが6月になっても回復していないのです。
 
 5月の消費減少は過去33年のワースト2で東日本大震災に匹敵する深刻さでしたが、政府はこれを「想定内」と言いました。
 
 それでは6月になっても消費が回復しない事については、何と言うつもりでしょうか?
 
 これも想定内と言うのでしょうか?
 それとも今度こそ中国みたいにデータの改竄でもやりまくる気でしょうか?

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 安倍政権の支持率はジリジリと下がっています。 これは集団的自衛権や塩村ヤジ騒動が原因と言う見方でしたが、違うでしょう?

 物価は上がるが賃金は上がらない。
 アベノミックスに期待した国民が失望し始めたのが原因ではありませんか?

 しかし政府は4月の増税による景気の落ち込みに対する対策もしないまま、10%増税を目指しているのです。

 もし本当にこのまま10%増税をやったら、今度こそアベノミックスは幻想に終わるんじゃないでしょうか?

 そうなると安倍政権の命脈が尽きるだけでは済みません。
 日本経済再生のチャンスが永遠に失われるのではないでしょうか?
 そして日本が本当に3流国になり、外交や国防の原資も喪うのではないでしょうか?

 敵は消費税増税なのです。

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 最後に写真は、旧日銀小樽支店です。
 小樽が北海道の金融の中心だった頃に作られた建物です。 小樽で一番豪華な建物です。

 小樽市の懇願もあって日銀は小樽が北海道経済の中心から外れてからも半世紀余りも、この小樽支店を維持し続けました。 しかし2002年遂に小樽支店を閉鎖、その後金融資料館として公開されるようになりました。

 展示物は特に面白くもありませんが、中も大変豪華です。

 ワタシは日銀が開業中から小樽市が日銀からここを貸与して貰って、市立美術館にすればよいと思っていました。
 小樽市立美術館って図書館と同居で凄くショボイんです。
 
 だから今でも美術館にする方が良いと思っています。
  1. 安倍
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2014-07-31 08:54

deep in 小樽 その2

 7月21日小樽に行きました。

 ブルーリッジを見た後、港を出た通り小樽の観光スポットです。

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 港に沿うこの通りは元は古い倉庫や商店が並んでいたのですが、そこが観光化で全部土産物屋に化けました。

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 ワタシはここはあまり好きじゃないのでサッサと出る事にします。

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 ここを出ると昔金融街だった所にでます。 右側の建物が旧北海道拓殖銀行です。 北海道拓殖銀行はバブル時の過剰融資が元になった不良債権をどうすることもできなくて破綻しました。 
 この建物は小樽が最盛期、そして北海道拓殖銀行も飛ぶ鳥を落とす勢いだった頃に作られたので、素晴らしく立派です。
 しかし北海道拓殖銀行が破綻して、北海道銀行に吸収された後は、売られて美術館になり、それも破綻してホテルになり、いまも一応ホテルのようです。

 このあたりには旧日銀小樽支店とか三井住友銀行小樽支店とか、「北海道のウォール街」と言われた頃作られた建物が幾つもあります。 

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 しかし暫く街中を歩いていると暑苦しくなってきたし、お腹も空きました。
 それでまた運河の所に出て、お弁当を食べる事にしました。

 本当は、海を見ながら食べようと思って、家からサンドイッチと瓶詰にしたワインとサラミソーセージを持ってきたのです。
 もう少し歩けば港まで出るのですが、しかしお腹が空いて我慢できません。

 運河沿いのベンチに座って食べていると、カメラを持った台湾人(中国人かも)の老人が目の前に来て、何やら言います。
 写真を撮って欲しいのかと思って、英語で「写真を撮りましょうか?」と聞いたのですが、英語は通じません。 代わりにワタシの後ろを指さし、それからワタシのサンドイッチを指さします。
 
 それで後ろを見てみると・・・・・。

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 ワタシの真後ろにカモメがいました。

 老人はカモメにパンがやりたいようです。 それでワタシはサンドイッチのパンを毟って老人に渡しました。
 すると老人は喜んでそのパンをカモメにやります。

 そしてカモメがパンを食べ終わると、またワタシにパンをくれと言います。 ワタシはまたパンを毟って老人に渡します。
 そうやってサンドイッチの食パンの半分程をカモメにやると、老人は満足したようです。 老人の連れらしき若者がワタシに礼らしきものを言い、二人は立ち去りました。

 しかしあれが中国人だったら・・・・・。
 ネトウヨともあろうものが、中国人にパンを奪われるなんて・・・・・。

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 さて満腹すると、また港に出ました。
 実はここから、祝津やオタモイに行く観光船が出ているのです。 祝津には水族館があります。 オタモイ海岸は景勝地です。
 バスでもいけますが、海を行く方が遥かに気持ちが良いです。

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 しかし問題はあまり本数がないのと、値段が高い事です。
 それでもせっかく小樽に来たのですから・・・・・。

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 けれども港見物に時間をかけ過ぎで、次の便は4時です。 もう少し早くここにきていれば2時の便に乗れたのに・・・・。
 計画性無しで行動するとこういう目に遭うのです。

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 しかしクヨクヨしても仕方がないので、また小樽港内を見物します。 今度はブルーリッジの停泊していた第二埠頭の反対側へ行きます。

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 こちらの方にはいつも海上保安庁の船が停泊しています。

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 真っ白な海保の船は凄く綺麗です。

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 このあたりは大型船は停泊せず、海保の巡視艇の他は漁船が停泊しています。

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 あの橋を渡った向こう側の埠頭の先の方に、海保の大型巡視艇が泊まっているのでそこまで行ってみる事にします。

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 それにしても港内には全く波がありません。 結構良い風が吹いて、時々港外を走るヨットは結構なスピードが出ているのに・・・・・。
 これこそ天然の良港と言われる所以でしょう。

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 橋の上から見る小樽港と小樽の街、そしてその後ろに聳える山が美しいです。
 
 
  1. 札幌の四季
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2014-07-30 11:41

deep in 小樽

 7月21日、小樽へ行きました。

 7月20日に札幌航空ページェントでオスプレイが来たことを、週刊オブジェクト氏が取り上げていたので、これは是非コメントせねばと思ってコメント欄を見たら、そのコメント欄に小樽にアメリカ第7艦隊の揚陸指揮艦ブルーリッジが来ているとありました。

 だったら今日は小樽へ行こう!!
 だって21日の札幌は素晴らしい快晴だったのです。 それに久々海が見たいです。

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 小樽へは電車で行きました。

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 小樽駅が近づくと、電車は高架線を走ります。 この高架線の感じが神戸に似ています。
 小樽も神戸も天然の良港として栄えました。 この天然の良港の条件は波が穏やかで水深が深い事です。 こういう港を持つ土地は山が海に迫っているので、海岸部に殆ど平地がありません。
 その狭い土地にできた都市に鉄道を通す為に高架線が必要なのです。

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 そして小樽駅前に出ると、もう海が見えます。
 さてブルーリッジはどこでしょうか?

 ブルーリッジの小樽来航は親善目的と言う事でした。 しかしネットで調べても小樽港のどこに停泊しているのかわかりませんでした。
 それに一般公開をしているのかどうかもわかりません。

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 一般公開はしていなくても良いです。 どの道半分以上、海を見たくて来たのですから。
 でも一応ブルーリッジを口実に来たのだから、遠くからでもブルーリッジは見たいです。
 
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 それで海に向かって歩いていると、観光客とは微妙に雰囲気が違う、やたらに体格の良い外人男性の3人組がいました。
 
 ヒョッとしてこの人達ブルーリッジのクルーでは?

 と、思って聞いてみると、やはり3人組はブルーリッジのクルーで、停泊地を教えてくれました。

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 航空ページェントに来ていた米兵もそうだけれど、米兵って凄く陽気で親切です。 この3人組も巨体の為見かけは恐ろしげですが、話しかけると実にフレンドリーです。

 ブルーリッジのクルーらしき巨体外人は、この日小樽のあちこちで見かけました。 みな、小樽の休日を楽しんでいるのでしょう。

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 そして教えられた通りの方向に進むと、やがてブルーリッジの巨体が見えてきます。
 
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 残念ながら一般公開はしていませんでした。 
 親善と言いながら、一般公開をしないと言うのは残念です。

 親善はつまりブルーリッジのクルー達が個人的に自由にやるようようです。

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 それでも周りをうろうろしてるうちに、船の全景を撮れる場所をみつけました。

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 船尾の方にはヘリが泊まっています。 このブルーリッジと言う船は1970年就役と言うから随分古い船です。 それを何度も改修しながら今も使い続けているのです。

 この間、小樽には9回も来ていますから、小樽にはおなじみの船です。 唯ワタシは今まで見る機会がありませんでした。
 
 軍事技術は日進月歩のイメージがありますが、しかしアメリカ海軍でさえこんな古い船を結構持っているようです。 船齢が44年となると民間船ならとうにスクラップになっているのではありませんか?

 でも平時ならアメリカでさへ、そうそう新鋭船など作れないと言うことでしょうか?

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 港は静かです。
 船も数える程しか見かけません。

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 ワタシの一家が札幌に引っ越してきたのは、今から半世紀近くも前です。 
 その頃、家族で小樽へ遊びに来たときに、母は小樽港を見て「寂しい漁港やなあ・・・」と言いました。

 小樽市民が聞いたら激怒すると思いますが、母は神戸ッ子で、母の頭の中にある港は神戸港なのです。

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 ブルーリッジを見終わったら、とりあえず小樽港内を見て歩きます。
 
 母にとっては寂しい漁港でも、やはり港の景色は風情があります。 こんなスクラップヤードでも何か美しく見えます。

 これはやはり傍に海があるからでしょうか?

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 小樽港が寂れたのは、道内の経済状況が変わったのと、小樽港には大型船が入れないからです。
 
 天然の良港と言われても、実はブルーリッジぐらいが小樽港に入れる最大クラスの船です。 一度米軍の空母が来たことがありますが、その時は空母が港内で方向転換できないので、タグボートで無理矢理接岸離岸させました。

 これでは大型タンカーやコンテナ船には対応できません。
 だからそういう船は苫小牧や室蘭や石狩湾新港に行きます。 

 平地のない小樽では工場は作れないので、港が拡張されることもありません。

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 それで何とも寂しい港になってしまったのです。
 
 しかし青く澄んだ海と港の景色は限りなく美しいです。


  1. 札幌の四季
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2014-07-29 12:17

おおらかな自信と大人の態度 対韓国外交

 7月17日谷垣法務大臣はこのような発言をしました。

 ヘイトスピーチに関しましては、大変これは恥ずかしいことだと思っております。日本人はもっとおおらかな自信を持たなければならない。ああいうヘイトスピーチは、おおらかな自信を持つことができなくなっているということで、私は大変残念なことだと思っております。これに関してましては色々な啓発活動をしていくことは大事でございます。こういうことは許されることではないと、政府、閣僚、政治家としてあらゆる機会をとらえて発言をしていく必要があるかと思います。

 一方田原総一郎は7月20日の「たかじんのそのまま言って委員会」に出演して、「韓国人は反日ではない」「韓国に対しては大人の態度で接するべきだ」と言いました。

【たかじんのそこまで言って委員会】田原総一朗氏が「韓国人は実は反日ではない」と主張


 最近、韓国に関する話が出ると、このような話をする人が出ます。 つまり「日本人はおおらかな自信を喪ったこと、現在の嫌韓ブームの原因」とか「韓国には大人の態度で接するべきだ」とか言う話です。

 しかしこの「おおらかな自信」や「大人の態度」の結果が、河野談話だったのではありませんか?

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 「大人の対応」「おおらかな自信」と言えば聞こえは良いのですが、これは相手を完全に見下していると言うことです。
 
 相手を愚かな子供だとして扱うのが「大人の対応」で、相手に比べ完全に優位にあると言うのが「おおらかな自信」です。 

 河野談話は

「どうでもよいけど、とにかく韓国が怒っているんだから、適当に謝ってなだめれば良いじゃないか。 慰安婦強制連行が事実であるかないかなんて、どうでもよいじゃないか。 とりあえず謝っておけば、この場は収まるし、文句を言えば目腐れ金をくれてやればよい。 相手は貧乏国で途上国なんだから、先進国で経済大国の日本は大人の対応をするべきだ。」

 こんな発想で作られたのではありませんか?

 結果は日本が根拠のない人権侵害で国際社会で糾弾されると言うものでした。

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 しかしこれは当然の結果です。 幾らなんでも根拠もなしに自分の性犯罪を認めるようなことをすれば、それに付け込まれて大変な結果になるのは常識ではありませんか?

 ワタシは女性なので、自分が性犯罪の容疑を掛けられる心配をしたことはないのですが、普通の男性は気楽に自分の性犯罪の容疑を認めるのでしょうか?

 最低限自分を守る意思のある人なら、相手がどんな人間であれ、そんなことをするわけはないのです。

 けれども韓国を侮り尽くしているから、河野談話なんてものを出してしまったのです。

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 ワタシは戦後日韓関係を悪くした最大の原因は、こういう日本人の「おおらかな自信」や「大人の対応」だと思っています。

 戦後日本は韓国を対等の国家として扱わず、哀れな元植民地として侮り見下し蔑んでいたから、安易な謝罪を繰り返し、安易に経済援助を続けたのです。

 勿論そういう謝罪や経済援助は韓国が要求したものではあります。 しかし本来対等な主権国家であれば、与えるべきでない謝罪や経済援助を安易に行ったのは、結局韓国を一人前の主権国家としては認めていないからです。

 だから韓国は日本を憎むのです。

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 だって子供だって、本当に子供が好きで可愛がってくれる人と、唯自分を子供扱いして適当にあしらおうとする人間の区別はつきます。
 
 いや犬や猫でも、愛情もなしに餌をくれる人間にはなつきません。

 まして一人前の大人が、対等な人間同士なら得られるわけもない施しを得る事に、屈辱を感じないわけはないのです。
 そういう施しをする相手の真意を見抜かないわけはないのです。

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 韓国と言う国は日本の施しが必要だったので、これまで様々日本に阿ってきたのですが、しかしそうやって阿る事で日本への憎悪を増幅させてきたのです。

 勿論こういう風に日本に阿ったのは韓国人の意志です。 でもいくら卑しい人間でも他人に阿る事には忸怩たるものがあるのです。
 それどころか自分から日本に阿った事で、尚更屈辱を感じているのです。
 
 だから彼等が日本の援助に感謝しないのは当然でしょう。
 彼等にすれば日本の援助は、大変な屈辱の代償なのですから。

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 こんなことを70年も繰り返せば、ドンドン日韓関係が悪化するのは当然です。 

 「独立後も半世紀以上も屈辱を強いられたのだから、何とかこれに復讐したい。」

 韓国がこのように考えるのは当然ではありませんか?
 
 そしてこれまでの日本政府の対応を見れば、韓国が騒ぎさえすれば、韓国の言い分を認めて謝罪もするし、金も出すのです。

 だったらトコトンやってやろうじゃないか。

 これが現在の日韓関係ではありませんか?

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 これを変えるには、日本はもう「大人の対応」や「おおらかな自信」は捨てるべきです。
 
 そして相手を一人前の主権国家として対等に扱うべきなのです。 

 つまり正当な理由のない経済援助は絶対にしてはいけないし、在日韓国人の特別永住許可のような不当な特権は1日も早く廃止するべきです。

 日本が他の主権国家に認めていないような援助や特権は与えてはいけないし、「靖国参拝は止めろ」と言うような不当な内政干渉には断固抗議するべきなのです。

 こうして本来の国家対国家としての正常な関係を取り戻すべきです。

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 それには日本人がまず韓国人に対して「差別されているカワイソウな人達」などと言う侮蔑的偏見を捨てるべきです。

 大変卑しく奴隷的な人間ではありますが、しかし彼等は日本人やアメリカ人同様、立派な主権国家の国民なのです。
 同情したり憐れんだりする理由はありません。

 相手を憐れむ同情すると言うのは、結局相手を蔑み見下している事にしかなりません。 本当に韓国が日本と対等な主権国家であるなら、その国の国民を憐れんだり同情したりすることなどありえないのです。

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 今「おおらかな自信」や「大人の対応」を訴える人達は、在特会や維新政党新風が行っている嫌韓デモを、「ヘイトスピーチ」と言って問題にしてます。

 そして在特会等の嫌韓デモに対して「韓国人と同じレベルになって騒ぐ」と批判する人がいます。

 確かに「韓国が反日だから、こちらも反日であることを誇示する」と言うのは、韓国人と同じレベルです。

 しかしねえ、韓国と日本が本当に平等な関係であると考えるなら、韓国と同じレベルで反論するのは当然でしょう?

 韓国人が日本に対する憤りの根源は、実は綺麗事を言いながら韓国人をトコトン見下していることではありませんか?

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 実際「ヘイトスピーチ」を非難する人々は不思議なことに、現在沖縄で行われているアメリカへのヘイトスピーチは全然問題にしません。
 
 勿論これは「ヘイトスピーチ」と騒ぐ連中が反米左翼団体と言うこともあります。 

 しかし本来人権と言う立場で「ヘイトスピーチ」を許さないと言うのであれば、韓国人にしていけない事はアメリカ人にしてもいけないのです。

わんぬうむいニュース 自称市民団体が市民を襲う 2014/07/25


 それをアメリカ人へのヘイトスピーチは問題にせず、韓国人に対してだけは大問題にするのは、本来からいえば人種差別です。

 けれどもそれを人種差別とさへ思わないのはなぜでしょうか?

 それは親韓派を自認して、韓国を擁護している連中が実は、韓国もまたアメリカ同様の主権国家であると思っていないからでしょう。
 
 つまり「アメリカは強い一流国だから、アメリカを批判するのは権力への抵抗である」しかし「韓国は哀れな三流国だから、韓国人を批判したりするのは、弱い物苛めだ」と理解しているからではありませんか?

 けれどもこれこそ韓国を侮蔑する態度です。 そして差別そのものです。

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 ワタシも在特会の会員としてあまりに品位のないデモは止めて欲しいと思うのですが、しかし相手が不当に日本を卑占めるときに「おおらかな自信」とか「大人の対応」とかで、相手を無視するのと、本気で相手に抗議するのと、どちらが誠実で真摯なのでしょうか?

 「大人の対応」とか「おおらかな自信」とか言う人に、ワタシは誠実さも真摯さも感じられません。

 彼等は面倒な相手と向き合わずに、自分の品位を守りたいだけではありません。 極めて誠意も真摯さもない極めて形式的な品位を。

 こんな品位で本当に尊敬されるわけはないし、またそんな対応を続ける限り、日韓関係は悪化するばかりなのではないでしょうか?
  1. 特亜
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2014-07-29 09:58

原発見物 サクランボ付き その4

 7月17日、妹と原発見物に参加しました。 
 この原発見物の目玉はなんといっても、原発の見学にサクランボ狩りが付属している事です。
 
 バスで札幌を出発して、岩内で食事をして、泊で原発を見学。 
 そしてその原発の見学が終わると、いよいよ本日のハイライト余市のサクランボ園でのサクランボ狩り向かいます。
 
 ツアー料金は食事、サクランボ狩り込で2000円。 札幌ー余市の交通費だけで2000円は軽く超えるので、これはお得です。 
 
 この原発見物ツアーにはどう見ても原発なんか全然興味はなかろうと言う、オバサンが結構参加しているのですが、それもこれもサクランボ狩りのお蔭なのです。

 そして原発見物が終わったバスはついに余市のサクランボ園に到着しました。

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 そのサクランボですが、今年は豊作です。

 赤く丸々と熟した実がたわわになっています。
 サクランボ狩りの時間は40分しかありません。 頑張らねば!!

 ワタシも妹も必死でサクランボを取っては、口に入れます。
 甘い!!

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 それにしてもなんと大きく立派な実でしょうか?
 数粒で手のひら山盛りになります。

 果肉が厚く甘く、一粒食べるとサクランボ独特の風味が口一杯に広がります。
 
 2012年は冷夏でサクランボの出来がかったので、サクランボ付き原発見物のサクランボ狩りでは、熟した実を探してサクランボ園内をグルグル歩く事になりました。

 しかし今年は素晴らしいできなので、ワタシも妹も入り口近くの木に貼りついて動けなくなりました。

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 サクランボは家庭の庭でも簡単に育ちます。 けれども収穫が面倒なのと、雨が当たると簡単に実が割れたりして、このように綺麗な実に育てるのは難しいので、サクランボ農家はビニールハウスで育てたり大変な手間がかかるようです。

 だから綺麗なサクランボは馬鹿高いのです。
 こんな綺麗な見事なサクランボなら、パック一杯で2000円近くするでしょう。

 しかし今回はこれを鱈腹食べる事ができます。
 
 と言うわけでワタシも写真を撮るどころじゃくて、必死にサクランボを食べ続けました。
 ああ、幸せ!!

 けれども人間の幸せなんて他愛ない物です。 40分のサクランボ狩りは短いと思ったけれど、30分もするともうお腹がパンパンになりました。

 食い意地の張っている事では世に秀でたワタシが満腹するぐらいですから、他の人達も完全に満腹したようで、30分もするとみんなバスに戻ったようです。

 ワタシは最後まで頑張ったのですが、40分食べ続ける事はできませんでした。

 バスに乗る前にトイレに行くとこんな張り紙が・・・・。

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 何でこんな所にまで韓国人や中国人が来るんだよ?
 もういい加減にしろよ!!

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 こうして今回の日程は全て終わり、バスは札幌へ向かいます。
 札幌までの車窓には美しい海が見えます。

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 ところで泊原発はいつになったら再稼働できるのでしょうか?

 北電は本当は今年の11月を期待していたようです。 しかし川内原発が先になって、11月の再稼働は難しいようです。

 北海道は本州と違って、夏の冷房需要は殆どありません。 だから北海道の場合は電力消費のピークは夏ではなく、冬になります。

 冬はロードヒーティングや屋根の融雪などの需要が出てくるので、冬に電力消費のピークが来るのです。
 それで11月の再稼働を期待していたのです。

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 原発の安全性についての議論はいろいろあります。 しかしこの安全性の議論で欠落しているのは、原発は稼働している場合と、停止している場合でどれだけ安全性が違うかと言う話です。

 原発に核燃料がある限り、停止していても稼働していても安全性は殆ど変りません。
 だったら何で稼働させないのでしょうか?

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 将来的に原発を廃止するか、このまま推進するかは別問題です。 将来的に原発を廃止するとしても、現在ある原発を廃炉にするには、相応の時間がかかります。

 一方原発を止めた状態では電力は綱渡りで、老朽化して取り壊しを待っていたような火力発電所まで無理に稼働させて、ギリギリの電力のやりくりをしているのです。

 新しい火力発電所を作るには、最低十年はかかります。
 まして再生可能エネルギーで原発を代替エネルギーにできるようになるのは、いつの事がわかりません。

 ドイツは原発を廃止して、再生可能エネルギーへの転換を進めている事で有名です。 しかしそのドイツでも現在まだ8基の原発が稼働しています。

 更にフランスから電力を買っています。 フランスの電力は原発で作ったものです。 
 またそれでも足りない分は石炭火力による発電で賄っています。

 それなのに再生可能エネルギーによる電力の買い取り制度で、ドイツの電気料金は非常に高くなっています。

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 将来的な原発廃止を見据えて、長期間努力してきたドイツでこのありさまです。
 
 いきなり原発を全部止めたりしたら、どれほど経済に歪が出るかわかりません。

 原発を止めて以来日本は毎年3~4兆円を火力発電所の為の石油や天然ガス代金として海外に支払っているのです。
 そしてこの膨大が需要がまた石油や天然ガスの価格を押し上げてて、貧しい国々の経済を圧迫しているのです。

 一方日本国内では電気料金が上がり、国民の生活や企業の経営を圧迫しています。
 
 何よりもこんな風に電力が綱渡りでは、日本の企業は日本にもう工場を作る事ができません。 こうして日本の雇用がドンドン失われていくのです。

 更に恐ろしい事ですが、現在日本で予定されている再生エネルギー買取制度が現実に施行されて、現在申請されている太陽エネルギーの総電力を買い取ると、電気料金は3倍になると言われます。

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 原発の再稼働に反対している人達を見ればわかりますが、誰一人生産に直結する仕事はしていません。 坂本龍一のように自分は原発大国アメリカに住んでいながら、なぜか日本の原発に反対している人間もいます。

 なるほどアメリカに住んでいれば、幾ら日本で節電しても困らないでしょう・。

 しかし中小の製造業は死活問題です。 反原発派はこれらの中小企業とその従業員の生活を保障してくれるのでしょうか?
 
 しかも彼等の反原発には何の科学性もないのです。
 彼等が今必死に原発の再稼働に反対するのは、つまりは何が騒ぐネタが欲しいからです。

 反原発をやっている連中は、実は反オスプレイや反集団的自衛権と同じメンバーなのですが、反オスプレイを見ればわかるけれど、本当に何の根拠もなく「危険だあ~~!!」と喚いているのが良くわかります。

 もうこういうキチガイの相手は好い加減に止めましょう!!

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 さてバスは札幌に戻りました。

 この日は一日中、霞だか靄だかのかかる蒸し暑い日でした。
 でも構いません。 
 
 ワタシと妹は「今日はこれで良いから、20日は絶対に晴れて欲しいね。」と話し合っていたのです。
 
 だって20日には札幌航空ショーがあり、オスプレイとブルーインパルスが来るのですから。 そして神様はワタシ達姉妹の願いを聞いてくださって、20日は快晴になりました。
 
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 こうして楽しい原発見物は終わりました。

 来年もまた行きたいと思います。 そして現在やっている工事の進捗状況を見たいです。 勿論サクランボも食べたいのです。

 同様もツアーは他の原発でもやっているのかも知れません。 皆様も機会があったら参加されては?
 サクランボが付くのは泊原発だけでしょうが・・・・。
  1. 札幌の四季
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2014-07-28 11:09

原発見物 サクランボ付き その3

 7月17日、妹と原発見物に参加しました。 厳重なセキュリティチェックと原発に関するレクチャーを受けた後に、いよいよ原発構内に入るバスに乗り込みます。

 残念だけれど、カメラはバスに乗る前に取り上げられるので、原発の写真は撮れません。

 レクチャーやセキュリティチェックを受けた「とまりん館」から原発まではかなり離れている上、原発の敷地自体が非常に広いので、バスで行くのです。

 ちなみに現在は原発構内にもバスが走り回っています。
 このバスは原発で働く人達の交通手段です。

 このあたりは交通の便が悪いので、嘗ては原発の従業員も殆どが自家用車で通勤しており、構内の移動にも車を使っていました。

 しかし福島第一原発の事故では、構内に駐車してあった沢山の車が津波で流されて瓦礫になり、それがその後の復興作業の邪魔になったことから、構内での車の使用は極力控える事にしたのです。

 それで構内への車での通勤は禁止して、代わりに近くの北電施設に駐車して、そこから原発までシャトルバスを運行しているのです。

 さて、いよいよ原発へ入って驚きました。

 2012年に来たときとは、完全に地形が変わっていました。

 まず海岸に沿って、巨大防波堤ができていました。 元々あった防波堤を東日本大震災クラスの津波の襲来を想定して、16.5mまで嵩上げして、そのうえを道路にする予定なので、海岸の景色が一変しています。

 また森林火災が原発に及ばないようにと、原発の後背地の森林を幅40m分伐採して防火帯を作り、その防火帯をコンクリートで固めてあります。

 そして貯水槽や免震重要棟その他の安全対策施設を設置する為に、原発の後ろの山を切り崩していました。

 元々泊原発は海岸にあって、その後ろは海抜80mほどの山だったのです。

 しかし今回はこの山の中腹を、免震重要棟、非常用電源の発電所、電源車等安全車両の駐車場、そして1万トンの貯水槽などを作る為に、切り崩して平地を作っていました。

 さらに山の山頂近い78m地点に1万5千トンの貯水層を3つ造成していました。

 こんなに高所に凄い貯水槽を幾つもつくるのは、最悪事故で電源が亡くなっても、高い所に貯蔵した水なら重力で、原発の冷却に送り込む事が出来るからです。
 また海水よりは真水の方が冷却水としては良いからです。

 勿論これらの貯水槽と原発をつなぐ為の巨大な地下トンネルを設置中です。

 水は原発の冷却だけでなく、9・11のような飛行機によるテロで火災が起きた時にも必要です。

 また原子炉を覆う格納容器と遮蔽壁が破壊された場合は、放水銃で水のカーテンを作って、放射性物質の外部放出を阻止することになっていまが、その放水銃の為の水としても使えます。

 この放水銃と言うのは、巨大放水機を備えた車で、これは使用済み燃料の保存プールの冷却にも使えます。 福島第一原発の事故当時はこれがなかったので、高圧コンクリート車を使ったのです。
 泊原発ではこの放水銃を5~6台常時用意しました。

 勿論電源車や一般工事用の重機、更にこれらの車両にガソリンを供給する為のタンクローリーとガソリンタンク等も用意しました。 そしてこれらの車両は原発の後背地の山の斜面を切り崩して、幾つかの平地を作り、そこに分散して設置することにしました。

 実はこれらの車両は最初は原発一基分を用意していたのですが、その後原子力規制委員会が原発一基につきそれぞれに車両を用意しろと言いだしたので、原発を3基抱える泊原発では最初の予定の3倍の車両を用意する事になったそうです。

 それでこれらの車両の総数は33台だそうです。

 更に電源確保の為に今まであった、原発から伸びていた二本の送電線とは別に、非常用送電線も設置しするそうです。

 と、言うわけで原発の周りの地形が前回2012年の原発見物で見た時とは、一変してしまったのです。

 要するにどんなことがあっても、原子炉と燃料プールの冷却に必要な水と電力が確保できるように、何重もの安全対策を取っているとのことです。
 
 これらの安全施設は勿論まだ完成しておらず、どこもかしこも工事中でした。 だから原発全体が巨大工事現場の有様でした。
 
 この巨大工事現場を案内しながら北電の人が言っていました。

 「一昨日、ここを報道関係者に公開して、安全対策を説明したのだけれど、良く書いてはくれなかった・・・・orz]

 カワイソウに・・・・・。

 ちなみにこの膨大な工事は一体幾らかかるのでしょうか?

 原発構内の見学の後、また「とまりん館」でレクチャーがあったので、質問してみました。

 北電の人によると、この工事には総額1600億の予算をが必要とのことでした。 しかし原子力規制委員会はドンドン新たな対策を付け加えているので、予算が増える事も予想されるようです。

 しかし現在泊原発を止めた為に稼働させている火力発電所にかかる燃料費は実に年間2000億なのです。

 この状況は日本中の電力会社で同様でしょう。 原発の停止で日本が余分買う燃料費は年間3~4兆円ですから。

 これを思えばこの大工事だって、安い物です。
 だから電力会社は出費をモノともせずに、必死で安全工事をやりまくっているのです。

 考えてみればこれを福島第一原発事故以前にやっていれば・・・・・イヤここまでやらなくても、福島第一原発の堤防を嵩上げだけをしていれば、今頃こんな騒ぎにはならなかったのです。

 膨大な燃料費から比べればホンの僅かのお金を惜しんだ事で大変な事になったのです。 そういう意味ではやはり事故対策はやってやり過ぎると言う事はないのです。

 ちなみに原発稼働中泊原発の発電量が北電の総発電量に占める割合は44%でした。 泊原発が稼働している間、北電は原発をコンスタントに稼働させて、電力の大半を賄い、火力や水力で消費電力の変化に対応していました。

 その原発が止まったので、それまで電力消費の大きい時にだけ稼働させていた火力発電所や、殆ど稼働させていなかった古い火力発電所までをフル稼働させているのです。

 一方原発は停止中も管理が必要です。 泊原発では現在北電社員が500人、関連会社の社員が500人働いています。
 この人数は稼働中と変わりません。
 
 稼働中は定期点検が必要ですが、この定期点検には3~4か月かかり、それには1000人ぐらいの人が別に必要です。
 定期点検は一年に一回ぐらい必要なので、3基の原発を持つ泊の場合は、ほぼ2000人の人が年中原発で働いているような状態でした。

 現在はこの定期点検作業がなくて、その作業員1000人が来ない代わりに工事関係者300人ぐらいがいる状態です。 これは地元の経済には結構辛い状況のようです。

 原発見物後のレクチャーの最後で、質問に立った参加者の一人が言いました。

 「この安全対策を見て、自分は原発の安全性は信頼できると思った。 自分は福島第一原発の事故以来、他の原発を幾つも見学したし、六ヶ所村の核燃料貯蔵施設も見たけれど、原発は一日も早く稼働させるべきだと思う。 原発を稼働させないと日本の経済がもたない。 電力の安定供給が確保されないのでは、安心して工場を稼働できない。 電力会社は堂々と安全性をアピールして、一日も早い原発の稼働を訴えるべきだ。」と言いました。
 
 実に堂々とした発言で、単細胞なワタシは感動したのですが、ワタシよりは数等賢い妹は北電の仕込んだサクラじゃないのかと疑っていました。

 ま、あんまり堂々としていてそんな気がしないでもありませんが、ワタシも個人的には原発は一日も早く再稼働させるべきだと思います。

 なるほど今はまだ安全対策工事は終わっていません。

 しかしねえ・・・・原発って稼働していても止まっていても、安全性には殆ど差はないんですよ。
 
 福島第一原発は日本では最も古いタイプの原発で、GMの技術で作ったので地震対策も非常に遅れていました。 それでも福島第一原発は、東日本大震災のマグニチュード8.1と言う史上最大規模の地震では殆ど被害はなく、地震発生と同時に制御棒が下りて緊急停止しました。

 それがあの事故になったのは、地震の後に来た津波が非常用電源と冷却水の取り込み装置を根こそぎ破壊したからです。

 ところで稼働停止中の原発と言うのは、実はこの福島第一原発の地震が起きてから津波が来るまでと、全く同じ状態なのです。

 つまり現在だって津波が原発を破壊するような状態になれば、やはり同様の事故が起きる可能性があるのです。

 違いと言えば、発電できないために、日本中が電力不足で苦しんでいる事ぐらいです。

 一体何の為に稼働を停止しているのでしょうか?
 
 ただひたすら日本の経済を悪化させたい放射脳達が起こす騒ぎと、福島第一原発の事故を自分の事故処理の不手際ではなく、原発そのものにあるとした菅直人の責任転嫁以外に停止する合理的理由はないのです。

 史上最大規模の地震でも安全に緊急停止したので、世界的には福島第一原発事故後、日本の原発の安全性が世界に再認識されたと言うのが現実です。

 ワタシ自身は実は元々原発懐疑派でした。 原発は原発自体だけでなく核燃料や核廃棄物の管理に大変な技術と費用と労力がかかります。

 安全管理を徹底すれば安全ですが、しかしその安全管理を永遠に続けられる保障はないのです。 ところがプルトニウムの半減期は2万年とか核物質が安全になるには気が遠くなるほどの時間がかかります。

 その間に戦争やその他の社会的な混乱があったらどうなるのか?

 実際チェルノブイリなんかその例だと思うし、またその後ソ連崩壊時はソ連中にある膨大な原発の管理に大変な不安を感じました。

 しかしねえ・・・・この世に原発と言うモノがない時代なら、だから原発は作らないと言う選択もあったと思います。

 でも現在既に日本では50基以上の原発が存在しているのです。 だったらもうこれからは現在ある原発を安全に管理する方法を考えるしかないでしょう?

 原発を止めたら安全なら止めると言う方法もあり得ますが、しかし原発は残念ながら止めても止めなくても安全性に差はないのです。

 むしり原発を完全停止したら、もう原発の廃炉や安全性を確保する技術は進歩しなくなります。 だって現在ある原発を廃炉する為だけの研究や技術開発に人生を捧げる人などいなくなるからです。

 現在ある原発を管理し続けるのだって危うくなります。 だって従業員の立場で考えれば、発電もしない原発を唯ひたすら管理するだけの人生なんて耐えられません。
 そういう状態が続けば必ず士気が低下して事故につながるのです。

 だから好むと好まざると原発を作ってしまった以上、これをより安全に稼働させるしか方法はないのです。

 そして現在電力会社も政府も、安全な稼働の為の努力をしているのです。 だから一日も早く再稼働させて、その安全対策に十分な資金を出すためにも、原発は再稼働させるべきなのです。

 こうして原発見物は終わりました。
 
 原発見物が終わった後、帰りのバスに乗るまでの休憩中に妹とワタシは「とまりん館」で内部被爆の測定をしました。
 機械に生年月日と性別を入れると、暫くして測定値が出てきます。

 測定値は妹が5200ベクレル、ワタシが4800ベクレルでした。

 「それはオカシイよ。 年を取る程放射能を沢山浴びているはずなのに!!」

 納得のいかない妹はこれを北電の人に聞きました。 それに対する北電の人の回答は無慈悲なものでした。

 「年齢だけじゃなくて、体重も関係するんです。」

 アハハ、内部被爆は体内に放射性物質を取り込む事で起きます。 ところで放射性物質もそうでない物質も化学的な性質は変わりませんから、ヨウ素でもセシウムでも普通に体内に取り込まれます。 そして普通に代謝します。
 当然体重が重ければ取り込む放射性物質も多いのです。

 これでいよいよバスは「とまりん館」を後に、今回のツアーの最大目的地、余市のサクランボ園に向かいます。 
  1. 原発
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2014-07-27 10:28

原発見物 サクランボ付き その2

 7月17日、妹と二人で原発見物に行きました。 

 これは北電の関連団体が毎年募集しています。 
 
 大通り公園に集合し、バスで泊原発に行って、原発を見学し、帰りに余市でサクランボ狩りをして帰ると言うモノで、参加費は2000円です。

 食事とサクランボ狩りがついて参加費2000円は安いので、ワタシと妹は2011年、2012年そして今年また参加したのです。

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 札幌を出発したバスはJR余市駅で休憩し、岩内で食事を済ませた後、泊原発へ向かいました。

 原発の近くにくると、田園風景の向こうに海が広がります。


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 バスは泊原発に行く前に、原発の近くにある「とまりん館」と言う原発のPRセンターへ入りました。

 参加者はここで身分証明書を確認し、そして原発についてのレクチャーを受けます。

 身分証明書は運転免許所、パスポート・住民基本台帳カードなど顔写真付きの物が必要です。 これを持参しないと原発の見学はさせてもらえません。
 ワタシはこの為に大枚500円をはたいて、住民基本台帳カードを作りました。

 今回参加者の一人がこの身分証明書を忘れてしまいました。 この人は他の参加者が原発を見物する間、「とまりん館」でお留守番です。

 しかしワタシはどうもこの人は確信犯じゃないかと思いました。 つまり原発見物なんかどうでもよくて、サクランボ狩りだけが目当てだったと・・・・・。

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 北電の人によると、このようにセキュリティーチェックが厳しくなったのは、福島第一原発の事故以降だそうです。 それまでは原発をできるだけ多くの人に見て貰おうと言う方針で、誰でも自由に原発に入れたし、原発内を回るマラソン大会までやっていました。

 けれど福島第一原発の事故以降、自然災害だけでなくテロに対する警戒も徹底的に強化するようになりました。 それで玄関には武装警官が居て、原発に入る人や車の検査は厳重にするようになったし、原発の沖にはいつも海保の巡視艇が警戒するようになりました。

 実は泊原発では過去に小規模ですが放火としか思えない火災が起きたことが何度かあります。 しかしそれらの火災の放火犯は逮捕されずじまいでした。
 だから本来このようなセキュリティチェックは絶対に必要でしょう。

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 身分証明書の確認が終わると、今度は原発に関するレクチャーを受けます。

 今回のレクチャーの中心はやはり、福島第一原発事故後の安全対策です。 
 
 この安全対策の話は2012年にも聞きました。 ワタシはこの時に聞いた安全対策工事がどうなっているのか知りたくて、今回のツアーに参加したのです。(サクランボが目当てじゃないから!!)

 ところがあの後からドンドン安全対策が追加されていました。

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 福島第一原発事故直後の段階での安全対策は、主に地震と津波に対する物で、つまり東日本大震災レベルの地震と津波が来ても、絶対に原子炉や使用済み燃料プールの冷却が止まらないようにすると言うものでした。
 
 それから更に森林火災など他の天災や、テロ対策が加わっていました。

 森林火災に対する対策としては、原発の後背地の林と原発の間に幅40mの防火帯を作るとして、森林を幅40m分伐採してそこをコンクリートで舗装したそうです。

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 テロ対策としては航空機によるテロ、つまり9・11のように大型ジェット旅客機が原発に突入した場合を想定した対策を取ると事を義務付けられたのだそうです。

 で、原発本体は頑丈な外部遮蔽壁で守られているので、ジャンボジェットが突っ込んでも壊れないのだそうでうす。 これは日本では実験できませんでしたが、アメリカでは実験したそうです。
 
 しかし問題は大型機が突っ込むと、ジェット燃料で辺りが大火災になることで、この大火災でも原発の機能が失われない事と、この火災を速やかに消火する為の対策をとらなければならないとのことです。

 それでワタシが「ジャンボジェットで大丈夫なら、ミサイルは大丈夫でしょうか?」と聞くと「ミサイルの種類によるので、何とも言えない。」とのことでした。

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 さてこうして、レクチャーが終わると、皆でバスに乗って、いよいよ原発へ入ります。 バスに乗るときに身分証明書を預けさせられ、代わりに身分証明書確認済みを証明するカードを持たされます。
 そしてヘルメットをかぶせられます。 バスを降りる機会はないと言うのに・・・・・。

 それから原発には携帯電話やカメラを持ち込む事はできません。 全部とまりん館に置いていく事になります。
 だから残念だけれど原発の様子を写真に撮る事はできません。

 バスも札幌から来た観光バスではなく、原発所有のバスに乗り換えます。 車も検査が厳しく、観光バスで入ろうとすると凄く時間がかかるのだそうです。

 そのうえバスに北電の人が何人も乗り込みます。 なんでも連れ込んだ客5人に1人ぐらいの監視員が要るのだそうです。
 客の中にテロリストがいても、取り押さえる為です。 

 今回の参加者はワタシ達姉妹が一番若いぐらいで、爺さん婆さんばかりなのに、ホントに大変な警戒です。 前回2012年はここまではしてなかったのですけどね・・・・・。
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2014-07-26 11:40

「南京の真実」 ラーベは日本軍の虐殺を見ていない

 ラーベの著書「南京の真実」をネタにした映画が東京で上映されたとかで、朝日新聞が大喜びしています。

 南京事件を描いた『ジョン・ラーベ』、5年がかりで公開

 「南京の真実」は1939年、日華事変での南京陥落当時、南京在住の外国人達が南京市民保護の為に作った南京安全区国際委員会委員長だったジョン・ラーベの日記を内、南京陥落と日本軍の南京占領当時の部分の抜粋を中心にした本です。

 映画はこのラーベを主人公にして、ラーベがハーケンクロイツを振り回して難民を助けたり、日本軍が大虐殺をしたりするおどろおどろしいもののようです。

 中国はこの映画で、ラーベを「南京のシンドラー」仕立て上げたかったので、こういう展開になるのでしょう。

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 しかしラーベの日記を元にこんな映画を作るのはインチキだと思わざるを得ません。

 実はワタシはこの「南京の真実」を読んだことがあります。 1997年に日本語版が出版された時に、図書館から借りて読みました。

 著者ジョン・ラーベはドイツでレアルシューレ(日本の旧制商業や旧制工業にあたる)を卒業後間もなくシーメスに入社して中国勤務になりました。 
 そしてその後はずうっと中国勤務を続けて、南京陥落当時はシーメンスの南京支配人でした。

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 日本軍が南京に迫り、南京陥落が近づくと、南京在住の外国人は勿論、殆どの南京市民は戦争を避けて南京市外へ避難しました。
 ラーベも家族を避難させています。

 南京に残ったのは、仕事の関係などでどうしても南京を離れるわけにはいかない人々と、貧しくて避難の費用を工面できない人々だけでした。

 ラーベが南京に残ったのは、当時の南京市の発電所がシーメンス製の発電機を使用していたからで、ラーベだけでなくこの発電機にメンテナス要員だったシーメンスの中国人社員達もラーベと共に南京に残りました。
 
 ラーベは糖尿病で、毎日インスリン注射が必要でした。 だからラーベは南京陥落が近づくと、まずインスリンを大量にストックしました。
 こんな事までして南京に残ったラーベは非常に責任感の強い人間だったのでしょう。

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 ラーベには若い時代から日記を付ける習慣があり、南京陥落当時も毎日克明な日記を書き続けたのです。 だからこの日記は南京陥落当時を知る為の重要な資料になりました。

 日記から見るラーベは几帳面で実直で腹が据わっており、しかもユーモアのセンスもあります。 そして上記のように大変責任感の強い人物です。

 このような人物なので、地位や年齢、そして当時の南京在住の欧米人の中でも一番中国在住歴が長く中国通とみなされていた事を除いても、他の外国人の信頼を得て南京安全区国際委員会委員長に選ばれたのは当然でしょう。

 そしてこういう人柄ですから、日記自体、南京陥落の記述に関係なく読んでいて大変好ましいものでした。

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 しかし何とも不思議なのです。

 ラーベは「南京のシンドラー」などと言われて、この日記が南京大虐殺を記述したと言われるのに、読んでも読んでも虐殺の話が出て来ないのです。

 実はワタシはこの本を読んだ頃は、ネトウヨじゃなくて南京大虐殺はあったと思っていました。 この本の出版を知ったのだって朝日新聞の読書欄からかです。 そこに南京大虐殺当時の記録だとあったので、「歴史を学ばなければならない」と思って図書館から借りたのです。

 だからこの本には恐ろしい虐殺シーンが沢山描かれているんだろうなあ・・・・と思いながら、恐々読んだのです。

 ところが読んでも読んでもそんな場面は出てきません。
 何だかキツネにつままれているような気分でした。

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 朝日新聞は映画の紹介でも「ラーベは統制を失った日本軍の蛮行や戦争の惨状を、怒りをもって綴っている。」などと書いていますが、そんな部分は全くありません。

 ワタシがこの本で記憶している日本軍の暴行と言うのは、避難地区に不良兵が一人入り込んで悪さをしたので避難民から苦情が来た事ぐらいです。
 
 ラーベは「こんな奴を片付けるのは簡単だ」と言い、この苦情を日本軍の指揮官に伝えました。 すると指揮官はその兵隊を直ぐに処分したのです。

 これでは日本軍が統制を失ったと言えません。

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 実はこの日記にはラーベ自身による殺人暴行の目撃は一切出て来ないのです。 ワタシの記憶だけでは不完全なので、ウィキを見てください。

 また、一般的にこの日記は日本軍の南京における残虐行為を証言する内容を含むと誤解されているが、実際には中国人の間に日本軍による虐殺の噂があること、安全区において5件の殺人事件の通報があったことを伝えているだけで、ラーベ自身は1件の殺人も残虐行為も目撃・証言してはいない。さらに、日記では日本軍に対する告発のほかにも、難民が避難している安全区に砲台を設けたり、安全区内の空家に潜伏し、放火や掠奪行為を行う中国兵、市民を置いて逃亡した蒋介石政府と唐生智将軍など、中国側にとっても辛辣な記述があり、ラーベ自身も「ここはアジアなのだ!」と記している。また文中には反ユダヤ的な言動がいくつか見られ、ラーベが帝政時代に多かった反ユダヤ主義者であったこともわかる。[要検証 – ノート]

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 ところでワタシが読んだ日本語版は原書の誤訳が多く不完全と言われているのだそうです。 でその誤訳ってこんなものです。

 ラーベ『南京の真実』の誤訳

 どうもこの誤訳は翻訳者が日本軍を悪くする方の誤訳ばかりです。 だから原書を省略した部分はあったとしても、日本軍の暴行略奪シーンを省略したとは全然考えられないのです。

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 ラーベが日本軍による虐殺に触れているのは、唯一本の最後の部分で「伝聞である」と明記したうえで、「南京の郊外で5~6万人が殺されたと言われている」と書いている部分だけです。
 そしてここでラーベ自身もこの伝聞を元にして「南京市で日本軍に殺された人は5~6万人だと推される。」と書いています。 
 
 南京市の郊外で日本軍が中国人を殺したことは事実です。 日本軍は中国軍の更衣兵6000人を処刑しています。
 更衣兵つまりゲリラの処刑は国際法で合法です。
 
 しかし6000人もの人が殺されるのですから、一般市民が見ればショッキングでしょう。 だからそれが噂の中で5万人とか6万人とか言う話になったのは理解できます。

 そしてこの頃既に中国国民党は欧米に「日本軍の残虐行為」を宣伝しており、ラーベもその宣伝を信じたようです。

 つまり自分自身は目撃していないけれど、見ていないところでは虐殺はあったと信じていたのです。 だからドイツへ帰国後、ヒトラーに日本軍の残虐行為を止めさせるようにと上申書を書いたりしています。

 しかしそれでもラーベは誠実に「日本軍による5~6万人の殺害は伝聞を元にした自分自身の推定である」と明言しているのです。 自分が見ていない物は見ていないとハッキリ書いているのです。

305

 勿論映画にあるように、ラーベが体を張って日本軍の暴力から中国人を守るような事はしていません。 そういう必要はなかったのですから。

 それでもラーベが南京市民の為に色々な努力をした事は事実です。
 
 ラーベは日本軍の暴力から南京市民を守る必要はなかったけれど、貧しさ故に南京に残らざるを得なかった中国人達の為に彼等の要望を日本軍に取り次ぎ、また自身も公衆衛生などに関して日本軍に様々な要請をしているのです。

 ラーベは南京安全区国債委員長としての責任を全うしたのです。

434

 以下はラーベが日本軍に送った感謝状と言われるものです。
 
 中国軍は市民が避難した安全区に砲台を構えたのに、日本軍はそこを砲撃することはしなかったのです。 またラーベが国際安全委員会委員長として何をしていたかがわかります。

国際委員会 第1号文書

 拝啓
 貴軍の砲兵部隊が安全区に攻撃を加えなかったことにたいして感謝申し上げるとともに、安全区内に居住する中国人一般市民の保護につき今後の計画をたてるために貴下と接触をもちたいのであります。
 国際委員会は責任をもって地区内の建物に住民を収容し、当面、住民に食を与えるために米と小麦を貯蔵し、地域内の民警の管理にあたっております。
 以下のことを委員会の手でおこなうことを要請いたします。〔後略〕


463

 それにしてもこのようなラーベの日記が、なぜか「南京大虐殺の目撃証言」と喧伝されるようになったのは、実に奇妙な話ではありませんか?

 ましてこれを出鱈目に粉飾して映画化するなど極めて悪質な扇動です。

 しかしこのような本に対する誤解は古典文学でも良くあります。 そして一旦誤解が広がると、マスゴミはその誤解を訂正するよりも誤解を増幅して利益を得ようとするのです。

 「チャタレイ夫人の恋人」をエロチック文学と宣伝するのなどその典型です。

 マスゴミを信用してはいけません。 マスゴミの扇動に乗らない為には、自分の目できちんと確認する習慣を付けるしかないのです。
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2014-07-25 18:04

奇妙なコメント 詐欺でしょうか?

 最近ワタシのブログに奇妙なコメントが入るようになりました。
 こんなコメントです。


★人生で最悪の借金を一瞬で返済できました!

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伝えたいことがあります。
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 これまで同様のコメントが4回入りました。 
 その都度文章とハンドルネームは変わっているのですが、しかしどのコメントもメールアドレスを書いて、「お金がもらえます」と言うのです。

 大変気持ちが悪いので、その都度削除してコメントも拒否しました。 
 昨日も来たので、コメントを拒否したのですが、今日もまた来たのです。

 これは一体何でしょうか?
 何かの詐欺でしょうか?

 他の方達の所には、このコメントは入っていませんか?
 
 こういうモノには一体どう対応するべきでしょうか?

 ご存知の方は教えてください。
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