札幌は今週の初めから素晴らしい快晴の夏日が続いています。
札幌もとうとう夏になったのです。

これから一年で最も快適な季節が始まります。
最低金は20℃弱、最高気温は30℃弱、湿度は低く風は爽やか、半袖シャツ一枚で暑くもなく寒くもなく、快い風が吹きわたります。

夏の夜、心地良い冷気の中で、天気予報など見ていると、関東関西では体温を超えるトンデモナイ猛暑の予報で、「おお、本州の皆様、お気の毒様♪」と同情に耐えません。

ところで夕べレッドバロンさんが、こんなコメントをくださいました。
お聞きすると、ロンドンの6月の気候に似ていますね。
ロンドンの6月は 梅雨の日本の逆で、英国では唯一天候のよい季節です。薔薇の盛りですし、平均気温もそんなもんじゃないでしょうか?
それで郊外で行われる催事が集中します。曰わく女王の公式誕生日、アスコット競馬のopening-day、ウィンブルドンのテニス大会など。
それでも朝晩はかなり気温が下がって、寝るのには毛布がいります。夕方、車中から眺めていると帰宅のバスを待つOLさんが夏のスーツの上から皮コートを羽織っていて…。ロンドンというか、北の方のヨーロッパ独特のスタイルですが、夏に皮ジャンてのが妙にカッコ良くて、文明国っぽいのですよね。実は私が密かに憧れを抱いている服装なのです。
本当に、東京は文明国の首都としては南に過ぎます。札幌の緯度が南ドイツのミュンヘンと一緒、ロンドンに至っては樺太と一緒ですものね。最近は知りませんが、私が行っていた四半世紀前にはホテルにも公共施設にも冷房はありませんでした。
蒸し暑いのが大の苦手なものですから、首都を札幌に移転して欲しいほどです。ロシアとの安全保障上の若干の懸念はあるにしても、夏の季節の生産性の減退と体力の消耗を考えれば、大いに国家経済に寄与すると思うのですがね。
だいたいがですよ、雨期があって、絞れば水が出るような空気の街を首都にしておいては、いかに脱亜入欧を唱えても、欧米の人間からは真面目に相手にされないと思うのですが。気候条件という隠された要因もあるのです。
今日は札幌市民の意向は完全に無視して、勝手な願望をお伝えしました。昨日、レッドバロンさんが、札幌の6月はロンドンの6月に似ていると言うコメントをくださいました。

ワタシはイギリスは知らないのですが、ドイツとオーストリアとイタリアに旅行したことはあります。
で、ワタシの感想では北海道の気候はドイツやオーストリアとほぼ同じではないかと思います。
そして札幌の気候は、オーストリアのインスブルックやドイツのパルミッシュガルテンキルヘンなどと非常に似ているようです。
ご存知のようにこの2都市は冬季オリンピックの開催地です。
ヨーロッパ大陸では珍しい山岳地帯で、雪が沢山降る所です。
札幌も南西部は山脈が走り、降雪量の多い都市なのです。

気候が似ていると植生も似るので、景色も似ています。
インスブルックで迷子になって、新市街をうろうろと歩き回ったり、インスブルック周辺を路線バスで移動したときなど、札幌に戻ったような錯覚を感じました。
そしてドイツやオーストリアをバスや汽車で移動している間は、何か道内旅行をしているような気がしました。
時々教会の尖塔が見えて「おお、そう言えばここはドイツだった。」と思い出すのです。

しかし北海道とドイツ・オーストリアが全く違うのが、緯度です。 札幌の緯度は北緯43.05度、これはイタリアのフィレンツェの緯度43.47度よりもまだ南です。
ちなみに旭川で43.77度ですから、北海道全体はイタリアのトスカーナ州とほぼ同緯度と考えてよいでしょう。

一方インスブルックの緯度は47.26度です。
昔ビールのCMで「北緯43度、札幌、ミュンヘン、ミルウォーキー」と言うのがありましたが、しかしこれは嘘で、ミュンヘンの緯度は48,08度です。
これはどちらも樺太の中部程度の高緯度地域なのです。

緯度が高いと太陽の光は弱く、夏至や冬至で昼と夜の時間差が大きくなります。 だから夏至の頃は日がいつまでも沈まず明るいのは良いのですが、冬は夜明けが遅く日没は早く、恐ろしく陰気になります。
こういう自然条件があるので、ドイツ人は太陽の輝くイタリアに憧れるのです。

ドイツ人は夏の休暇にはイタリアやギリシャなど地中海諸国に押し寄せるのですが、ワタシは前はこれを非常に不思議に思っていました。
だってドイツの夏は北海道の夏同様非常に快適な気候なのに、わざわざ糞暑い所へ行くなんて!!!
北海道の人間は夏に暑いところへ行く趣味はありませんから。
しかしドイツ在住の方に言わせれば「ドイツの太陽は弱すぎて、夏にイタリアへ行って太陽充電をしないと冬が越せない」のだそうです。
おお、なんとお気の毒な!!

だったら北海道に来ればよいのに!
だって北海道はトスカーナの太陽が輝くドイツだもんね。
夏はドイツ同様快適なのは言うまでもないけれど、冬だってドイツみたいに日が短いわけじゃなく、快晴日が多く日照時間は長いのです。

だからワタシはヨーロッパの富裕層の別荘や引退後の生活には、札幌が最高ではないかと思っています。
だって彼等にとって気候が理想的であるだけでなく、200万都市で医療始め都市インフラが完璧に整備されています。
また市内から車で一時間強の所に、海、山、湖、原生林などがあり、非常に気楽にアウトドアスポーツを楽しめます。

こういう札幌のまた北海道の特性をもっとちゃんと海外に発信すれば、北海道観光を特亜の観光客なんかに頼る必要もないし、観光地、別荘地、居住地としてのグレードだってあげられるはずです。
しかし大変不思議なことですが、当の札幌市も観光業者も全然そういう発想はありません。

近年、ニセコのスキー場に海外から客が来るようになりましたが、これだって地元の人が売り込んだのではないのです。
語学講師として札幌に来たオーストラリア人の青年が、スキー場としてのニセコの素晴らしさを知って、自分で小さな旅行代理店を作ってオーストラリアから客を呼ぶようになったのが始まりです。
ワタシ達道民はもっと自分達の住む世界の価値を知るべきだと考えざるを得ません。