憲法破壊、「海外で戦争する国」への暴走を許すな
――「安保法制懇」の「報告書」について>「報告書」は、あれこれの「具体的行動の事例」を列挙し、集団的自衛権行使の必要性を強調している。
しかしその内容は、「米艦が攻撃を受けた場合」「米国への弾道ミサイルの迎撃」など、どれもが、現実には起こりえない、もしくはありえない、架空のシミュレーションにすぎないものばかりである。
非現実的な架空の事例を並べ立てて、国民を脅しつけ、集団的自衛権行使容認を押し付けることは、許されるものではない。
共産党の集団自衛権反対の弁の一部です。 メンドクサイので全部は貼りませんから、全部読みたい人はタイトルをクリックして赤旗を元記事を見てください。
しかし
「米艦が攻撃を受けた場合」「米国への弾道ミサイルの迎撃」って
現実には起こりえない、もしくはありえない、架空のシミュレーションにすぎないものなんでしょうか?
例えば「米国への弾道ミサイルの迎撃」ですが、現在北朝鮮は核兵器と、また核兵器を搭載できる弾道ミサイルの開発を急いでいます。
中国は既に大量の核兵器を搭載した弾道ミサイルを日本やアメリカに向けています。
一昔前なら弾道ミサイルの迎撃は不可能でしたが、幸い今はミサイル迎撃技術が発達して、何とか核ミサイルの防護も可能になってきました。
しかしこのシステムはアメリカ一国、日本一国だけで運用することはできません。 膨大な開発費や高度な技術が必要なので、この開発は日米共同で行い、また情報も共有することで、システムの運用が可能になりました。
アメリカ昨年から韓国へもこのミサイル防衛に参加するように即しています。

共産党がアメリカの政治理念や現在の政策が嫌いなのはわかりますが、しかし核兵器と言うのは一般市民を無差別に大量に殺傷する兵器です。
北朝鮮や中国の核ミサイルで殺されるのは、大統領や米兵ではなくて、一般のアメリカ市民なのです。
何の罪もない一般市民が数十分のうちに、大量に殺害されるのがわかっていて、それを防ぐ事ができるのに放置するって、人道として許される事なのでしょうか?
それとも共産党によればアメリカ人なら非戦闘員でも大量に殺してよいのでしょうか?
だったら同様に日本人も大量に殺されても誰も助けてはくれないでしょうが・・・・・。

そして同様に「
米艦艇が攻撃を受けた場合」も現在の尖閣諸島の近海やベトナム沖の状況を見れば、いつ起きても不思議はありません。
現在ベトナム沖には中国の漁船や海警の船に交じって、中国海軍の軍艦も出ています。 それを今ベトナムが何とか防戦している状態です。
現在の尖閣諸島の状況を見れば、同様の状況がいつ起きても不思議はありません。
この時に自衛隊が米軍と連携できる体制を作っておかなければ、尖閣の防衛ができなくなります。
またその前に沖縄の漁民が中国の海警に拿捕されるなど、現在ベトナムやフィリピンの漁民が蒙っている中国の暴力をと同じ暴力を沖縄の漁民が蒙る事になります。
「米艦が攻撃を受けた場合」「米国への弾道ミサイルの迎撃」ってどちらも「
現実には起こりえない、もしくはありえない、架空のシミュレーションにすぎないもの」どころか、極めて現実的で切迫した話なのです。

そもそも中国は他国の領土を「確信的利益」と言うような侵略国家です。
共産党は日中関係の悪化を、靖国参拝など日本の歴史認識と日米安保の責任にしてきました。
だったら現在中国がベトナムやフィリピンに行っている侵略行為はどう説明するのですか?
ベトナムやフィリピンが過去に中国を侵略したことがありましたか?
ベトナムやフィリピンが越米安保や比米安保のような軍事同盟をアメリカと結んでいましたか?
全く逆でしょう。
ベトナムがベトナム戦争に勝利して、アメリカを追い出した直後に中国はベトナムに侵略を始めたのです。 1988年に中国は西沙群島のベトナム軍守備隊を虐殺して、この島を奪いました。
これって完全な侵略です。
アメリカが1991年にフィリピンにあった基地を全て撤去して、完全撤退した直後に、中国はフィリピン領の南沙諸島を奪いました。
こういう事実を共産党はどう説明するのでしょうか?

そしてこれ以前に集団自衛権の禁止、それによって海外での自衛隊の活動が厳しく制約されることで、海外で日本人が危険に遭った事は何度もありました。
1985年のイランイラク戦争の時は、日航の労組がテヘラン在住の日本人救出の為のチャーター機の飛行を拒否しました。
この時はトルコ航空が助けてくれて何とか日本人が脱出できたのです。
この危険は飛行を引き受けてくれたトルコ航空とそのパイロットには、いくら感謝しても感謝しきれません。
しかしそれにしてもこんな風に自国民を見殺しにして、他国に助けてもらうなんて、こんな恥ずかしい話はありません。
いやそれよりももしこの時トルコ航空が飛んでくれなかったら、テヘランの日本人たちはどうなっていたでしょうか?
イラク軍の無差別爆撃の犠牲になっていたのではないでしょうか?

そして昨年末には南スーダンのPKOで、自衛隊が韓国軍に銃弾1万発を譲ったことを、共産党や社民党や民主党は「集団自衛権の行使だ」「憲法違反だ」と大騒ぎしました。
それじゃああいう場合も銃弾を譲っちゃいけないと言うのでしょうか?
あの時はとりあえず韓国軍の宿営地は無事で済みました。 しかしあの時インド軍の宿営地は武装勢力の襲われて死者を出しています。
ちなみにあの銃弾を運んでくれたのはルワンダ軍のヘリでした。 南スーダンのPKOではヘリを運用しているのはルワンダ軍だけでした。
だからインド軍の死傷者を運んだのもルワンダ軍のヘリです。
それじゃ、もし自衛隊の前でこうしたルワンダ軍のヘリが武装勢力の攻撃を受けていたらどうしますか?
見殺しにするべきなのですか?

ところが呆れたことですが、現在の日本の法律では、このような場合に自衛隊はルワンダ軍を助ける事はできなそうです。
実際イラクで自衛隊とオーストラリア軍が一緒にいるところで、オーストラリア軍が武装勢力に襲われたのですが、自衛隊は何もできなかったそうです。
この事で日本はオーストラリアから大変な不審を買ってしまいました。
当然ですよね。

ちなみにこの時は南スーダンの首都ボルのアメリカ人を救出に出たオスプレイが攻撃を受けて、米兵4人が負傷して救出を中止しました。
もしボルに日本人がいたら?
アメリカ人にせよ日本人にせよ、民間人を救出に出たオスプレイを援護できる場合でも、援護しなくて良いのでしょうか?
オスプレイは輸送機ですから、アメリカ軍だって武装勢力からの攻撃は想定しないで、出したのです。 しかし世界中の軍隊の中でも現在最も戦争経験豊富なアメリカ軍でも、予想不能な事態が起きるのが戦場なのです。
だから日本以外の国は集団自衛権と個別的自衛権なんて奇妙な区別はせずに、防衛の為にできる事はなんでもやると言うことになっているのではありませんか?

国民の生命と財産を守るのが国家の務めでです。
そして本来安全の確保には「
現実には起こりえない、もしくはありえない、架空のシミュレーションにすぎないもの」に対しても、それが国民の生命の安全にかかわるものであれば、それを想定した法整備を行うのが国家の義務なのです。
戦争と言うのは地震や津波や台風同様、繰り返し人類を襲ってきた惨禍です。
9条教徒は「憲法を改正することで戦争をできる国になる」と言いますが、そもそも戦争を好きしたり止めたりできる国というのは、余程の軍事大国だけです。
歴史を見れば公かですが、殆どの国にとって戦争と言うのは好きにやったり止めたりできるようなモノではないのです。

だから共産党だってベトナム戦争でベトナムを非難しなかったのでしょう? 戦争を止めるだけならベトナムが降伏すればそれで終わりだったのに。
現在のベトナムだって好きで中国ともめているわけではないでしょう?
ワタシ達戦後世代が「集団自衛権で戦争をできる国になる」なんて事を言っている理由は、つまり学校やマスゴミで正しい歴史を教えられず、第二次大戦はただひたすら日本が悪い、戦前の日本の歴史を全部根拠なく侵略として、日本が出兵したのは全部日本が悪い、日本から軍事行動を起こさなければ戦争は起きないとだけ教え込んできたからです。
でもそんなことには全然根拠がありません。
そして何よりも現在の日本は中国・ロシア・北朝鮮などと言う侵略国家に囲まれているのです。
中学生を拉致する国、自国民を虐殺する国、現在他国への侵略を続けている国を「平和を愛する諸国民」としてその「公正と信義に信頼する」と言う日本国憲法こそが、
現実には起こりえない、もしくはありえない、架空のシミュレーションに基づいてできているのではありませんか?
幾らなんでももう現実をみましょうよ。