今から20年弱前の事だったと思います。
ワタシはある日家で日経を読んでいました。 当時我が家では日経を取っていたのです。
その当時日経はしきりに中国ビジネスを推進していました。
そしてその日の日経には「中国はこれからは、労働力だけではなく市場として大変魅力のある国になる。 中国には購買力のある高所得層がドンドン増えている」と言うような特集が出て居ました。
ワタシが日経を取っていたのは別にビジネスの為ではありません。 それまで我が家ではワタシ達兄妹が生まれる前から、何十年も朝日を取っていたのですが、その朝日が90年代から「謝罪と賠償キャンペーン」ばかりするようになって、読むに堪えなくなったので日経にしたのです。
日経なら物事の良し悪しなんかに関係なく、ビジネスライクに書いているので、清々すると思ったのです。
しかしその日の日経の中国市場の魅力に関する記事には、何となく違和感がありました。
けれどそんな事は、ワタシ個人にはどうでも良いので、唯暇つぶしに読み進んで行きました。
そして新聞の最後の面にある記事を見て、その違和感が決定的になりました。
北海道版の日経の一番後ろの面には、いつも趣味や文化活動をする人の紹介コラムがあります。 そしていつもワタシはこれを楽しみにしていたのですが、この日紹介された活動は、中国の貧困地区に学校を寄付すると言う活動でした。
中国の貧困地区に学校を寄付する??
それじゃ中国には未だに学校の無い地区が沢山あるのか?
けれどそのコラムを読む限りそのようでした。 中国の奥地には小学校の無い村が沢山あり、日本の篤志家が達が皆で寄付を集めて、これまでにももう数十校の小学校を作ったと言うのです。
当時一校作るのに100~200万円程でできたと記憶しています。
それでこの篤志家のグループは、自分達の仲間で寄付を集めては、中国へ行って小学校を作っていたのです。
そして前に作った学校を訪問すると、子供達が歓迎してくれ手とてもうれしかったと言うのです。 皆唯それだが嬉しくて唯のそれだけの為に苦労してお金を集めて学校を作っていました。
あるとき以前作った学校に鼓笛隊の為の楽器を寄付したら、次に訪問した時は子供達が見事な演奏をして歓迎してくれたと言います。
しかし後で実は学校が出来ても学用品が買えないなどの理由で、学校に来れない子供も多数いると聞いて、鼓笛隊の楽器ではなく、奨学金を用意するべきだったと後悔したなどと言う話もでていました。
全て大変麗しく感動的な話でした。
でもこれは同じ新聞のビジネス記事の中の「高所得層が増えて、市場としての魅力のある中国」とは余りにかけ離れていて、何とも異様でした。
いや中国市場云々の前に、中華人民共和国建国からもう既に半世紀も経っているのに、未だに小学校へ行けない子供が多数放置されていると言うのに驚きました。
しかも中国はこれでも社会主義国家なのです。
ワタシは社会主義や共産主義は嫌いですが、しかしこれまでこの世に成立した共産主義国家の最大の美点は、教育や医療や年金制度を確立した事だと思っていました。
実際ソ連なども革命前は、文盲率が60%とも、労働者農民なら90%が文盲と言う社会でしたが、あらゆる蛮行は別としてソ連は義務教育制度を確立したのです。
シベリアのトナカイ遊牧民の子供達まで、専用の寮を用意して修学させたのです。
このような社会主義国家のイメージからすると、革命後半世紀もの間農民の子供達を就学させることができない社会主義国家ってなんなのでしょうか?
社会主義でなくても普通の国なら、皆子供の学校ぐらいは自分で作るではありませんか?
第二次大戦後独立したアジア・アフリカの途上国も、皆何とか学校ぐらいはちゃんと作り、義務教育の無償化は確立しているのです。
一体この国は何なんだ??
それ以来中国と言う国が実に気持ち悪く、理解不能な国になりました。
あれから中国は更なる経済発展をしました。 有人衛星を飛ばし空母を就航させました。
しかし今でも小学校の建設に外国人の寄付を宛にしているのでしょうか?
貧困地域に学校寄贈の日本人を罵倒する子ども=中国版ツイッター
中国版ツイッター・微博の一起神回復(ハンドルネーム)さんが、自身の微博上で中国の貧困地域に学校を寄贈したという日本人に関するエピソードを紹介したところ、中国人ネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。
一起神回復さんによると、中国で13年も暮らす日本人が中国の貧困地区のために小学校を10棟寄贈したそうだ。しかし、日本人が小学校を訪れてみたところ、子どもたちから「小日本は出て行け!」と石を投げつけられたという。
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同エピソードについて、微博ユーザーからは「子どもたちのしたことは正しい。これは日本人の祖先が残した罪だ。その子孫が報いを受けるのは当然。オレも子どもにこのような考えを植えこむぜ!」、「日本が学校を建てたとしても、当時中国に対して行った悪行が許されるわけではない」など、石を投げつけた子どもたちは何ら間違ってはいないとの意見が多く寄せられた。
しかし、子どもたちの行為を恥じるというユーザーもいて、「人には善人と悪人がいることを教師は教えるべきだ」、「この件で教師のレベルがどの程度かが分かるな」などのコメントもあった。
一方、このような状況は別に珍しくはないという意見も多く、「中国式洗脳教育の産物だ。何もおかしなことではない」、「国の教育がこういう方針なんだから、子どもを責められないさ」と、反日教育に問題があるとのコメントがあった。
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一起神回復さんが紹介した同エピソードの真贋は不明だが、中国であれば現実に起きてもまったくおかしくないと思ってしまう。中国が子どもたちに対し、「日本は悪」と刷り込んでいることを象徴するエピソードと言えるだろう。(編集担当:畠山栄)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0430&f=national_0430_023.shtml
>中国で13年も暮らす日本人が中国の貧困地区のために小学校を10棟寄贈した
これってつまり2000年代以降の話ですよね。 中国がオリンピックや万博を成功させた後も、空母を作りGPSの衛星を飛ばした後も、貧困地区の学校を日本人に寄付してもらっているのです。
中国政府は貧困地区に学校を作る意思がないのです。
そしてこの記事を見て他の中国人の反応にも強烈な違和感を覚えます。
彼等が日本をどう思ってもそれは構いません。
しかし反日とかそう言う話には関係なく、自分達の国の子供達が外国人の寄付に頼らなければ小学校に行けない状況を彼等はどう思っているのでしょうか?
この記事の中国人の反応だけを見ていると、彼等はそもそもそんな事には関心がないようです。
インターネットを使える人達なら、当然自分達は学校に行き、そしてそこそこの収入はある身でしょう?
その人達が同じ中国人の子供の置かれた状況に格も無関心でありながら、一方それなりに愛国者?のつもりなのを見ると、何ともうそ寒い物を感じます。
欧米のメディアなどでは到って普通に中国と日本を比較して、日本がこうなったから。中国だって・・・・と言う論調で語る所が多いです。
また日本のメディアもまた同様な事を言いたがります。
でも日本は明治の初年の内に、義務教育は徹底しました。
他のアジア・アフリカの途上国だって、独立と共に義務教育を開始しました。
中華人民共和国は建国後半世紀一体何をしていたのでしょうか?
彼等は自分達の国の子供達をどう思っているのでしょうか?
一体中国って何なんのでしょうか?