昨日家の前近くで、久しぶりにチビちゃんに会いました。
こんにちは、チビちゃん。 暫く未なかったけど、元気だった?

ああ、元気だったよ。 でもこの頃忙しくてなあ。 今日は久しぶりに暇が出来たから、骨休めでここで涼んでるんだ。
忙しかった? 猫が忙しいなんて事あるの?

呆れた、オマイずうっとデブ虎と暮らして、猫がどんなに忙しいか知らないのか?
だってよもちゃんは家じゃ寝てばかりよ。 それにお外で働いてるとも言わないし。

何言ってるんだ? デブ虎は毎日オマイの世話をしているんだぞ。 自分が散々世話を掛けて置きながら、「寝てばかり」ってなんたる忘恩行為!
そ、そうなの? で、チビちゃんは何でそんなに忙しの? チビちゃんも家族の世話をしているの?

馬鹿を言うな。 ウチの家族は皆賢いから、ジブンに世話を掛けたりはしない。 でもそれとは別に猫には猫の専任業務がある。
それってどんな業務。 業務内容を教えて?

まず自宅警備だ。 但しオマイのウチと違って、ウチは作りが良いからネズミは出ない。
え、それじゃ何で自宅警備が居るの?

虫が入るんだ。 この頃暑くて窓を開けていると、どうしても虫が入り込んで来る。 我とか蜘蛛とか蜂とか、カマドウマなんて奴まで来るんだ。
お祖父ちゃんやパパは平気だけど、ママとお姉ちゃん達は虫が大の苦手なんだ。 そんでパパ達が居ない時は、いつも「キャー!! チビ、助けて!!」って事になるんだ。
そういう時は命の危険を顧みずに、虫と闘ってやっつけなくちゃならない。
それは大変ね。 でもそれだと冬は暇でしょう?

それだけじゃない。 お客様の接待がある。 ウチの家族は皆社交的で付き合いが広いし、その上親戚も多いから毎日のようにお客があるんだ。
その時は自分も接待のお手伝いをするんだ。
スリスリしたり、コテン芸能を見せたりするのね。

そうだ。 けれど誰にでもやたらに愛想を振り撒けば良いと言うわけじゃない。 それじゃ馬鹿サヨの外交と同じだ。 ちゃんと客を見分けて、厄介な客が来たら、毛を逆立て威嚇する時もある。
え、そんなことするの?

だってパパやママが威嚇したら、大変じゃないか?
だから当たり障りが無いように、自分が客を威嚇して、この家では歓迎されてないと言うメッセージを出すんだよ。
なるほどそれは高級な外交戦術ね。

そうだろう? どんなふうに客に接するかは、パパやママの顔色を見て、客の様子を見て、判断するんだが、何しろ高度な判断だから神経を使うんだ。
ふうん。 それは大変ね。

まあ、馬鹿じゃ猫は務まらないなあ。 猫の業務に必要な資質は、勇気があって責任感が強くて、しかも俊敏にその場の空気を読めて、初めて会った奴でもその人間性を見抜くだけの知性だ。
凄いわねえ!!

ああ、それから一番大切な業務は、家族皆の気持ちをなごませる事だ。 外で嫌な事がったり、仕事や勉強で疲れて帰った来ても、玄関に入ってジブンの顔を見たらホッとするような雰囲気を作らなくちゃならない。
それは大変ね。

これでオマイでも、猫の業務内容がどんなに厳しいか解ったか?
わかったわ。
チビちゃんはハードな仕事のストレスから、ストレス太りしたのだと嘆いていました。
本当に猫の業務内容がこんなに大変だとは・・・・・。