これから病院に行くと漢字の読めない看護師に看護される事になるかもしれません。 これは恐ろしい事です。
例えば血液検査を受けるとして、患者の血液を採血して、その血液の容器に患者の名前や検査項目などを書き込んだラベルを貼るのは、看護師の仕事です。
でもこれからは、この項目をきちんと書けない、読めない看護師がそれをするのです。
また入院すれば看護師さんが薬を配ったり、注射をしたりしてくれます。 しかしその看護師さんは患者の名前が読めないし、注射や薬の理由である病気の名前も読めません。
これって怖すぎます。
でもこれは冗談ではなく現実になります。

★振り仮名など200カ所配慮=外国人受験の看護師試験-厚労省
厚生労働省は20日、同日実施した看護師国家試験で、経済連携協定(EPA)に基づき受け入れた外国人受験者に配慮し、難解な専門用語に振り仮名を付けるなど、設問の約200カ所で対応策を取ったと発表した。
同省によると、難読用語への振り仮名が8カ所、疾病名などの英語併記が183カ所、外国人名のアルファベット併記が3カ所。
看護師試験の合格率は、日本人の90%前後に対し外国人は1.2%にとどまり、同省は医療現場への影響に留意しつつ、「言葉の壁」に配慮した問題作成を初めて行った。(2011/02/20-21:20)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201102/2011022000228

日本がインドネシア人やフィリピン人の看護師を受け入れたのは、両国との間に結んだEPAの結果です。 そのような協定を結んだならそれは守るべきです。
また外国人の看護師が悪いとは言いません。
しかし看護師は患者の生命に関わる専門家ですから、日本で働く以上絶対に日本の国家資格が必要です。 日本語が不自由な外国人だからそれを甘くすると言うのは問題外です。
だって上記のようにの正確な読み書きは、看護師の仕事の最低条件です。
ところが上記の記事のように、今回日本政府が行った試験では、患者の名前どころか専門家なら日常使うはずの専門用語も満足に読めない書けない看護師ができてしまうのです。
専門用語のわからない専門家と言うのがこの世にあるでしょうか?

今回このインチキ試験を受けた受験者達は、母国で看護師に資格があり、日本で3年間看護師の助手などをしながら日本語を学んだと言います。
それで看護師の国家試験を受けた所、合格率が1%程度だそうです。
これって当然ではありませんか?
例えば日本人の看護師が英語圏の国で3年雑役をしながら英語を学べば、その国の看護資格がとれますか?
そんな事はありません。
だから英語圏で看護師として働きたい日本の看護師さん達は、自費で語学を学んでから当該国の試験を受けるのです。
例えば今回のニュージーランドの地震で行方不明になっていらっしゃる看護師さんの経歴を見ればわかります。
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110228ddm041030117000c.html
皆素晴らしエリート看護師ばかりですが、それでも海外で働く資格を取るためには、自費で語学留学をしています。
いかにエリート看護師と雖もきちんと言葉のできない人を、医療現場で使うわけにはいかないから当然なのです。
患者の生命にかかわることで、安易な同情や妥協をするのがオカシイのです。
アメリカやイギリスやオーストラリアなどでは、外国人の看護師を受け入れていますが、勿論それぞれの国の国家試験を全部英語で受けなければなりません。 オーストラリアなど一度落ちるとそれっきりダメと言う厳しさです。
これを差別とは言わないのです。

けれど結局日本ではこのようなインチキ試験で、読み書きのできない看護師を作ってしまいました。
そしてこれに関するニュースを検索していると、大変呆れた話ですが、「言葉による差別を辞めるべきだ」とか「日本語を壁にするな」とか言う意見が出ています。
そしてその背景にあるのは「外国人なのに、日本人と同じ日本語能力を要求するなんて差別だ。 可哀相だ。」と言う発想です。
でもアメリカで看護師資格を取るのに「外国人だからアメリカ人並の英語力を要求するのが差別だ。」なんてことが言えますか?
まして専門用語がわからないから、「試験には日本語も書いてほしい」なんて言えますか?

このような事を言っている人は、本当に島国根性と言うか、国際社会を理解できない人ではないかと思います。
だからまるで田舎の英語教師が町に初めて来た外人に、やたらに親切にして、付きまとって頼まれもしない通訳を続けるような事をして、それが国際化だと思っているのです。
本当の国際化ってこんな事じゃないはずです。