「馬鹿殿」に出演した台湾人、中国から「天皇に跪いた」と非難殺到
2010年1月25日
2010年1月7日放送のフジテレビ「志村けんのバカ殿様 初笑い!時代劇スペシャル」に台湾のマジシャン、劉謙氏が出演した。これに対し、中国のネットメディア「環球網」の掲示板には25日、劉謙氏が出演したシーンのキャプチャーとともに「日本の番組で劉謙が天皇に跪(ひざまず)く」と題する書き込みが寄せられた。
書き込みでは、「劉謙氏は天皇に跪いたほか、幼少の頃から殿のファンだったと語った。劉謙氏の悪劣極まる行為は13億の中国人民の感情を傷つけた」とし、劉謙氏を中国大陸から全面的に締め出すべきだとした。
掲示板に書き込んだ中国ネットユーザーは、バカ殿を演じる志村けん氏は「天皇陛下」を演じていると勘違いしているほか、「殿=天皇」であると誤認していると見られる。この書き込みは中国共産党機関紙である環球時報のウェブサイト「環球網」のトップページの目立つ場所にリンクされているため、大きな注目を集め、今後も大きな波紋を呼ぶことは必至と見られる。
中国のネット上の意見を見ると、「中国人は劉謙氏を排斥(はいせき)すべきだ」など、掲示板に書き込まれた内容を鵜呑みにした反応がほぼすべてを占めていた。(編集担当:畠山栄)
・「バカ殿」騒動で中国媒体が軌道修正-志村けんは“至高の芸人”(2010.01.26)
・「バカ殿」出演の台湾人が一夜にして「売国奴」に、声明を発表(2010.01.26)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=0126&f=national_0126_006.shtml

余りにバカバカしいニュースだったので、これを最初に見た時には一瞬何の事だか意味がわかりませんでした。
しかし本当に中国人は、志村けんの「バカ殿」を天皇陛下と間違え、それに出演した台湾の人気マジシャンを「売国奴」と言って怒り狂ったのです。
いったいどうやったらこの典型的なドタバタ喜劇を現実と思えるのかわかりません。
中国のネットユーザーは3億人とも言われます。 一応ネットが使えるわけですから文盲ではなく、また天皇陛下の事で憤ると言うのであれば、ノンポリでもないでしょう。
また他の中国人に比べたら、海外情報にもより多く接しているでしょう。
でも中国人のレベルってこんなものなんですね。
今はこのみっともない騒動を抑えようと共産党も苦労しているようですが、なかなか収まらないようです。

しかしの記事とこれに関連する記事を読めばわかりますが、そもそもこの台湾人劉謙氏を「売国奴」と非難してる人々は、実際にこの志村けんのバカ殿も、また実際にこの劉謙氏が出演しているシーンを見たかどうかもすこぶる疑問です。
最初に劉謙氏を非難するカキコを見たら、もうそれでアタマに血が昇って、それでキチガイのように騒ぎ出した連中が殆どではないでしょうか?
そして一度アタマに血が登ると、いくらマトモな情報を教えられても、狂乱状態は収まらないのです。

ワタシがこれで思い出すのは、2003年の西安の反日デモです。
http://kamomiya.ddo.jp/%5CSouko%5CC01%5CMizuta_N%5CBoudou.htm
この反日デモは西安の大学の文化祭で、日本人留学生の演じた寸劇が中国人を侮辱したと言うの事が原因です。 そしてそれが遂には100万人規模の巨大反日デモになりました。
ワタシは当時ネットはしていなくて、テレビでこの事件を知ったのです。
この時のテレビの報道を見ていて、何が奇妙ってテレビは全局、この反日デモのすざまじさを伝え、この騒動を起こした日本人留学生達をひたすら非難するのですが、ではこの学生達がどんな演技をしたのか?は全然報道しませんでした。
この演技のビデオは愚か写真一枚なく、どんな演技だったかと言う説明が出たのさへかなり後です。
つまりこの演技がどんなものだか実際に見る事ができたのは、当日この寸劇が行われた講堂にいた800人だけで、他の人間は全部「日本人が寸劇で中国人を侮辱した!!」と言ううわさだけで怒り狂ったのです。
しかし呆れた事に、日本のメディアもこれを一切検証する事なく、ひたすら日本人留学生だけを非難し続けたのです。

日本のメディアが実際の情報を得る手段を持たなかったわけではありません。 それどころか、当時命からがら日本へ逃げ帰った西安大学に留学中の学生達が、何人もテレビ局に電話をして、ことの顛末を話していました。
しかし日本のメディアはそれを無視して、日本人留学生達に罪をきせることでこの騒動の本質をそらそうとしたのです。
そこで学生達は2チャンネルなどに顛末を書き込み、真実を知らせました。
便所の落書きと言われる2チャンネルですが、実は日本のマスコミは便所の落書きどころか、中国様の使用済みトイレットペーパーでしかなったのです。
もそも本当に日本人留学生が中国人を侮辱する寸劇を演じたとしても、このような反日デモに至るのはマトモな国では有り得ない事なのですが、日本のマスゴミにはそれを冷静に見る発想さへ無かったのです。
そしてこれで思い出すのは今から100年も前のアメリカで、大山捨松(旧姓山川)が卒業記念講演で当時の日米不平等条約に付いて、堂々とアメリカを非難した話です。
人種差別も女性差別も極めて深刻な時代でしたが、しかしアメリカでこの演説が非難されることはなく、むしろ彼女の愛国心と知性が賞賛されました。 そして不平等条約解消に協力を申し出るアメリカ人も多数いたのです。

あれから7年、中国は驚くべき経済成長を遂げ、ネットの普及を進みましたが、このバカ殿騒動を見る限り、結局中国の本質は全く変わっていません。
そして日本のマスゴミが進歩したわけでもないようです。
中国人には賢い人も大勢いるのですが、この国のレベルはリアルバカ殿様です。
16億人のバカ殿様、これが中国なのです。
この現実がある限り、日米中正三角形など有り得ないのです。