護衛艦衝突で貨物船を調査 10月31日
関門海峡で海上自衛隊の護衛艦くらまと韓国籍のコンテナ船が衝突した事故で、国土交通省運輸安全委員会は30日、コンテナ船の前方を航行していたパナマ船籍の貨物船クイーン・オーキッド(9046トン)の船長らから事故前後の状況を聞き取り調査した。
運輸安全委員会広島事務所の事故調査官ら3人が午前11時半、福山市の福山港に入港していた同船で事故前後の状況を聴取した。
調査官によると、貨物船は時速7~8ノットで現場を航行。事故の10分ほど前には後方のコンテナ船をレーダーで認識していたという。
船長は関門海峡海上交通センター(北九州市門司区)から「コンテナ船が右舷側から追い越す」と連絡を受けたが、ゆるやかに右舷側に針路を取る航路のため「右では困る」と応答。その後、連絡はなかったと説明したという。
さらに、船長は「コンテナ船はかなりの速度で近づいてきた。警笛は聞こえたが、どの船へのものなのか分からなかった」とし、現場の海域は「狭く、航路も直線ではないので針路変更は危ない」と指摘したという。
/news
【写真説明】caption福山港に停泊する貨物船クイーン・オーキッド
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200910310062.html
実はくらまの事故でもう一つ気になっていた事があります。 くらまでも韓国船でもないもう一つ船、つまりこのパナマ船クィーン・オーキッドです。
この動きに付いての情報がありませんでした。
しかしこの情報からすれば、このパナマ船の船長は10分前から韓国船の存在に気づいています。 そして4分前には左側から抜くように海保に要求しています。
でも追突されそうとまでは思っていなかった節もあります。
この写真は問題のパナマ船です。 内海航路の専門家のブログ「内航.com」からお借りしました。 この方の解説も御覧下さい。
http://naikou00.blog70.fc2.com/blog-entry-1592.html
しかし9000トンの巨大な船です。 韓国船(7000トン)より二周りは大きいのです。 こんな巨大な船が韓国船の前をゆっくりと走っていたのですね。
もう一つの記事があります。
関門衝突事故 前方の貨物船 違反? 7管調べ 航路中央付近を航行
2009年10月31日 05:13
関門海峡で海上自衛隊護衛艦「くらま」と韓国籍コンテナ船「カリナ・スター」が衝突した事故で、直前までコンテナ船の前方の航路中央付近を航行していたパナマ船籍の貨物船「クイーン・オーキッド」(9046トン)に、関門海峡の航行規則違反の疑いがあることが30日、第7管区海上保安本部 (北九州市)の調べで分かった。7管は、低速の貨物船が航路中央付近を進み続けたため、コンテナ船が管制の誘導に反して、衝突寸前まで右側から追い越す航路をとり続けた可能性があるとみている。
港則法の施行規則は、関門海峡では「できる限り航路の右側を航行する」と規定。罰則はない。
7管によると、衝突の数分前、7管の関門海峡海上交通センター(北九州市)はコンテナ船に貨物船を左から追い越すよう誘導。だが、コンテナ船は減速せず、誘導とは違う右から追い越すコースをとり続けた。関門橋の下付近で貨物船が減速しながら右に進路変更し始めたため、貨物船の船尾右側に位置していたコンテナ船は追突を避けようと左へ急旋回。前方から直進してきたくらまと衝突したとみられる。
7管の幹部は「狭い関門海峡で航路中央を航行するのは危険な場合もあり、今回の貨物船の航行には疑問が残る。
ただコンテナ船がいったん減速し、海峡を過ぎてから追い抜いていれば衝突は避けられたかもしれない」と指摘している。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/131539
>関門衝突事故 前方の貨物船 違反?
>港則法の施行規則は、関門海峡では「できる限り航路の右側を航行する」と規定。罰則はない。
あれまあ、規定も罰則もないのに、貨物船が中央航路を進んだから違反?ですか? こんなの報道テロでしょう?
ここで読売新聞が出したと言う図を出してみます。
カリナスター(韓国船)はギリギリまで右から抜くつもりだったのです。
これは上の記事と一致しますね。
そして下は2チャンでワタシが拾ったログに、韓国船とパナマ船の位置を書き込んで見ました。
韓国船よパナマ船が交差するかどうかで違いがでました。
ログ上に書いた番号が同じものが同じ時間で、ピンクがパナマ船、黄色が韓国船です。 韓国船は12~14ノット、分速370~400メートルで動き、パナマ船は7~8ノット220~250メートルで移動します。
◆衝突まで4分間の交信内容
・センターから貨物船へ
「C号(コンテナ船)が接近している。注意して下さい」
・貨物船からセンターへ
「了解。左側を追い越させます」
・センターから貨物船へ
「航路の中央付近を航行しているので右側に寄って下さい」
・貨物船からセンターへ
「了解。右に避けます」
・センターからコンテナ船へ
「貨物船が右側に動いています。左側を追い越して下さい」「前方に自衛艦が接近しているので注意して下さい」
・コンテナ船からセンターへ
「了解。左側から追い抜きます」
・センターからコンテナ船へ
「カリナスター、注意して下さい。注意して下さい」
・センターからコンテナ船へ
「カリナスター、カリナスター」
・センターからくらまへ
「C号が貴船に異常に接近しているようです。避けて下さい」
・くらまからセンターへ
「(コンテナ船と)接触しました」
http://mainichi.jp/seibu/shakai/news/20091029ddp041040027000c.html
① 4分前、海保からパナマ船に韓国船の接近を知らせる交信が入る。
② パナマ船はまだ中央航路を航行中。
韓国船も中央航路を航行中。
③ 韓国船とパナマ船との距離が詰まる。
パナマ船右に移動。
韓国船、左に移動。
④ 韓国船とパナマ船の距離最短。
韓国船は大きく左に舵を切り、対抗側にはみ出し行く。
いずれにせよ、くらまには何の罪もありません。 問題は韓国船とパナマ船と海保の管制です。
しかし前述したように海事規則では、後ろから来た船に航路を譲る必要はありません。 特にこの場合のように障害物が近くにある場合は、後ろの船を通すために障害物に近づく義務はありません。
それどころか障害物に近いほうの船は、障害物と十分な距離を取れるように、平走する船に航路を開ける事を要求する権利があります。
だからパナマ船は中央航路を航行し続けた事に、規則違反は問えません。
海保は韓国船に左からの追い抜きを指示しましたが、問題はその指示がいつかですね?
事故発生4分以内である事は確かですが、韓国船は当然前方のパナマ船が前に居てドンドン距離が詰まっている事はわかります。 またパナマ船が中央から動かない事もわかります。
この状況で右抜きは、相手が直進しても航路の右端、岬のギリギリを通過する事になります。
左によれば反対航路に出る可能性はあるのですが、とにかく岸ではありません。
常識的に考えても、韓国船はパナマ船が見えた時から、減速しながら左に寄るしかありません。 海保の指示以前の問題でしょう?
NHKは7時のニュースで、海保の責任を追及すると言うニュースを流していました。 自衛隊に責任転嫁できなくなったら海保に責任転嫁ですね。
でも海保の管制はあくまでアドバイズで操船の責任は船長にあります。
でも奇妙です。 この最初の中国新聞の記事からすれば、パナマ船は追突されそうと言うほどの危機感が無いですね。 だとしたら、韓国船は何であんな無茶苦茶、左旋回したのでしょうか?
やっぱりくらまを友愛する気だったのでしょうか?