「 闇の偽善団体」で映画「闇の子供達」を日本ユニセフ協会が応援してる件について取り上げました。
そしてこの事について日本ユニセフ協会に問い合わせたところ、今朝この映画の広報担当の中井氏から回答の電話がありました。
中井氏の返事を要約すれば以下の通りです。
⑴、 日本ユニセフ協会はこの映画の全てが事実とは言っていない。
映画会社がノンフィクションであると宣伝した事は知らない。
監督が真実であるような発言をしている事も知らない。
⑵、 推薦した目的は子供の人身売買やそれによる人権侵害を訴える為。
関係するNGOやユニセフ関係者は、映画の内容に誇張はないとして好意的に受け取っている。
⑶、 ユニセフには臓器移殖の為の人身売買があると言う報告書がある。
正直言って大変驚いきました。 まず一番驚いたのが⑶です。 映画では闇の臓器売買市場があり、タイで移殖手術が受けられる事になっています。
しかしこれは映画の取材に協力した医師が、完全に不可能でフィクションと明言しています。
それで私は聞きました。
「ではどのような臓器の移殖の為の人身売買があるのですか? それはどの国であるのですか?」
中井氏の答えは
「どのような臓器かまでは解らない。 アジア、アフリカ、中南米の国々である。」
でした。
しかし臓器移植と言っても、角膜から心臓までドナーへの負担も、手術の難易度も様々です。 だから移殖する臓器も解らない状態で「臓器移植の為の人身売買がある」とする報告書を出すのなら、もうユニセフの報告書なるものの信憑性などゼロとしか言えません。
次に⑵についてです。 子供の人権侵害がある事は事実です。 しかし程度と状況の深刻さに付いては正確であるべきです。 自分達の仲間が言ったから事実だとするのでは、インチキもいいところです。
最後に⑴です。
「闇の偽善団体」でも書きましたが、日本ユニセフ協会ではこの映画を、
>ドキュメンタリーではありませんが、内容的にはドキュメンタリーと同じで、誇張でも何でもありません。是非ご覧ください。
>世界各地で実際に起っている「現実」を映し出しています。
などと言って推薦しています。
そして映画会社は「ノンフィクション」と広告しています。
日経、読売、毎日なでの取材に監督は「事実を知って欲しかった」などと公言しています。(監督は協力した専門医から、闇の心臓移植は不可能と言われたはずなのですけどね)
これを日本ユニセフ協会が知らなのでしょうか?
大手の日刊紙がこれを真実と言う監督の記事を載せ、そして日本ユニセフ協会が推薦しているのですから、映画を見た多くの人がこれを本当に真実だと思っています。
「闇の子供達」で検索すると、この映画を見た人がブログ等で感想を書いているのが解ります。
実に多くの人が「真実」だと思い込んいるようです。
子供の売春目的の人身売買だけでなく、闇の心臓移植も真実だと思い込んでいます。 当然でしょうね。 移殖医療に詳しい人でなければこの部分だけが虚偽なんて分かるはずもないのですから。
私だって何も知らないで映画を見れば「全て真実」だと思ったでしょう。
しかし子供の人権侵害を訴える為なら、事実無根の臓器移植殺人を事実のように宣伝して、タイとタイの国民とタイの医療関係者の名誉と人格を傷つける事は許されるのでしょうか?
また臓器移植を必要とする人々を殺人者のように誹謗中傷する事は許されるのでしょうか?
強制売春やその為の人身売買は許されない犯罪です。 でもだからと言って犯人に事実無根の殺人の罪を着せて良いのでしょうか?
これらはどう考えても深刻な人権侵害です。
でも日本ユニセフ協会の中井氏は全くその事が理解できないようです。
自分達の主張のプロパガンダの為なら、他人や他国民の人権など糞食らえ!!
これが日本ユニセフ協会、そしてユニセフの人権感覚だと言う事が解りました。