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2024-04-08 13:04

5% ローマ帝国のキリスト教化から考えるイスラム教の危険性

 AD380年、ローマ帝国はキリスト教を国教化します。 更にその後392年、キリスト教以外の宗教が禁止されます。 
 これによりローマ帝国は建国以来守り続けてきた宗教を完全に禁じられました。

 ローマは元々ジュピターを主神とする多神教を信仰しており、ローマの中心にあるカピトリーノの丘にジュピター神殿があり、皇帝はその神殿の大神儀官を兼任していました。
 ローマの神殿運営って、日本の神社と似ていて、カピトリーノの丘のジュピター神殿の場合は、元老院議員達が氏子、大神儀官である皇帝が氏子総代と言う形で運営されていました。 
 ローマ以外の地域の神殿も同様で、神殿の管理運営は神官や巫女ではなく、地域の住民達が中心となって運営していたのです。

 カピトリーノの丘にはジュピター神殿だけでなく、ローマの属州になった地域の神々の神殿も並んでおり、ジュピター神殿同様に多くの参詣人が詰めかけていました。
 ローマ人は30万の神がいると信じていました。
 日本の八百万よりは大分少ないのですが、しかし30万もの神様がいるとなると、自分達ローマ人が全ての神様を知る事はできないと考えていました。
 だから新しく属州となった地域に、自分達の知らない神様がいるとわかると「それじゃこの神様もお祭りしなければ」と言う感覚だったのでしょうね。

 属州になった国の神様なんか本気で崇拝したの?
 それがローマ人は新しいモノ好きなのか、流行神が好きなのか、新しい属州ができて、新しい神様が祭られると、参詣人がワイワイ押し寄せたそうです。
 こういう状況ですから、ローマでは信仰の自由は自明の理でした。
 どんな宗教でも公序良俗を乱したり、反社会的な行動を扇動しない限り、一切禁止される事はありませんでした。

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 因みにユダヤが属州になった時も、ローマはカピトリーノ丘にユダヤ教の神殿を作ろうとしましたが、ユダヤ教側が拒否したので、これは作られませんでした。 ユダヤ教自体も禁止されていません。
 しかしキリスト教は問題になりました。
 それはキリスト教が広まるにつれて、徴兵拒否やローマの伝統的な宗教行事参加拒否などが問題になってきたからです。

 これって現代の日本でも時々ありますよね?
 空知太神社への地代免除反対裁判とか、殉職自衛官の靖国神社祭祀拒否とか、神社に絡む裁判のバックには必ずキリスト教徒がいます。
 古代ローマでもキリスト教徒はこれをやり始めたのです。
 尤も古代ローマでは裁判をやるのではなく、キリスト教に入信した官僚等が、地域や国家として行う宗教儀式への参列拒否をするのです。

 実はこれはユダヤ教徒もやっていたのですが、ユダヤ教はユダヤ人限定の宗教だったので、ユダヤ人の人口以上に信者が増える事はありません。 だからユダヤ人が反ローマの反乱でも起こさない限り放置してきました。 
 ローマの宗教政策って至って現実的で、理念や教理ではなく、社会的な問題ならないなら放置、出来る限り個人の自由に任せるんです。
 しかしキリスト教は全人類を対象にしているし、実際それがジワジワと増えていくのですから、放置する事もできないのです。

 前記のようにローマの伝統的な宗教と宗教観では、新しい神様、新しい信仰が生まれる事は無問題なのです。 しかしその信仰を理由に他の宗教や他の神様を否定する、更には国家や地域の伝統である宗教行事もボイコットするとなると「反社会的」と看做さざるを得ません。
 それでキリスト教は成立直後から、禁止されていました。
 しかし昔のハリウッド映画にあったような残酷な刑罰を科していたわけではありません。 

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 でも一体何でキリスト教がそんなに広がったのでしょうか?
 キリスト教の教理はそれほど魅力的なのでしょうか?
 しかし元々ローマ人の流行神好きを考えたら、安易に入信する人が結構いても不思議はありません。
 だってローマ人は自国との戦争に負けて属州になった国の神々の神殿にも喜んで参詣しちゃう人達だし、ローマの宗教自体がそうした流行神への参詣を禁止する教理はないのですから。
 それにキリスト教もまたローマの属州の宗教の一つだったわけです。

 但しキリスト教徒とローマの属州の他の宗教との違いは、属州の他の宗教はその宗教を信じてもローマの神々もそのまま信仰できるけれど、キリスト教に入信すると属州の他の宗教は勿論、ジュピター始めローマの伝統の神々を全否定する事になるのです。
 つまり一旦キリスト教に入信すれば、他の宗教全てと敵対する事になります。
 その為、キリスト教入信自体が反社会的行為になるのです。
 だからローマ帝国もキリスト教は禁止せざるを得ないのです。
 
 これだと一旦キリスト教に入信した人間は、完全にキリスト教側だけについて、そのまま反ローマで居続ける事になります。
 キリスト教の教理の合理性や魅力には関係なく、一旦キリスト教徒になったらそのままずっとキリスト教徒なので、当人の「死」以外でキリスト教徒が減る事はなく、わずかずつであっても増え続ける事になります。

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 実際、キリスト教はジワジワと広がりました。
 それでAD380年にはローマの国教となり、AD392年にはキリスト教以外の宗教が全て禁じられる事になったのです。
 こう書くとAD380年頃には、ローマ人の大多数がキリスト教徒になっていたのではないかと思ってしまいますよね?
 実はワタシもそう思っていました。

 けれども実はこの当時でもキリスト教徒の人口はローマ全体の5%程度だったと言うのです。 因みに現在創価学会の人口が公称5%です。
 そ、それでどうやってローマの国教になれたのか?

 この辺りはもう完全に闇の世界ですが、しかしキリスト教は反社会であった事から、キリスト教徒の団結力と言うのは非常に強かったようです。
 またその団結力を生かして皇帝の親族や皇帝自身への影響力工作も強烈でした。
 更にこれはカルトの強みですが、カルト信者と言うのはカルト指導者に絶対服従します。 その為キリスト教徒と言うのは皇帝にとっては大変便利な集団でした。

 一方、3世紀、4世紀になるとローマ帝国の衰亡は深刻化しました。 この原因の一つはゲルマン人の侵攻など外部要因ですが、しかしローマ人が頑張ればこんなモノは押し返せたのです。
 元来ローマはカピトリーノ丘を中心に7つの丘だけから小国だったのです。 それが地中海沿岸を全て支配する大国、世界の半分と言われる大国になったのは、ローマ人の強い公徳心や愛国心があったからです。
 ローマ人は建国以来、カルタゴ始め自国よりも遥かに強大な敵を、愛国心と団結力で打倒してきたのです。

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 ところがこの愛国心や公徳心、そしてそれに伴う団結力が次第に崩壊していきました。
 それを決定的にしたのがAD212年のカラカラ帝によるローマ市民権拡大です。
 ローマの市民権は元来ローマ建国時から市民だけの特権でした。 これがローマ帝国の拡大につれて次第に拡大したのですが、それでも最初はイタリア半島の住民だけ、長期の兵役を務めた兵士とその家族だけ等、色々と制限がありました。

 ユリウス・カエサルは「ローマ市民権は魅力的なモノでなくてはならない」と言っていました。 
 ローマの市民権があれば、10分の1税の免除、裁判での控訴権などいくつかの特権がありました。 参政権もまた市民権所有者だけの特権でした。 
 市民権のない属州民は市民権を得るために兵役に志願したり、市民権の取得要件を満たす為の公的な活動に励んだのです。
 
 ところがAD212年カラカラ帝はローマ領土内に住む全ての自由民に与えたのです。 当時のローマ人達もこれは「人道的である」と評しました。 その為かさしたる反対もなかったようです。
 当時の人倫から言っても「すべて国民が平等な権利を持つ」事は、一部の国民だけが特権を持つよりは人道的と思われていたのでしょう。
 それまではローマ市民権拡大の為に血みどろの内戦まで起きていたのですが・・・・・。

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 カラカラ帝の時代もローマは外寇に苦しんでいました。 だからカラカラ帝とすればこうして全ての属州民に市民権を与える事で、属州民もローマ人として愛国心を持って外寇に対応する事を期待したのでしょう。
 しかしそういう事にはなりませんでした。
 そもそも属州民の方から「市民権を欲しい」と言ったわけでもないのです。 何より全ての人がローマ市民権を持つ事で、特権として意味が消滅しました。

 例えば10分の1税免除などの意味はなくなりました。 
 10分の1税と言うのは、全所得の10分の1を税として支払うと言う所得税ですが、これはローマ帝国の歳入の中心でした。
 しかし属州民も全部ローマ新民権を持つとこの歳入が全部なくなります。 そこでローマ帝国側は別な税を色々作って課税しなければならなくなったのです。
 だから市民権を貰った側からすれば、それを有難く思う理由もないし、まして参政権と控訴権なんて腹の足しにもならないモノに関心がなければ、それで愛国心が生まれるわけもないのです。

 一方それまで市民権を持っていた人からすれば、一方的に特権を奪われたのと同じ事です。 
 自分はローマ市民だと思うから、国の為に頑張って来たのに・・・・・。
 それが一方的にチャラにされたのですから、やる気をなくします。
 こうやってローマ人の誇りであったローマ市民権は雲散霧消し、そうなると国難に当たってローマ人の愛国心を当てにする事もできなくなりました。

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 このような状態で皇帝に協力したのがキリスト教徒でした。
 これが正にカルトの強みで、カルト信者と言うのは教団の命令なら何でもするのです。
 キリスト教徒は元来、キリスト教の教理を盾に兵役拒否したりしたので反社会的とされてきたのです。 でも教団の命令なら喜んで兵役に志願するのですから、皇帝側とすれば「イザとなったら頼りはキリスト教徒」になります。 
 こうして本来禁教であったはずのキリスト教はいつの間にか出世に必要なツールとなり、キリスト教人脈で皇帝の側近を固めるようになりました。

 そして遂に運命のAD380年です。
 キリスト教がローマの国教となり、建国以来、元老院の議場に祭られていたジュピターの神像は撤去されました。
 それでも元老院議員から反対も起きなかったのです。
 こうなると392年のキリスト教以外の他宗教禁教も簡単に実施されました。

 キリスト教徒の人口は5%しかいないのですから、ローマ人のすべてが本心からこの禁教令に賛成するはずもないのです。 
 でも誰も表立って抵抗しないのですから、どうしようもありません。
 ローマの家々で祭られていた神棚や神像の破壊命令が下りました。
 この時代の遺跡からは、丁寧に布で巻かれてまるで丁重に埋葬したような神像が見つかるそうです。
 禁教令に逆らえず、しかし家重代の大切な神像を破壊するのはしのびなく、このような形で「埋葬」したのでしょう。

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 それにしても立派な神像を持っているなら、相応の名家でしょうに。 何で彼等は自分達の信仰・自分達の神々を守る為に戦えなかったのでしょうか?
 彼等の先祖はカルタゴともガリア人とも戦って祖国を守ったのに・・・・・。

 この話は塩野七生さんのローマ人の物語からですが、しかしカルトって心底怖いと思います。
 日本にも既に20万人ものイスラム教徒がいる事を考えると、ローマのキリスト教国教化の話は他人事とは思えません。
 また自民党始め多くの政党がカルトを頼りにする事も、他人事ではないですね。

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2024-04-04 13:27

どこが差別? 左翼の書店・出版社脅迫

 また左翼が書店や出版社を脅迫しました。

 トランスジェンダー扱う書籍の出版中止求め書店放火予告、産経新聞出版に脅迫メール…警視庁が捜査 2024年4月4日 読売新聞

 産経新聞出版(東京都千代田区)が4月3日に発行予定の書籍「トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇」について、同社宛てに出版中止や取扱書店への放火を予告する脅迫メールが届いていたことがわかった。警視庁は今月29日に同社から被害届を受理し、威力業務妨害事件として捜査している。

 産経新聞東京本社によると、脅迫メールは今月19日、産経新聞の情報提供窓口に届き、複数の取扱書店にも同様のメールが送られていたことが確認された。

 産経新聞出版は30日、「多数の人が集まる書店を脅す許されない行為。悪質な圧力に屈することなく、書籍は発行します」とのコメントを出した。

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 この出版販売を脅迫された書籍「トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校が煽る流行の悲劇」は、元々「あの子もトランスジェンダーになった」と言う題名でKADKAWAが出版予定でした。
 ところがKADKAWAへの脅迫が相次いだので、KADKAWが出版を断念しました。
 しかし近年脅迫による出版妨害が続き、それによる出版中止が続いている事から、産経出版が「脅迫に屈しない」姿勢を示す為に、産経出版からこの本を出版する事に決めたのです。
 すると果たして左翼達は産経出版と書店を脅迫しました。

 このような脅迫による出版妨害は、それ自体言論の自由を蹂躙する大問題ですが、しかしそれは別としてこの脅迫の理由が何とも奇妙なのです。
 KADKAWに対する出版反対・脅迫も、また産経出版に対する出版反対・脅迫も、脅迫者・反対者が掲げる理由はこの本が「トランスジェンダーへの差別を助長する」と言うモノでした。
 それではこの本のどういった内容が「トランスジェンダーへの差別を助長する」のでしょうか?

 実はワタシはまだこの本を読んでいません。
 しかしこの本は元々アメリカで出版された本の翻訳で、この本の出版はアメリカでもひと悶着あり、ネットではその頃から随分と話題になっていました。
 だからワタシは凡その内容は知っています。
 しかし何をどう考えても、この本の内容が「トランスジェンダーへの差別を助長する」とは思えません。
 トランスジェンダー推進派で、この本を出版妨害を扇動しているハフィントンポストの記事を読めばわかります。

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 KADOKAWA出版予定だった本の6つの問題。専門家は『あの子もトランスジェンダーになった』は誤情報に溢れていると指摘 2023年12月25日 ハフィントンポスト

 記事の内容を見る限り、この本が問題にしているのは、未成年に対する性適合手術やホルモン治療の問題であって、トランスジェンダーその物については批判も非難もしていません。
 この本が問題にしているのは精神的にまだ未熟で、「性」についても十分理解していない少女達が、学校でのLGBT教育や「カウンセラー」の扇動で、安易に性適合手術を受けてしまう事を問題にしているのです。
 つまり未成年がリスクやデメリットを十二分に理解できないまま医療を受けた結果、取り返しのつかない結果になる事を問題にしているのです。

 性適合手術以外でも、子宮や卵巣や乳房の切除手術は行われます。
 乳癌・子宮癌・卵巣癌はどれも非常に恐ろしい病気で命に関わりますから、治療の為なら子宮や卵巣や乳房を喪う事も止む得ません。
 また子宮筋腫や卵巣膿腫なども厄介な病気で、この場合もやはり子宮や卵巣の切除もあり得ます。
 しかし子宮や卵巣を喪えば子供を産めなくなるばかりか、ホルモンバランスが崩れてしまい、心身に非常な不調きたします。
 だから閉経した高齢女性でも、こうした子宮や卵巣の摘出は大変な問題です。
 ましてこれが10代の少女なら、本人はもとより、両親や近親者にとっても大変な問題でしょう?

 それで「命あっての物種、さっさと摘出しろ!!」と言う医者もいれば、「安易に摘出なんかするべきではない。 注意深く管理していけば大丈夫。」と言う医者もいて、それぞれの立場から書かれた本が色々出版されています。
 患者や家族の中にはこうした本を読む事で、情報を得られ決断をするのですが、しかしこうして情報が沢山ある事で猶更苦悩が深くなる事もあり得ます。
 それじゃこうした本が「子宮癌患者への差別を助長する」「卵巣癌患者への差別を助長する」「乳癌患者への差別を助長する」のでしょうが?

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 哀しいけれど現代の医学では、治療により死なずに済んでも、その治療により後々後遺症が残る病気が沢山あります。
 そういう場合は患者は皆、治療を受ける時に色々悩みます。
 そしてそうした患者達向けに、それぞれの病気やその治療、その治療後に起きるトラブルについて沢山の本が出版されています。

 さらに言えば中には随分と怪しい本もあります。
 例えば子宮頸癌ワクチンについて、全く医学的根拠のない「危険性」を扇動した本もあったし、完全にカルトとしか言えない怪しい治療法を推奨する本もあります。
 しかし言論出版の自由を尊重すれば、この手の「トンデモ本」の出版も止む得ませんし、まして中身が怪しいからと言って病気と医療に関する本が「○○病患者への差別を助長する」などと言う問題になった事はないのです。

 勿論良心的な医師達はこうした「トンデモ本」については厳しく批判します。 
 自分で反論書を書く場合もあります。
 しかしマトモな人間なら、幾ら「トンデモ本」の中身が滅茶苦茶でも、出版社や書店を脅迫するような事はしません。 
 ところがこの「トランスジェンダーになりたい少女たち」の出版に反対しているモノ達は、言論で対応するのではなく、脅迫で出版を妨害するのです。
 しかも脅迫の理由が「トランスジェンダー差別を助長する」です。

 イヤ、それ差別と関係ないでしょう?
 この本の内容に医学的な問題があるなら、その問題を指摘すればよい事でしょう?
 未成年に性適合手術をしたりホルモン治療をする事が、医学的に合理的ならそれを証明する論文を書き、また一般人にわかりやすく解説する本を書けばよいでしょう?

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 トランスジェンダー差別と未成年への性適合手術やホルモン治療の是非は別問題です。
 成人が自己責任に行う分には無問題でも、未成年がやってはイケナイ事は沢山あるのです。
 性適合手術やホルモン治療で起きる心身の不調などのデメリットを、成人が納得して甘受するのは構いません。 しかし未成年が十分理解しないままやってよい事ではないでしょう?
 「トランスジェンダーになりたい少女たち」はこの事を問題にしているのです。

 ところがこの本の出版に反対する人間達は、それを敢えて「トランスジェンダー差別」に持っていき、更に自分達の反対意見を通す為に暴力を用いるのです。
 これってホントに怖くないですか?
 こういう事をやる人間をマトモだと思えますか?

 現在、こうした暴力による言論弾圧が非常に増えています。
 その場合は一番便利に使われるのは「差別」です。 これオカシクないですか?
 差別と言う言葉の意味や定義、そして憲法が保障する法の下の平等との関係をきちんと考えておかないと、何でも「差別」で封殺されてしまうでしょう?

 本来言論には言論で対応するべきなのに、言論には暴力、言論には告訴で脅して封殺しようと言う勢力が跋扈しています。
 しかしこんなモノに絶対に屈してはイケナイのです。

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 最後に暇空茜さんの「ネトゲ戦記」出版への脅迫はどうなったのでしょうか?
 あの犯人捜査はどこまで進んでいるのでしょうか?
 ワタシはこの「トランスジェンダーになりたい少女たち」脅迫犯も「ネトゲ戦記」脅迫犯も、同じグループだと思うのですが。
 
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2024-03-09 13:20

ハマスは福祉団体? だったら十字軍だって

  NHKの番組で東大の特任准教授とかが言ったそうです。
 「ハマスは福祉団体としての顔もあります。 また政党とての顔もあります。」と。

 それは全くその通りだと思いました。
 ハマスの母体と言うか、本社はムスリム同胞団ですが、これは1930年代にエジプトで生まれた老舗のイスラム原理主義団体で、現在全イスラム世界で活動しています。 
 アルジャジーラも実は完全にムスリム同胞団の広報機関だと言われます。
 
 ムスリム同胞団はルクソール事件などのテロを盛んに行いますが、一方貧しいイスラム教徒の為の無料の病院運営などの福祉活動を行っている事から、貧困層の支持も強いのです。
 そしてこうした支持を背景にエジプトで政権を取った事もあります。
 つまりムスリム同胞団は、テロ組織であるだけでなく、福祉団体や政治団体でもあるのです。 
 だったらそのムスリム同胞団のパレスチナ支社であるハマスだって、同じでしょう?

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 でもそれだったら十字軍だって福祉団体でもあり政治団体でもあったと言えます。
 と、言うかワタシは東大特任准教授の「ハマスは福祉団体」の話を聞いた時、直ぐに思い出したのが十字軍の騎士団でした。
  
 十字軍には無数の人々が、様々な形で参加しました。
 その中で聖地奪還・聖地守護を目的とする騎士団が生まれました。
 聖ヨハネ騎士団、チュートン騎士団、テンプル騎士団などです。
 
 このうち、聖ヨハネ騎士団とチュートン騎士団は、異教徒と戦うだけでなく、病院を運営して貧しい巡礼を救済していました。
 その為、聖ヨハネ騎士団はホスピタル騎士団とも言われました。

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 またテンプル騎士団は巡礼の警護を行いました。
 当時のパレスチナは非常に治安が悪く、巡礼は命懸けだったのです。 それを見て二人の騎士が巡礼の警護を申し出たのが始まります。
 二人の騎士は非常に貧しく、二人で一頭の馬しか持てませんでした。 しかし帰国した巡礼の口を通して彼等の善行がヨーロッパで知られるようになると、彼等の活動への支援が集まりました。 
 そして程なくキリストの墓、聖墳墓教会に本部を置く強大な騎士団となったのです。

 これらの騎士団は、世俗の団体ではなく騎士修道会と言われる修道会でした。 
 その為、騎士団の騎士達も修道士として「清貧・従順・貞潔」を誓い、妻帯せず、騎士団の宿舎で集団生活をしていました。
 騎士団の騎士は神の為に戦う修道士なのです。 
 一般の修道会と違うのは、異教徒との戦いが目的である為に、参加できるのは騎士階級の出身者に限られていた事です。 

 そして修道会であるからこそ、異教徒と戦うだけでなく病院経営や巡礼警護など、宗教団体らしい福祉活動も行うのです。
 だから聖ヨハネ騎士団の騎士達は、騎士として戦う傍ら、騎士団の病院で病人の看護も行いました。

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 騎士階級出身つまり貴族の子弟が、清廉な修道生活を送り、異教徒と戦いながら、一方で貧しい病人の看護をしたり、貧しい巡礼の警護したりするのですから、民衆の支持は絶大でした。
 だから騎士団には莫大な寄付や寄進が寄せられるようになりました。
 
 塩野七生さんによるとカソリックの宗教団体は皆、資産の管理や運用が非常に上手いのだそうです。 それは騎士団も同じでした。
 しかし騎士団の場合は資産の管理や運用には、格別な苦労がありました。 
 なぜなら騎士団の寄進される資産はヨーロッパの荘園等、ヨーロッパの資産です。 しかし騎士団の活動はパレスチナです。 だからヨーロッパから上がる資産運用益をパレスチナに送らなければなりません。

 この当時は銀行の送金システムなどないし、通貨の交換レートも決まっていません。 電子マネーどころかお札もなく、お金は金貨や銀貨です。 だからこれを運ぶだけでも大変です。
 しかし騎士団は皆、これをクリアしたばかりか、テンプル騎士団はこの状況を利用して、為替システムを作り、そこからも利益を上げました。 
 つまり聖地巡礼をしたい人は、最寄りのテンプル騎士団の施設にお金を預ければ、エルサレムのテンプル騎士団の本部でそのお金を受け取る事っができると言うシステムを作ったのです。 勿論、これには手数料がかかります。 その手数料がテンプル騎士団の収益になるのです。
 莫大な寄進を受け、更にそれを見事に管理運用する事で、騎士団は皆大変裕福でした。

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 しかしこの繁栄もやがて終わりが来ました。
 イスラムの英雄サラディンの攻勢により、エルサレム王国は崩壊し、十字軍は海に追い落とされたのです。
 そこで騎士団はそれぞれの運命をたどります。

 聖ヨハネ騎士団はロードス島に逃れ、その後ロードス島を実効支配して、そこを本拠地にイスラム教徒の船を相手の海賊を始めました。 
 これも異教徒との戦いだし、それに当時のイスラム教徒の船ではキリスト教徒の奴隷が漕ぎ手として使われている場合が多かったので、こうしたキリスト教徒を救出すると言う名目が立ちました。
 しかしオスマントルコ帝国のスレイマン大帝の攻撃を受けて、ロードス島を追われます。
  
 ロードス島を追われた聖ヨハネ騎士団は、マルタ島に移り、やはり海賊行為を続行しました。 彼等はマルタ島でも強大な要塞を作り、再度のオスマントルコ帝国からの攻撃も退けました。
 しかしナポレオン軍のマルタ侵攻で、遂にマルタ島からも追われました。 
 けれども現在も騎士団その物は存続し、今も医療活動を続けているのです。

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 チュートン騎士団は元々ドイツ系騎士が中心になった騎士団だったのですが、彼等は一旦ドイツに戻った後、東方植民に活路を求めました。
 東方植民、つまりドイツの東方、ポーランドやリトアニア、更にロシアまで進出して領地獲得に務めたのです。 
 当時、これらの地域にはまだキリスト教化していない民族もいたのですが、彼等に対して非常な残虐行為を行いました。
 またポーランドやリトアニアとも衝突しました。 因みにこの時代、リトアニアは大国でした。

 チュートン騎士団の東方植民の残虐さは、後のナチスドイツのスラブ殲滅作戦そのままです。 だから東欧ではチュートン騎士団って完全な悪役です。
 そしてタンネンベルグの戦いでポーランド・リトアニア連合軍に惨敗して一気に勢力を喪いました。
 しかし騎士団自体は今も存続して、やはり医療活動を続けています。

 因みに現在のドイツ軍の軍章・鉄十字は、チュートン騎士団がマントの記章として用いた物です。
 東方植民での残虐行為にもかかわらず、チュートン騎士団ってドイツ人にとって理想の騎士なのです。 
 それでトーマス・マンやウェルナー・ハイゼンベルグのような人達でも、書簡や日記でチュートン騎士団をドイツ精神の理想のように描いているんですよね。
 この感覚はチョッと理解できません。

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 悲惨だったのは、テンプル騎士団です。
 エルサレム王国陥落でテンプル騎士団は本拠地のフランスに戻りました。
 しかしフランス国王は騎士団の資産に目を付けて、法王庁と手を組み、騎士団を異端審問に掛けたのです。 結果騎士団は異端とされて、騎士団の騎士達は全て捕えられ火刑に処されました。

 フランス国王にすれば、騎士団の帰国で国内に莫大な資産と強大な軍事力を持つ集団が出現した事は、大変な脅威だったのでしょう。
 しかし神の為に戦い続けた来た騎士達に、異端の罪を被せて火刑に処するとは、余りと言えば余りの話です。
 けれどもこのフランス国王の姦計は成功し、騎士団の中でも最も精強で最も富裕だった騎士団は火刑台の灰になったのです。

 現在、欧米で反イスラム団体がテンプル騎士団の軍章や記章を使うのが流行です。
 これはテンプル騎士団が騎士団の中でも最も戦闘的であったばかりではなく、完全に消滅している事から著作権が問題にならないからでしょう。
 だって聖ヨハネ騎士団もチュートン騎士団もまだ存続しているのだから、勝手にこれらの騎士団のグッズを作ったら著作権や商標権侵害を問題にされます。

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 しかしこうして十字軍を思い出すと、人間の考える事は、時代や民族や宗教が違ってもあんまりかわないんだなあ・・・・と、おもってしまいます。
 それにしてもハマスが福祉団体なら、十字軍騎士団だって福祉団体でしょう?
 そして「異教徒と戦う」と言うと、莫大な寄付が集まるんですね。 
 こういうを見ているとハマスなどイスラム原理主義のテロ組織の幹部が、驚く程の資産を保有しているのも尤もだと思います。

 だからこうした組織が一旦できてしまうと「和平」なんて殆ど不可能になるのです。 だって彼等にすれば「和平」してしまえば、存在意義がなくなてって金が入らなくなる、更に悪くすればテンプル騎士団のように始末されてしまうかもしれないのですから。

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 でも十字軍の騎士達の名誉の為に言っておきます。
 彼等だって汚い事や残虐行為もやりましたが、少なくともキリスト教徒の女性や子供を自分達の盾にするような事はしませんでした。

 ハマスは意図的に一般市民を戦闘に巻き込み、女性や子供を自分達の盾にすると公言しているのです。
 ところがイスラム世界ではこのことが全く問題にされていません。
 イスラム世界には「騎士道」はないのでしょうか?
 これは飯山陽博士にでも解説していただきたい所です。 
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2024-02-29 12:48

ハマス💛 UNRWA保険局長・清田明宏の著書

 先日、近所の地区センターの図書室で本を二冊借りてきました。
 現職のUNRWA保険局長・清田明宏氏の著書です。

 2015年 戦争しか知らないこどもたち
 2019年 ガザの声を聞け! 天井のない監獄

 「戦争しか知らないこどもたち」は、絵本と言うか写真集と言うか、大型本ですが55ページしかなく、全編が殆ど写真だけで、文章はごくわずかです。
 だから直ぐに読み終わりました。

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 ワタシは読む前に「戦争しか知らないこどもたち」と言う題名を非常に奇妙に思いました。 だって第四次中東戦争が終わったのは1973年です。 当時ワタシは20歳のうら若い乙女でしたが、この2月に古希を迎えました。
 だったら第四次中東戦争を知っている子供達だって、50前後の中年・初老でしょう?
 それなのに何で2015年に戦争しか知らない子供達が存在るのでしょうか?

 しかし本を読むとわかりますが、UNRWA保険局長・清田明宏氏の言う戦争とは、2006年から繰り返されたハマスのテロと、それに対するイスラエルの報復でした。
 本の中身はこの「戦争」によるガザの惨状、瓦礫と化した街と、瓦礫を背景に悲しむガザの人々、とりわけ子供の写真が殆どです。

 そして奇妙な事に、この「戦争」の原因や経過は一切書かれていません。 ただ「2006年、2008~2009年、2012年そして2014年。」と年代だけが書かれているのです。
 ガザを瓦礫にしたのはどの国の軍隊なのかも書かれていません。
 だからワタシもわけがわかりませんでした。 それで年代とガザで検索した所、これは結局、ハマスとファタハの内戦、そしてハマスがイスラエルを攻撃した事によるイスラエル側の反撃とわかりました。

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 前記のようにこの本は絵本のような形式をとっているので、読者は小学校高学年かせいぜい中学生までを想定しているのではないかと思います。
 しかしこの年代の子供達では、そもそもこの戦争が何の戦争か、全くわからないでしょう?
 パレスチナ問題に基礎知識のない子供達を想定した本なのに、何でこんな奇妙は書き方をするのかわかりません。

 勿論、国連の人道支援組織であるUNRWA保険局長・清田明宏氏の立場では、この「戦争」の是非を語る事はできないでしょう。 そしてこの経緯や交戦国を書けば、結局この「戦争」の是非を考え笊を得ません。
 だから彼は戦争の年代しか書かなかったのでしょうか?

 しかしワタシはやはりこの本が中立的とも思えません。 だって全編、瓦礫となった街と悲しむ人々の写真だけを見せられたら、「街を瓦礫にするなんて酷い!!」「街を瓦礫にした奴は大悪党だ!!」になるでしょう?

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 例えば原爆祈念館の焼けただれた街や黒焦げになった人の写真だけを見せられたら、誰でも原爆を落とした国が悪いと思うでしょう。
 だからそれを避けるために、こういう場所では「原爆を落とされたのは、日本が侵略戦争をしたからだ。」と言う説明を執拗に繰り返しているんじゃないですか?
 
 しかしこの本はその説明を一切しないで、ただ「街がこんな風に破壊されて、人々は家を喪った。 大勢の人々が空襲に巻き込まれて死んだ。 ガザカワイソウ!!」とだけ言い続けるのです。
 けれどもこれがUNRWA保険局長・清田明宏氏のスタンスなのです。
 これだと結局、反イスラエル・親ハマスになりませんか?

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 そしてこれは彼のもう一冊の著書「ガザの声を聞け! 天井のない監獄」では、もっと露骨になります。
 と言うか、この本を読むとUNRWAと言う組織の存在こそが、パレスチナ問題の所謂「報復の連鎖」の元凶だとわかります。
 
 この本の中に「難民の子孫は「難民」ではないのか?」と言う章があります。
 現在UNRWAがパレスチナ難民として保護している人達は、第一次中東戦争の難民です。
 第一次中東戦争は1948年5月に勃発し、1949年2月に終わりました。 
 この直前までパレスチナはイギリスの信託委任統治地でした。 このイギリスの統治が終わる直前、国連はパレスチナ分割案を提出し、現在のイスラエル領に相当する地域をパレスチナ人とユダヤ人とで分割し、パレスチナ人の国とユダヤ人の国を作る事を提唱しました。

 この分割案はパレスチナ人の方が人口が多いのに、土地の55%がユダヤ人に割り当てられたので不公平だと言う説があります。 しかし当時のこの分割の対象になった地域に住むパレスチナ人の人口は33万人、ユダヤ人は55万人でした。 残りのパレスチナ人はヨルダン領に住んでいたのです。
 またユダヤ人が得た地域にはネゲブ砂漠など広大な荒蕪地が含まれていました。 またパレスチナで最大の問題になるエルサレムはパレスチナ側に含まれていました。

 しかしイスラエルはこの案を了承し、イギリスの信託委任統治が終わると即座に独立を宣言しました。
 一方アラブ諸国はこの誕生したばかりのイスラエルに襲いかかったのです。
 この時、パレスチナ分割案でイスラエル領になった所に住んでいたアラブ人達の多くが、アラブ側の呼びかけに応じて避難し、「パレスチナ難民」になりました。
 イスラエル領内に住んでいても避難しなかった人達もいます。 この人達は現在、イスラエル国籍のアラブ人としてイスラエルに居住しています。

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 この第一次中東戦争で避難した人達を、難民として保護する為に設立されたのがUNRWAです。
 このUNRWAは「難民の子孫は難民」と定義して保護するとともに、難民に「帰還権」を認めたのです。
 となるとパレスチナ「難民」は、子々孫々・未来永劫、国連のパレスチナ分割案でイスラエル領となった地域に帰還する権利を持つのです。

 パレスチナ分割案は当時ユダヤ人が多い地域はイスラエル、アラブ人が多い地域はパレスチナとしての分割ですから、イスラエル領に割り当てられていた地域にまでパレスチナ人の帰還権が認められるとなると、これはそのままイスラエルの消滅になります。
 しかもその権利が子々孫々・未来永劫世襲されるのです。
 
 そして「難民」は帰還するまで「難民」として、UNRWAが衣食住・医療・教育の面倒を見る事になっているのです。
 UNRWAの手厚い保護のお陰で、「難民」は世界有数の高い出生率にもかかわらず乳児死亡率は低く保たれたので、第一次中東戦争時は70万人だった「難民」が、現在は550万人にまで増えています。
 これだと「難民」達は子々孫々・未来永劫、衣食住の心配なくイスラエル殲滅の為にテロやゲリラ戦を繰り返す事ができます。 それで多少の戦死者が出ようともいずれ人口でイスラエルを圧倒できます。

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 実際、UNRWA保険局長・清田明宏氏は、この著書の中でUNREAの基本方針に、この「難民」達の帰還権を支持しています。
 「自分達は祖父の暮らした故郷を忘れた事がない」「自分達は難民として生まれたから難民なのだ」と言うガザ住民の言葉を紹介して、「難民の帰還権は何としても守られねばならぬ」と主張しているのです。
 
 また2018年に行われた「グレート マーチ」を紹介し、これを阻止しようとしたイスラエルを非難しています。
 この「グレート マーチ」とは、ガザの「難民」達が、イスラエルの設置したフェンスを越えて、自分達の「故郷」に「帰還」しようと行進した事件です。 イスラム教徒の祭日である金曜日事に繰り返されました。
 UNRWA保険局長・清田明宏氏によればイスラエル軍はフェンスに近づいた「難民」達を銃撃し、その都度数百人の死傷者が出たと言います。
 この死傷者への対応で、アル・シファ病院など幾つもの病院が医療崩壊に陥ったと言います。

 確かに死傷者が出たのは悲惨です。
 しかし彼等は結局、膨大な人数でフェンスを破壊し、イスラエル領に乱入して、そこを占拠しようとしたのです。 これはイスラエル側から見たら、明らかな侵略行為です。
 イスラエル側からすればこれは完全な自衛権の行使ではありませんか?
 けれどもUNRWAは「難民の帰還権」を保障する立場ですから、イスラエルの自衛権など認められないのでしょう。

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 この「ガザの声を聞け! 天井のない監獄」も「戦争をしか知らないこどもたち」と同様、イスラエル側の自衛権には一切言及していません。
 さらに言えばガザを支配したハマスの問題についても一切言及していません。 
 ただひたすら「ガザカワイソウ」「難民は故郷に帰還したいだけなのに。」と繰り返すのです。
 だから読んでいて非常に内容が薄く、退屈でした。

 しかしこの執拗な主張を読んでいくと、これって結局、ハマスと同じ、ハマス全面支持とだとしか思えません。
 だって結局UNREA自体の難民の定義と支援の原則は、イスラエルの殲滅になるのです。

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 今、UNRWAとハマスの癒着が問題になり「UNRWAは国連の皮を被ったテロ支援組織」とまで言われるようになりました。
 
 実際、ガザのUNRWA本部の地下にハマスの情報センターがあり、そのハマスの情報センターが使用する電気はUNRWA本部から供給されていたとか、UNRWAの運営する学校や病院から大量の武器が見つかったなど、UNRWAとハマスの癒着の証拠が次々と見つかっています。
 またUNRWA職員の1割がハマスの戦闘員であり、半数の親族がハマスだったこともわかってきました。
 そして現在、UNRWA職員12人が10月7日の大規模テロに参加し、イスラエルの非戦闘員を虐殺した事もわかっています。

 実はUNRWAとハマスの癒着は、前々から言われていた事です。
 但しUNRWAは、反イスラエル・イスラム原理主義テロ組織の中では比較的弱体と看做されていたので、イスラエル側も敢えてハマスを攻撃を控えていた経緯があるようです。 ハマスを殲滅する事で、他のもっと強力で過激なテロ組織が、ガザに入り込むのを恐れたのです。

 しかしだからと言って、国連の人道支援組織であるUNRWAが、ハマスと癒着してよいはずはありません。
 それにしても現場でUNRWA職員、特にUNRWAのパレスチナ人でもアラブ人でもないUNRWA幹部は、一体何をしてきたのでしょうか?

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 世界には独裁国家や武装組織の支配下にある地域が沢山あります。
 そういう地域で苦しむ人を助けようと活動す場合、どんなに善意に満ちていても、その地域の支配者である武装組織や独裁者には逆らえません。

 実はワタシは以前ペシャワール会の会員だったのですが、アフガニスタンの活動ではタリバンと良好な関係の維持が不可欠でした。 タリバンに限らず現地には沢山の武装組織と言うか、戦国時代の豪族のような連中が沢山いて、彼等と対抗できる武力がなければ、彼等と事を構えるわけにはいかないのです。
 そしてこれはUNRWAも同様だとは思います。

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 しかしこのUNRWA保険局長・清田明宏氏の著書を読む限り、それだけの関係とは思えません。
 なにしろUNRWAが「難民」に認めた帰還権は、結局ハマスと同じくイスラエルの殲滅に繋がります。 だから「グレート マーチ」のように「難民」の命とイスラエルの生存権に関わる活動でも、UNRWA保険局長・清田明宏氏は「難民カワイソウ!! イスラエル悪い!!」と主張するのです。
 それをこの問題については第三者である日本で主張するのです。

 こうなるとUNRWAは必然的にハマスを支持し、ハマスを支援する事になるのも当然ではないかと思わずにはいられません。
 UNRWA保険局長・清田明宏氏の著書を読むと、日本政府はこんな団体には絶対に資金を出すべきではないとしか思えません。 むしろこんな団体に資金を出し続けてきた事を問題にするべきです。

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 最後にこのUNRWAの問題について質問した議員がいました。
 外務省側は現在、高木議員に国連の調査を待つと共に、UNRWAの日本人職員への聞き取り調査も行っていると回答しています。
 UNRWA保険局長・清田明宏氏は現在日本に滞在しているので、彼も外務省から聞き取り調査をされているのでしょうが、外務省がどのような結果を出すのでしょうか?

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2023-12-28 12:04

「ハマス・パレスチナ・イスラエル」 弱者は正義?

12月25日に飯山陽博士の「ハマス・パレスチナ・イスラエル」を買ってきました。 ワタシはこれまで飯山陽博士の本を何冊か買っていますが、これまでは本屋に注文していました。 しかし「ハマス・パレスチナ・イスラエル」は本が刷り上がる前、予約段階からアマゾン総合一位を取っていたので、注文しなくても「本屋の店頭にあるんじゃないか?」と思って、ふらりと本屋に行きました。
 すると果たして予想通り、店頭に平積みでした。

 そして昨日読み終わりました。
 昔ならこの種の新書は一日で読めたのですが、今は目が悪くなってしまい、少し読んだら目玉が痛むので、目玉のご機嫌を伺いながら、それでも何とか3日で読み終えました。

 内容はこれまで飯山博士がご自身のyou tubeで言ってきた事、飯山博士のこれまでの本や、ネット記事などに書かれていた事を集約したような話が中心で、これまでこうした飯山博士の情報発信を見ていた者からすれば目新しい話はありません。
 
 しかしこの本の帯と本の巻頭に書かれた飯山博士の言葉「弱者は正義戦略を暴く!!」と言う飯山博士の意図が非常に明確に描かれています。
 ワタシが飯山博士に共感するのは、正にこの点です。

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 弱者はカワイソウ。
 弱者は労わるべきである。
 弱者を傷つけたり、甚振ったりしてはイケナイ。
 
 これについてはワタシも全く反対しません。
 しかし現在の社会では・・・・と、言うよりメディアやその後ろにいる連中は、この倫理道徳を盾に特定の属性を持つグループだけを「弱者」と認定し、その弱者を批判する事を絶対に許しません。 更にその弱者に関係する団体や勢力の批判も絶対に許しません。

 この「特定弱者」を批判したり、彼等の問題点を指摘すると「ヘイト」「差別」として、言論を封殺します。
 しかもこの「特定弱者」の認定は、極めて恣意的です。
 
 ハマスは強大で強欲なテロ組織で、莫大な資産(50億ドル!!)を持ち、強力な軍事力を持っているのですが、イスラム教徒で、パレスチナの代表と言う事で、弱者指定されています。
 現実にはハマスはガザ地区を武力支配しているだけなので、パレスチナ人の代表でもないし、ガザ地区の住民からすれば大変な権力者で強者その物なのですが、しかし一旦マスコミが弱者指定すると、こうした事実は隠蔽され、テレビや新聞以外を見ない人は、事実を知る事ができません。

 そしてこの事実を指摘すると「ヘイトだ!!」「レイシストだ!!」と非難されます。
 だからこの飯山博士の「ハマス・パレスチナ・イスラエル」も、ヘイト本扱いです。

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 先日、大阪梅田のジュンク堂書店が、ツィッターで新書の売り上げランキングを発表し、一位がこの「ハマス・パレスチナ・イスラエル」だったところ、「弱者の味方」を自称する人達から猛烈にバッシングされました。

 ジュンク堂?
 在特会の会員のワタシには聞き覚えがあります。
 思い出を頼りに検索したらこんな記事が出てきました。

 【朝日新聞】ジュンク堂書店難波店が「反ヘイト」コーナー常設、「嫌韓」「嫌中」本がずらりと並ぶ風潮に一石を投じる 2015年年7月8日
 

 この頃、所謂「嫌韓本」「嫌中本」がブームになりました。 我が尊敬するご隠居さんも「息をするように嘘を吐く韓国」を執筆出版されました。

 しかしこのご隠居さんもそうですが、所謂「嫌韓本」も「嫌中本」も韓国や中国の政治経済、或いは社会問題を取り上げて解説しているだけで、嘘やデマを書いて、反韓・反中感情を扇動しいるわけではないのです。
 これまで日本のテレビや新聞がきちんと報道しなかった韓国・中国の問題を、きちんと解説しただけなのです。

 2010年代になってインターネットが一般化し、民潭や総連のHP、朝鮮日報や東亜日報など韓国の新聞の日本語版のネット版が誰にでも見られるようになりました。 
 一方、日本のテレビや新聞は「韓国人カワイソウ」「在日コリアンカワイソウ」「中国人カワイソウ」の立場にだけ立って、韓国や中国について日本人の反感を買いそうな話は全部隠蔽してきたのです。
 そこでこの頃から一般国民の韓国に対する疑念が沸き上がると共に「実際はどうなんだ?」と自分で情報を求める人達が激増したのです。

 所謂「嫌韓本」「嫌中本」はこうした一般国民の知的好奇心に応える形で相次いで出版された物です。
 そこで韓国専門家だけでなく、我が尊敬するご隠居さんのような一般人も、自身の手で集めた韓国情報を本として出版する事を依頼されるようになったのです。

 ところがこれは韓国人や中国人を「弱者」指定して、韓国や中国への批判を封じたい人々には絶対許せない事だったようです。
 そこで彼等はこれらの本を「ヘイト本」と呼び、これらの本を売る書店を非難しました。
 一方、上記のジュンク堂書店難波店のように、この「ヘイト本」に対して「反ヘイト本」を売る書店は英雄扱いでした。

 因みにワタシがアマゾンで売り上げを確認したところ、朝日新聞や毎日新聞など大手メディアが揃って推奨した「反ヘイト本」の売り上げは散々だったようです。
 これにはホントに驚きましたよ。
 だって大新聞数社がこぞって絶賛し販売キャンペーンを張った本の売り上げが、越後の山奥で1人パソコンに向かうご隠居さんの本の売り上げに遥かに及ばないなんて・・・・・。
 これって越後にとっては「北越雪譜」以来の快挙です。

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 で、ジュンク堂も懲りたのでしょうか? 
 「ハマス・パレスチナ・イスラエル」を平積みで売る事にしたんじゃないですか?

 だって現実は現実なのです。
 国際社会・国際政治を知るには現実を見るしかありません。
 それを特定の勢力が自分達に好都合な人達を「弱者」指定して、この人達の現実を隠蔽し、批判を封じられても困るのです。
 また幾ら現実を隠蔽しても、やっぱりオカシイ所が見えてくるのです。

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 イスラエルがガザの電気を止めた、非人道的だ!!

 ??
 イスラエルがガザの電気を止められると言う事は、ガザには発電所がなく、電力供給をイスラエルに頼っていたと言う事ですか?
 オスロ合意でガザ地区とヨルダン川西岸地区が、パレスチナ人の自治に任せられるようになって30年も経つのに・・・・・・。

 イスラエル軍が非戦闘員を殺してる、ジェノサイトだ!!

 ??
 イスラエルはガザ攻撃の前に非戦闘員の避難を呼びかけましたよね?
 何でハマスはイスラエルの警告に従って一般市民の避難を誘導しなかったんですか? 
 一般市民を避難誘導していれば、非戦闘員が戦闘に巻き込まれて死ぬ事はなかったでしょう?

 アル・シファ病院の地下室がハマスの本部だと言う証拠はない!!

 ?? 
 そ、そんな地下室があるなら、何でそこに患者を避難させないんですか? 
 ハマスの戦闘員が地下道に隠れて、非戦闘員が地上で空爆に晒されてるってどういう事ですか?

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 飯山博士の「ハマス・パレスチナ・イスラエル」はこの疑問をきっちりと説明してくれます。
 だから読んでいて非常にすっきりします。
 これまでマスコミが「パレスチナ人カワイソウ」で隠蔽し続けた物の本質は何なのかが非常に明確に説明されているからです。

 そしてワタシが飯山博士に共感するのは、弱者を盾にして「カワイソウ!!」で言論を封殺している結果起きている問題です。

 パレスチナ人は確かにカワイソウです。 
 しかしハマスは、そのカワイソウなパレスチナ人を盾にして、ハマスへの批判を封殺しています。
 更にイスラエル軍の攻撃には物理的にパレスチナ人を盾にしているのです。
 つまりパレスチナ人の女性や子供や老人に戦闘区域から避難を許さず、それどころかこれらの非戦闘員を百人単位で戦闘区域に送り込み、彼等の影に隠れてイスラエル軍を攻撃するのです。
 
 ハマスの指導者はアラブ諸国のテレビ等で「我々は最も大切な女性や子供を戦いの為に捧げる」「女性や子供をダムにする」と言っているのです。
 にも拘らず、テレビや新聞や日本の中東専門家は、この話を隠蔽し「カワイソウなパレスチナ人、パレスチナ人の為に戦うハマス」を宣伝するのです。

 彼等がこのような情報発信を続け来たから、ハマスはこれまで女性や子供を盾にテロを繰り返したし、現在も女性や子供を盾にしてイスラエル軍から我が身を守っているのです。 
 彼等が今後も、このような情報発信を続けるなら、これからのパレスチナ人はハマスの盾、ハマスのダムになって殺されるばかりです。

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 これはホントに許せません。
 しかしこのハマスの戦法は、実は現在の日本や欧米先進国で、所謂「弱者の味方」を標榜する勢力が皆同様に取っている戦法なのです。
 その意味ではこの本はハマス・パレスチナ・イスラエルだけの問題ではありません。
 弱者を盾にして利権を貪る勢力は、今は世界中にいるのですから。

  1. 古本
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