するとなぜか監査対象になったColaboが勝利宣言しました。
監査委員会は「本件精算には不当な点が認められ、本件請求には理由がある」として東京都に2月28日までの再調査を命じたのにです。
それでもColaboが勝利宣言をしたのは、監査中に「表3」などと言う物が出てきたからです。
この表3の問題は暇空氏が、動画で解説しています。
でもワタシも簡単に解説します。
暇空茜氏は都に情報開示を請求して、Colaboの事業報告書や会計報告書など、公式に都に提出された書類を出させました。
これに対して都側は、多くの部分を真っ黒に塗りつぶしたのり弁状態の書類を提示しました。 何とColaboの定款や組織図まで真っ黒でした。
それでも暇空氏は黒くない部分と、Colaboが支援者向けに公開しているHPから、Colaboの経理内容や事業内容を分析しました。
するとどう考えても辻褄の合わない数字がゾロゾロ出てきたのです。
そこで暇空さんは東京都住民監査委員会に、監査請求をしたのです。
しかしこれは一旦退けられました。
暇空さんは経理や財務の専門家ではないので、用語等でのミスなど色々あったようです。 因みにここまでは暇空さんが一人でやりました。
けれども諦めず、問題部分を訂正して、再度監査請求を出したのです。
しかしこの後、自費で弁護士を雇い、監査請求が棄却された場合には、住民訴訟も視野に入れた状態で、再度監査請求をしたのです。
すると今度は棄却されず、監査委員会は監査を開始しました。
ところがここで出てきたのが、「表3」なのです。
これはColaboが都に提出していた会計報告書や事業報告書とは、別途に出てきた表で、内容はColaboが都に委託された事業を行う為に必要な経費を書き出しているのです。
そしてその合計額は都から事業委託費として受け取った予算を、わずかに上回っているのです。 上回った分はColaboが自腹を切ったのだと言うのです。
すると監査委員会はこの「表3」を見て「表3を見る限り、Colaboに問題はない」として、暇空氏が監査請求の対象にした問題の大部分を退けたのです。
Colabo側はこれをもって勝利宣言したのです。
しかしそれでもやはり、Colaboの経理と事業には、かなりの問題が残ったので、監査委員会としては「本件精算には不当な点が認められ、本件請求には理由がある」と結論せざるを得なくなったのです。
そして東京都に2月28日まで、再調査を行うように命じたのです。
だからこの監査結果については、暇空氏側も非常な不満があるようです。
ワタシもこれはいくら何でもオカシイと思います。
暇空さんが住民監査請求で指摘したように、Colaboが東京都に提出した会計報告書の数字は信じがたく出鱈目でした。
事業報告書の報告も酷い物でした。
さらに言えば、貸借対照表など毎年提出義務のあった書類が、監査請求が通るまで提出されていなかったのです。
しかし会計報告書や事業報告書は都に提出義務のある公式書類です。
でもColaboの会計は表3が正しいなら、Colaboはこれまで都に対して虚偽の会計報告を出していた事になります。
これではこれまで都は虚偽の会計報告書を元にColaboを監督していたことになります。
さらに言えばこの表3の数字は、Colaboが自身のHPに掲載していた決算報告とも違うのです。 これは寄付やボランティアとしてColaboの活動を支援してきた人々にも虚偽の説明をしていたことになります。
Colaboの活動には東京都から得た事業委託費では足りなくて、支援者の寄付やボランティア活動で成り立っているのであれば、猶更その事実を正確にHPに掲載して、支援者に感謝するべきでしょう。
それにしても本来の住民監査委員会の立場なら、表3のような物が出てきた事自体を大問題にするべきなのです。
もし都から事業を委託された別の業者、例えば道路の修理を委託された道路工事業者などが、都に請求した経費の水増しを指摘されたときに、別の請求書を出して「イヤイヤ、あれは正しい請求書ではありませんでした。 こちらの請求書の明細書が正しいのです。」と言い出すような話です。
そんなの通用すると思いますか?
だから暇空氏は今回の監査請求の請求結果を不服として住民訴訟を起こすそうです。
また今回の請求結果を受けての再調査結果は2月28日に出るのですが、それについても不服として訴訟をする予定だそうです。
勿論、再調査結果は2月28日までわかりませんから、訴状等はかけないのですが、しかしこれまでの経緯を見れば、マトモな物が出てくるとは思えませんから、訴訟の覚悟は必要でしょう。
因みに暇空氏がこれだけバンバン訴訟を行う事ができるのは、現在暇空氏の訴訟費用として集まったカンパの額が、68000万円を超えているので、訴訟費用の心配はないからです。
勿論、訴訟は費用だけでできる物ではないのですが、しかしそれにしてもここまでの費用が集まる所を見ると、暇空氏への支持がどれほど強いかがわかります。
暇空氏の卓抜した知性、強い意志、そして自腹でこれを支援する多数の支持者が、この戦いを可能にしているのです。
それにしてもこれを見て思うのは、住民監査請求の大変さです。
この経緯はディリー新潮が暇空氏のインタビュー記事を書いています。
暇空氏は政治活動の経験は一切ないけれど、所謂ツィフェミ達の異常な行動に不信感をもってその中の急先鋒仁藤夢乃氏と彼女が主催する団体Colaboについて調べ始めたのです。
そしたらこの団体への異常な公金注入に驚き、この住民監査請求に繋がりました。
しかしこれは想像するだに大変な作業です。
都に情報開示を請求して、出てきた真っ黒な書類を地道に読み解き、疑問が出たらまた情報開示請求をして別な書類を出させる。
関連する都条例を調べる。
これを全部1人でやるって、気が遠くなります。
暇空氏は卓抜した知性の持ち主で、意思が強く、しかも無職で資産家と言う立場だったので、有り余る「暇」をこれに費やしました。 だからこのような住民監査請求ができたのです。
一般人がこれをやろうとすれば、会計の専門家、行政の専門家などを加えてチームを作らないと不可能でしょう。
逆に言うと、暇空さんの住民監査請求が通ったと言う事は、一般住民がこの制度を利用するのは実は非常に難しいと言う事です。
そうなるとこれまで出されて住民監査請求が、なぜ棄却されたかも想像できます。
例えば安倍総理の国葬についての住民監査請求が、日本各地の自治体に出されています。
安倍総理の国葬に不満を持つのは自由ですが、しかし国葬は閣議で決定した事で、予算も内閣が出しています。
地方自治体はこれについて何の権限もありません。
それで自治体に国葬への住民監査請求を出しても通るはずもなく、全部速攻で棄却されました。
住民監査請求をしたのは、勿論日本各地の反安倍左翼団体で、連中だってこの請求が速攻で棄却される事ぐらいはわかっていたのでしょう。
しかし彼等は反安倍の政治的パフォーマンスの為に、安倍総理国葬への住民監査請求を出したのです。
住民監査請求が通る確率は0.3%と言われますが、しかしこのような形で左翼団体がこの制度を利用している以上、通る確率が僅少になるのは当然です。
因みに東京でColabo問題以前に住民監査請求が通ったのは、舛添知事がコンサートに公用車を使った例だけです。 そしてこれで舛添知事は辞任することになりました。
そしてこれを見ると、東京都と更に住民監査委員会までが、必死にColaboを庇う理由がわかります。
公用車でコンサートに行っただけで失脚ですからね。
Colaboの不正会計が明らかになれば、小池百合子もアウトです。
しかし住民監査委員会と言うのは、元来都からも中立の立場で、都政の不正を監視するのが仕事なのです。 それがなぜか表3なんてモノを認めて、必死にColaboの不正を矮小化しようとしているのは大問題でしょう?
だから暇空氏はこの監査結果を不服とした住民訴訟を行うと宣言しているのです。
住民監査請求は有権者が、公金の使途を追求し、自治体の不正を暴く為の重要な制度です。
けれどもColabo問題を通してみると、この制度を実際に市民が利用するのは実に大変なのがわかります。
そして今回の暇空さんによる住民監査請求は、史上初めてこのハードルを越えて、本来の住民監査請求を行った例になります。
これは日本の民主主義が本当の意味で成熟したことの証ではないでしょうか?