反米・反ヨーロッパ・反イスラエルでも中国にはダンマリ イスラム教徒の不思議
テロの原因は思想 イスラム
グローバル・ジハードのメカニズムを簡潔に明確に述べている。
マンチェスターの事件とも、相互のつながりはない。犯人たちは同じイデオロギーを信じており、模倣して事件を起こす。
「この思想が実践されればこうなりますよ」ということを研究してきたんだが、ここまで現実になるとともに、それが誰の目にも明らかにされてしまうと、不思議な気分である。
そしてこれにフォーサイトに寄稿した記事を読むとこの意味がわかります。
ロンドン橋テロに対するメイ首相の演説:グローバル・ジハードは組織ではなく思想
メイ首相は6月3日のロンドンのテロについて翌朝の演説で、この6月3日のテロも含む一連のテロがそれぞれ全く関連のない個人により起こされた物である事、そしてそういう個人をテロへと追い込むのは「イデオロギー」であると認めたのです。
さらにメイ首相はこの「イデオロギー」は、イギリスの価値観とは相いれない物であると言っているのです。
ではその「イデオロギー」とは?
勿論イスラム教です。
池内恵はイスラム研究者として、イスラム教の教理や歴史から、現在起きているテロの原因はイスラム教の教理そのモノであると、前々から言ってきたのです。
ところがこれは「政治的正しさ」に反するとして絶対に受け入れなかったのです。
しかし頻発する個人テロによって、もう組織を追う事でテロを防止するのは不可能と考えざるを得なくなったのです。
そしてテロリスト達に共通するのは「イデオロギー」だけと認めるしかなくなったのです。
だからメイ首相も遂に、「政治的正しさ」を捨てて、テロの原因は思想=イスラムと認めざるを得なくなったのです。
エッ?
何を今更!!
だってテロリスト達は、テロをやる度にイスラムの為のジハードであると宣言しているじゃない。
これじゃ、別に東大のイスラム研究者でなくても、テロリスト達がイスラム教によってテロをやったとわかるよ。
だから欧米の庶民で、イスラム教なんか殆ど知らない人でも、イスラム教によるテロだと思っている人は沢山いるでしょう。
でもね、今まで欧米では絶対のこれを言ってはいけなかったのです。
これには勿論、池内恵がこの記事で述べているような理由もあります。
>従来は、この「思想のみによって」テロが引き起こされうるということについて、警察当局は懐疑的であったように思われる。もしそのような実態を認識していても、そう認めてしまうと、指揮命令系統や資金、武器の供与など、組織のつながりを突き止めることで責任主体を明らかにする近代的な法執行機関の手段を奪われてしまいかねない。しかし存在しない組織を追いかけていれば、捜査のリソースも無駄になり、事件を防げず、解明も滞る。
そうですね。
そもそも今まではテロが起きるのは、アルカイダとかISのような過激派組織があるからだと言って、その組織を潰す事でテロを亡くそうとしてきたのです。
でも組織に属さない、個人テロの頻発で、組織潰しでのテロ撲滅は不可能だと認めざるを得なくなったのです。
しかしもっと深刻な理由があります。
テロの原因が「イデオロギー=イスラム教」と言う事になると、全てのイスラム教徒及びイスラム諸国を潜在的な敵と宣言する事になってしまうのです。
一方、イギリス始め欧州諸国は、戦後大量のイスラム移民を受け入れました。
受け入れた以上は欧州原住民は、何とか彼等と折り合って行かなくてはならないのです。
だからこの移民受け入れの決断をした欧州諸国の支配層は、多文化共存とか多様な価値観を認めろとか寛容とか言う言葉を駆使して、被支配層を指導し、イスラム移民と融合させようとしてきたのです。
彼等としては自分達がこのような美しい理念を掲げて努力する以上、イスラム移民側もこれに感激して、欧州式の価値観を受け入れ、欧州社会に同化していくだろうと信じていたのです。
だからイスラム教徒によるテロが起きても、絶対にイスラム教が悪いとは言わず「差別をするからテロが起きる」とか、「少数のテロリストがいるからと言って、イスラム教徒全てを危険視するような事があってはならない」と言い続けたのです。
そうやって必死に現実を見ない・見せない努力をしてきたのです。
アタシが悪いの。
アタシが我慢すれば、あの人だってわかってくれる。
アタシが努力すれば、あの人も変わってくれる。
まるで暴力亭主の暴行に苦しみながら、しかし離婚して自立する根性のない妻のような対応で、イスラム移民と折り合おうとし続けたのです。
つまりこれが「政治的正しさ」の本質なのです。
そしてその為にこそ、イギリス政府はこれまでイスラム教の持つこうした問題を指摘する人々を「イスラムフォビア」とか「レイシスト」とか「ヘイトスピーチ」とかレッテルを貼って弾圧してきたのです。
しかしテロの頻発で遂に「現実に向き合わされる時。」が来てしまったのです。
そこでメイ首相はこの現実を認め、非常に婉曲な表現ではありますが、テロはイスラム教が本質的に持つ問題であること、そしてこれはイギリスの価値観とは相いれないと宣言せざるを得なくなたったのです。
けれどもこれはこれで大変な問題を起こします。
だってこれはつまり、イスラム教は、イギリスの価値観とは相いれない。 イスラム教徒は潜在的にテロリストであり、イギリスの敵であると、宣言したのと同じですから。
ナスタチウムさんが上手く表現していらっしゃいます。
過激なイスラム教徒は、自分でテロをしたいと思っている。
穏健なイスラム教徒は、過激なイスラム教徒がテロをしてくれたらいいと思っている。
ぶっちゃけその通り!!
でもそれ言っちゃおしめいよ。
これを言ってしまったら、今後国内に大量に抱え込んだイスラム移民とどう折り合って行けば良いのでしょうか?
これを認めてしまうと、イスラム教徒側が変わってくれない限り、イギリス原住民と折り合う事は不可能だと認めた事になるのです。
しかもイスラム教徒側に変わる意思がないのは、今までの経過で明らかです。
こうなるとこれはそのまま、イスラム教への宣戦布告になってしまいます。
イヤ、本当はイギリス側から戦争を仕掛けたわけではないのですよ。
だってイスラム教とキリスト教はイスラム教が成立した7世紀からずうっと宗教戦争状態だったのです。
そして19世紀末にイスラム世界の殆どがキリスト教側の植民地として征服支配される状態になったのです。
ここでキリスト教側は自分達の勝利で宗教戦争は終わったと思ったのです。
でもイスラム側はそうは思っていなかったのです。
彼等はレパントの海戦の頃と全く変わらない意識で、宗教戦争を続けていたのです。
そして植民地にされたイスラム諸国が独立して力を付ける一方、キリスト教側の国々の国力が衰亡し始めたから、攻勢に出ようとしているのです。
で、漸くキリスト教側が事態に気付いて、防戦を宣言しただけなのです。
けれども侵略者に防戦を宣言したのですから、これ即ち戦争なのです。
結局欧州は自分達が侵略者を歓迎した挙句、防衛戦争を戦う事になってしまったのです。
移民を受け入れると、こういう事になるのですね。
日本としてこうした状況を冷静に見て、この宗教戦争に巻き込まれない事。
そして日本が欧州の轍を踏まないようにしていくしかありません。
民族自決と民主主義と言う劇薬 中東・アフリカ
狂信の時代へ イスラム

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