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2023-10-06 10:11

医療待機者750万人 イギリスの不思議

 この2日間体調が悪くて、またiPadを抱えて寝込んでいました。
 で、こんな動画をみました。

 

 イギリスの医療待機者が750万人!!
 2023年のイギリスの総人口は6800万人強ですから、人口の1割以上の人が医療待機状態だと言う事です。
 つまり病気や怪我をしても、直ぐには医者に診てもらえない状態だと言う事です。
 深刻なのは癌患者など、重篤な病気を抱えた人が、手術や検査に数か月待たされると言う事です。

 これは深刻です。
 ワタシの両親はどちらも癌で死んだのですが、両方とも発見から死亡まで4カ月余りでした。 あれを思い出すと、癌の疑いが出てから、検査や手術に数か月待たされると言うのは、患者や家族にとって地獄でしょう?

 また救急車を呼んでも直ぐには来てくれないとも言います。
 直ぐに来ないのでは救急車じゃないでしょう?

 実はワタシは「イギリス毒舌日記」と言うイギリス在住日本人のブログを読んでいます。 イギリス人と結婚した日本人女性の日常雑記なのですが、医療に関しては上に貼った動画で、毒舌日記さんの記述に納得がいきます。
 
 イギリスの医療は原則全額国費で無料なのですが、しかし診察の予約を取るのが大変なのです。
 子供が痛みで泣き続けても、予約がないと診察してもらえない。 
 体調不良で検査の予約をとっても、それが何カ月も先になる。
 などなど・・・・・。

 ワタシは病持ちなので、始終病院に行くし、ドジなので救急車の厄介になった事も何度かあります。 夜間救急医療センターにも何度か厄介になっています。
 怪我をすれば直ぐ救急車が来てくれる、休日でも深夜でも、対応してくれる病院がある。
 ワタシはこれが当たり前だと思ってきたので、日本以外の先進国でも同様だと思って来ました。
 ところがイギリスはそうじゃないのです。 

 それにしても一体イギリスは何でこんなことになったのか?
 ワタシが物心ついた1960年代、イギリスは「揺り籠から墓場まで」と言う高福祉国家でした。
 高福祉=高負担は国民の労働意欲を削ぎ、1970年代には経済危機に陥りました。
 それでサッチャー政権が福祉負担を大幅に見直し、それによって危機を乗り越えました
 
 それでも医療は福祉の中でも死活的な分野ですから、医療制度その物は抜本的には変えられななかったのでしょう。
 しかしその医療の質が劣化を続けているのです。

 動画のウプ主モハPさんは「イギリス政府には予算がなく、医療費を賄えない」と言います。 しかしこれも不可解なのです。
 そもそもなぜイギリス政府に予算がないのでしょうか?
 
 バブル崩壊から安倍政権成立まで日本は喪われた30年を過ごしました。
 緊縮財政と金融引き締めを続けた事で、経済成長は世界最低レベルに留まり、賃金もほとんど増えていません。
 企業利益も増えず、株価は下落を続けました。
 だからGDP、賃金、株価などの経済指標を見る限り、正に「喪われた30年」だったのです。
 
 更に悪い事に、賃金が上がらない上、雇用も悪く「就職氷河期」まで起きたお陰で若者の婚姻率が下がり、少子化が深刻化する一方で、高齢化率も深刻化しています。
 お陰で現在日本の高齢化率は世界一なのです。
 高齢化すれば医療費負担は否応なしに大きくなります。

 一方イギリスは、こうした問題とは無縁でした。
 リーマンショックなど大きな経済危機も、大胆で合理的な金融政策で乗り切り、GDPも賃金も順調に上がっています。
 また移民もドンドン入れた為に、少子化や高齢化も日本程深刻ではありません。

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 勿論、インフレは進んでいます。 特に昨年からは10%前後の狂乱物価状態が続いています。
 しかし税金は個人の所得税も、法人税も、消費税もみんな、名目所得、名目利益、名目価格からそのまま取るので、物価が上昇すれば、税収は増えるのです。
 更に物価が上昇すれば、国債など債務は額面で返せばよいので、物価上昇すれば債務負担は減るのです。

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 だったらイギリスの国家予算も物価上昇と共に順調に増えて、医療費ぐらいは十二分に出せるはずではありませんか?
 イギリスは一体どうなっているのでしょうか?

 実は「イギリス毒舌日記」などヨーロッパの生活状況に関する話を読みながらいつも不可解に感じていた事があります。
 賃金やGDPなどの経済指標を見る限り、イギリスは日本よりはるかに恵まれているはずなのに、経済指標の上昇率は日本を遥かに凌ぎ続けたのに、現実の生活レベルが日本と比べて恵まれているとも、ドンドン良くなっているとも思えない事です。

 一般国民の生活についていえば、賃金と同様物価も上がっているので、一般国民からすると生活が豊かになったと言う実感は持てないでしょう。
 これはわかります。

 ワタシは高齢者特権で高度経済成長時を体験しているのですが、この頃のマスコミは全て物価上昇への怨嗟で満ちていましたが、しかし賃金上昇率が物価上昇率を上回っていた事については殆ど報道されませんでしたから。
 けれども賃金の上昇が物価上昇を上回った事で、洗濯機・テレビ・冷蔵庫などの家電が一般家庭に普及し、大富豪だけの物であった自家用車や海外旅行も、特別なモノではなくなったのです。
 それどころか郊外住宅街や農村部の住民にとって車は必需品になりました。
 つまり物価高ばかりのマスコミ報道とは裏腹に、現実の国民生活はドンドン豊になっていったのです。

 で、ワタシが不思議なのは、この30年で日本に比べたら賃金水準が遥かに高くなっているなら、イギリスの国民生活は明らかに豊になっているはずじゃないですか?
 そして所得税・法人税・消費税などの税収は大幅に増えたはずなので、医療費のような死活的な福祉予算を必要なだけ出せず医療待機者が750万人!!、癌患者が手術や検査を長期間待たなければならない状況になるはずがない!!と思うのです。

 ところが現実には、贅沢品が普及するなど、以前に比べて豊になったと言う感じが全くしないのです。 スマホとかノートパソコンとかバブル以降開発されて普及した物もありますが、しかしこれは日本でも欧米に負けないだけ普及しています。
 
 そして日本では世界一の高齢化社会、長く続いた低成長率、賃金上昇率の低さなどの問題にも拘らず、医療水準は守り続けています。
 救急車は呼べば直ぐ来てくれるし、体調が悪くなれば直ぐに病院に行き、そこで異常があれば検査や治療を受けるのに待機と言う程待機する必要もありません。

 それじゃ、あの経済指標で比較した成長率とは何だったのでしょうか?
 ワタシはこれが非常に不可解なのです。

 実はワタシは以前「日本はこの30年間で先進国で唯一、実質生活レベルが上がった国」と言う一文を読んだ事があります。
 しかしその根拠となるデーターを見つける事ができなかったので調べようもなく、今はこの一文の出どころも忘れてしまいました。

 しかし一方で「この30年間で生活レベルが上がった」と言う話には、納得できる一面もありました。
 例えば賃貸の床面積は喪われた30年の間も順調に上がっているのです。

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 賃貸住宅と言うのは基本的に庶民の住居ですから、その面積が順調に増加していると言うのは、庶民の住環境が良くなっていると言う事でしょう?

 これはワタシも実感しています。
 ワタシは1998年に母が死んで一人暮らしになりました。 その時一人暮らしの為の家探しました。
 そしてその借家が老朽化したので、一昨年2021年に今の家に引っ越しました。
 
 その時驚いたのですが、最初の借家探しでは結構あった風呂・台所共用の賃貸の所謂木賃アパートが完全に無くなっていました。 
 一昨年の借家探しでは、家賃2万円代の最低レベルの賃貸でも風呂と台所は完備していました。
 また前の借家人が出た後、プロの清掃業者を入れて、完璧に清掃すると言う事が徹底していました。 それでどの賃貸も入った時の見栄えは新築同然になっているのです。
 1998年の借家探しではそういう事はなく、古い賃貸など入るのが怖いような無残な状態で新しい借家人を迎えていたのです。
 
 こうした経験からも、ワタシは少なくともバブル以降の30年で、日本の生活レベルが落ちたとは思えないのです。
 バブル後の最大の問題は、「就職氷河期」のような雇用問題だったと思っています。
 逆に言えば高度成長期のような生活レベルはあり得ない!!
 現在では奨学金とバイトだけで暮らす苦学生のような立場の人でも、風呂なしキッチン共同の賃貸などでは絶対に暮らせないのです。

 で、また元に戻るのですが、それではイギリスなど順調に経済成長を続け、賃金も上がり続けたはずの国の医療水準が何で下がっているのでしょうか?
 そもそもこうした経済指標には何かマジックがあるのでしょうか?
 非常に不可解です。
 
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2023-08-15 12:24

ブライダル補助金?? 公金チューチューで日本人絶滅計画

 ブライダル補助金と言うがネットで騒がれています。
 自民党の森まさこ議員がいこんなツィートをしたのが発端です。

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 このツィートを読むと、一般国民の結婚を支援する為の補助金と思ってしまうのですが、しかし中身が全く違います。
 この補助金は経産省からの物で、補助金を申請できるのは、結婚式場など結婚関連の業者です。
 結婚資金に困っているカップルではありません。

 ブライダル産業の回復、カギは訪日外国人!?
 2022年12月4日 ニュースイッチ

経済産業省はブライダル産業のインバウンド(訪日外国人)需要の開拓支援に乗り出す。インバウンドの受け入れ準備や海外への情報発信にかかる費用を補助する。少子化に伴う結婚式場の利用の減少や新型コロナウイルス感染症の影響で国内市場が縮小する中、インバウンド需要の取り込みを強化することでブライダル産業の収益力回復につなげる。

経産省は2022年度第2次補正予算案に12億円を計上し、ブライダル関連の事業者を支援する。インバウンド需要に対応するための費用の2分の1を補助する方針で、対象となる要件などは今後詰める。例えば、海外のブライダルイベントへの出展や外国人を受け入れる体制の整備などを想定している。

経産省によると、コロナ禍前から沖縄や京都など観光地での結婚式を希望する外国人が少なくなかったという。政府の水際対策の緩和によって今後もインバウンドの増加が見込まれており、国内で式を挙げる外国人が増えることが期待される。円安の恩恵も生かしながら外需を取り込み、ブライダル産業の回復を図る。

ブライダル産業は結婚式場の運営事業者のほか、装花業者や引き出物を取り扱う事業者、撮影業者など裾野が広い。一方、コロナ禍に伴う結婚式の規模縮小に加え、少子化により結婚式が減少する可能性がある。持続的な発展が課題となっていることを踏まえ、経産省はインバウンド向けサービスの創出を後押しする。

 要するにコロナや若年人口の減少から、ブライダル産業の需要が減り、業界の生き残りが厳しくなっているので、外国人の需要を取り込むなどして生き残る為に補助金を出すと言うのです。

 因みに補助金の上限は一件500万円です。 
 勿論、ブライダル補助金と言う以上、全く少子化に関係がないわけではありません。
 一応、以下のようなケースが優先されると言う事ですから。

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 しかしこれどうやって評価するんでしょうか?
 とりあえず結婚するカップルが増えれば、少子化対策になるのはわかりますが、結婚式場に補助金を幾ら出したら生まれる子供が何人増えるかなど全く評価不能でしょう?
 
 またそれ以外の項目でも、この中身を誰がどういう根拠で、評価して補助金を出すか出さないかを決めるんでしょうか?

 そして根源的な疑問ですが、そもそもブライダル産業がこれまでの規模で生き残る必要があるのでしょうか?
 結婚適齢期の若者の数は、25~35年前にわかっていたのです。 結婚適齢期の若者の数は彼等が生まれた年にはわかっていたのです。
 また結婚や結婚式に関する考え方だって突然変わったわけではありません。

 昔のように大規模な宴会場を借りて、大人数の披露宴をやるようなカップルは減っているのです。
 それどころかそもそも結婚式その物をやらないカップルも増えています。

 だから結婚式場などブライダル産業が苦戦するのは当然なのですが、逆に言えばこれは時代がそうした産業を必要としなくなったという事なのです。
 社会が必要としない産業を生き残らせる為に補助金を出す必要があるのでしょうか?
 
 これが高度や技術や伝統文化を持つ産業なら、それを維持する意味もありますが、しかし結婚式など別にそうした産業がなくてもできるモノです。 
 何でそれを態々維持する必要があるのでしょうか?

 それでも失業率が高く、ブライダル産業が潰れて失業者の行き所がないのなら、雇用維持と言う意味はあります。
 しかし幸い失業率は非常に低く、むしろ求人難なのです。
 結婚式場で働いていた人達なら、ホテル等接客業や飲食業に再就職するのは簡単でしょう?
 それどころか現在こうした業界は人手不足で「外国人を雇う」などと言っているのです。

 しかし呆れた事に経産省は、日本人の結婚式が減った需要を外国人で補う為に補助金を出すと言うのです。
 で経産省の説明だと、外国語のHPを作るとか、広告動画を作るとか勧めて、その為に補助金を使えると言うのです。



 何でこんなことに税金を与える必要があるのでしょうか?
 因みにこの補助金って一件の上限が500万円です。
 そしてこの申請書を書くと言う業者があるのです。
 
 【最大500万円】8/14(月)よりブライダル補助金の申請サポートを開始しました
 
 確かに幾ら経産省の「優良事例」に該当した業者でも、一般の業者が申請しても通らないないのかもしれませんね。
 だってホントにどうやったら優良事例なのか、誰がどう判断するのか全くわかりません。
 だから普通の業者が色々頑張って申請書を書いても絶対に申請は通らないのでしょう。

 だからこうした経産省の申請にやり方に通じた業者・・・・それって経産省の天下り職員?にでも頼まないと通る申請書は書けないのでしょう。

 それにしても上限500万円の申請書を業者を頼んで書いて貰って、結局幾ら残るんでしょうか?
 そしてその成果についての政策評価はあるのでしょうか?

 以前、Colabo問題が出た時、高橋洋一が「この種の少額補助金はどうしようもない」と言っていたのを思い出しました。
 Colabo問題も酷いのですが、しかしこのブライダル補助金の中身を見ると、無意味な補助金ってホントに多くて、Colaboなんかに構っていられないと言うのもわかります。
  
 それにしても酷い話です。 
 これってもう日本人絶滅計画でしょう?
 岸田政権はひたすら増税だけを考え国民負担率を増やし続けました。
 そんなに財源がないなら、こんな愚劣な補助金の類は全部廃止すればよいのに、態々新しい補助金を作って、ブライダル産業などと言う化石を生き残らせようとしているのです。
 そしてその為の財源が必要だからと増税するわけです。
 
 そんな事をされたら若者は結婚するどころじゃなくなるし、結婚したカップルもこれ以上子供を産む事などできなくなります。
 こんなことを続けていたら、日本経済は衰亡するばかりだし、人口だって減るしかありません。
 これじゃ完全に日本人絶滅計画としか言えません。

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2022-06-07 15:06

黒田日銀総裁バッシングの目的は?

 どうやら新聞とテレビは黒田日銀総裁のバッシングを始めました。
 
 家計の“値上げ許容”発言で波紋 日銀黒田総裁が釈明「強調しすぎたかも」

 新聞とテレビはこのところ「悪い円安」を煽っていたのですが、今度は物価高の原因を「悪い円安」の責任、そしてその原因は日銀の金融緩和政策の責任にして、黒田日銀総裁のバッシングを扇動し始めたのです。

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 しかし事実を言えばそもそも現在、日本のインフレ率は2%に過ぎません。
 IMFが予想する2022年度の世界的なインフレ率は7.4%、アメリカは8%です。
 円安で輸入品の価格が上がるのは日本だけなのにヘンですね?

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 世界的に物価が上昇しているのは、一つはコロナの影響です。
 欧米ではコロナ禍が事実上終わって消費が異常なほど増えたのに、中国のロックダウンは続いていて、未だに生産も流通も回復していません。
 またロシアのウクライナ侵略戦争でエネルギー価格が急騰しました。
 エネルギー価格も欧米のコロナ禍が終わる頃から上がり続けていたのですが、これにロシアのウクライナ侵略戦争が拍車を駆けました。
 それで世界的なインフレが懸念されているのです。

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 そして日本の場合、天候不順で野菜の値段が高騰しています。 特に最近は玉葱の値上がりが酷くてワタシも閉口しています。 
 これは最大の産地北海道が去年不作で、しかも他の産地の作柄もよくないので、爆上げしていまいました。
  そしてそれ以外の食料品や飲食店の値上げも増えてきました。

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 食料やガソリンなどは誰でも始終買うので、誰でもすぐに値上がりが気になるので「物価が上がった~~~!!」と言う感覚になるのですが、しかし前記のように日本の物価上昇率は2%過ぎないのです。
 2%と言うのは、元来日銀が政策目標としてきたインフレターゲットです。 
 日銀は第一次安倍政権発足直後から2%のインフレターゲットを目標に、長々と金融緩和を続けてきたのですが、漸くその目標値に達したのです。

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 しかし実はこれ不十分なのです。
 なぜなら日本の場合、物価上昇の主因が食料とエネルギー価格の上昇ですが、前記のようにこれは天候とかロシアのウクライナ侵略戦争とか、日本の経済活動に関係のない事での価格上昇なのです。
 本来なら食料価格やエネルギー価格はこのように国内の経済活動より、天候とか海外情勢とか変動するので、金融政策はこういうモノを外した物価指数コアコアCPIで論じるべきなのです。

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 で、そのコアコアCPIは0.8%しか上昇していません。
 これだと日銀総裁としては、まだまだ金融緩和を止めてはいけないとしか思えなでしょう。
 そして玉葱とかガソリンの値段について文句を言われても困るとしか言いようがありません。

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 因みにこのレベルの話をすれば、今後カツオの値段の暴落が予想されています。 千葉で今カツオが途方もない豊漁なのです。 4月の35倍も取れてしまったのです。 しかも大型で脂がのって凄く美味しいというのです。
 しかしそのため、5月の値段が半分になってしまいました。
 大変だ~!! 
 大デフレだ!!
 日銀はもっと金融緩和しなくちゃ!!

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 つまり本来の日銀の仕事、金融政策についていえば、黒田総裁のやっている事には、何の問題もないのです。 ところが新聞とテレビはひたすら「悪い円安」で黒田総裁を叩き、更に「物価高」で黒田総裁を叩こうとしてます。 
 物価上昇率が2%、コアコアCPIが0.8%で物価高と言うのも異常なのですが、玉葱とガソリンで叩くのです。

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 勿論、エネルギー価格が上がるのは困ります。
 ガソリンも灯油も、そして石油や天然ガスを使った火力発電の電気代も、全部上がるので、国民も企業もみんな困るのです。
 でもこれは日銀がどうにかできる事ではありません。
 むしろ叩くべきは政府でしょう?

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 電気代を下げるには、まずは原発の稼働を急ぐべきです。 これは価格に関係なく一刻も早くやるべきです。 だって夏に首都圏でブラックアウトなんてことになると3桁の人が死にます。
 またガソリン税を減税し、灯油やガスについては、石油元売りに補助金を出せばよいでしょう。
 太陽光発電の電力買取価格をほぼゼロまで下げるのもよい方法です。

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 野菜の値段はどうにもなりませんが、とりあえず食料品の消費税をゼロにするなどの方法があります。
 またロシアのウクライナ侵略戦争で小麦価格が上がっていますが、日本の場合、国内での小麦価格は政府が統制しています。 だから輸入価格の上昇分は政府が負担して、売渡価格を据え置きにすればよいのです。

 これらは日銀には絶対にできないけれど、政府の決断でできます。
 そしてこれを全部やれば、エネルギー価格の上昇分と食料価格の上昇分はほぼ完全に相殺できるのではないでしょうか?

 ところが大変奇妙な事に、新聞とテレビはできる事をしないで物価高を放置する政府・岸田首相は非難せずに、なぜか全く責任のない日銀総裁をバッシングしています。
 そしてこれに扇動されて黒田総裁をバッシングしている人達も結構います。

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 何で新聞とテレビは黒田総裁をバッシングするのでしょうか?
 これはワタシの推測ですが、まず黒田総裁はバッシングしやすい人間と看做されたのだと思います。

 だって日銀総裁は首相や財務大臣と比べて新聞やテレビに出る事は少ないです。 その為、一般国民向けに「配慮した発言」をすることにも慣れていません。 マスコミへの露出も少ない分、バッシングを受ける事もなく、バッシングされる事にも慣れていません。
 だから新聞とテレビが一斉に叩き、ボコボコにバッシングされたら、精神的にダウンする可能性も高いです。 

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 新聞とテレビは事実上財務省の広報機関なのですが、財務省は今も何とかアベノミックスを全否定して、緊縮増税路線を復活したいと望んでいます。
 そこで新聞とテレビはひたすら「アベノミックスは失敗した」とプロパガンダしています。
 その一つが「給料が上がらない!!」だったわけですが、この円安を機会に「悪い円安」を煽って金融緩和を止めさせたいのです。 
 その為には黒田総裁をバッシングして、2023年4月に黒田総裁の任期が切れたら、超緊縮派の人間を日銀総裁にしたいのではないでしょうか?

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 しかし恐ろし話です。
 アメリカ始め欧米諸国が日本を遥かに上回るインフレなのに、日本のインフレ率が低いのは、日本の消費が全然増えていないからです。
 日本もコロナによる行動制限は緩和し始めたのですが、それでもまだみんなマスクをしていて、コロナが終わったさあ遊ぼうなんて気分ではありません。

 日本は欧米に比べたら死者は二桁少ない状態で済み、ロックダウンのような過酷な行動制限もなく、失業者もほとんど増えませんでした。
 だから欧米式のリベンジ消費もその分少なくなるのは仕方ないでしょうが、しかしその分いつまで経ってもコロナへの用心を止められず、消費も増えないのです。
 それで経済もコロナを引き摺り続けているのです。 
 から生産力と消費量の差、つまりGDPギャップは30兆円分もあるのです。しかも政府はその分を穴埋めするような補正予算を組む気はありません。 

 こんな状態で日銀が金融緩和を止めたらどうなるのでしょうか?
 リーマンショックの後の3年間の超円高を思い出してください。
 あの時のどれだけ多く人が職を失い露頭に迷ったか?
 しかしそれでもひたすら黒田総裁をバッシングして、金融緩和を止めさせたいのが新聞とテレビ、そしてそれを操る財務省なのです。

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2022-06-05 11:00

アメリカ産玉葱とインフレ雑感

 冷蔵庫の玉葱が残り3つになってしまいました。 小さい玉なのでカレーか豚汁を一回作れば終わりです。
 この玉葱は2週間程前に琴似の激安八百屋で買ったものです。 
 アメリカ産で2キロ498円でした。 

 ワタシはアメリカ産の玉葱と言うのを見たのは生まれて初めてなのですが、2キロ498年は「安い!!」と思って買いました。
 だって他ではこれと同じぐらいの玉で3個198円とか、少し大きな玉だと一個148円とかです。
 これまでは玉葱は2キロ298円とか、小さい玉だと1キロ99円とか普通だったので、買うにも使うにも値段を全く考えた事もなかったのに・・・・・。
 これじゃアスパラバス並の高級野菜です。

 こんなことになったのは昨年からの天候不順が原因です。
 元来日本の玉葱市場は、ほぼ国産品で占められていたのに、最大の産地北海道が昨年の天候不順で不作になり、しかも他の産地の出来もよくなったので、北海道産の在庫が減に連れて値段は上がるばかりです。

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 そしてついには円安の最中にアメリカから輸入してもなお国産品より安いという状況に至ったのです。
 ところが先日また琴似の八百屋にいったのですが、このアメリカ産も売っておらず、ここでも玉葱は高級野菜になっていました。

 玉葱だけでなく、ジャガイモ、キャベツ、大根、白菜など、元来安くて日持ちがするので、どの家庭でも常備している野菜が、昨年末から皆軒並み値上がりしています。
 これも天候不順が主な原因のようです。 

 これだと子だくさんの家族など大変でしょう。 だってジャガイモと玉葱が高級野菜になってしまっては、カレーも気楽に作れません。
 それに最近、スナック菓子など加工食品が一斉に値上げしているし、王将など飲食店も値上げを始めました。
 更にロシアウクライナ侵略戦争のお陰で昨年末からガソリン等エネルギー価格の値上がりが凄いです。

 エネルギーと食料。
 どんな人でも毎日必要し、頻繁の買わなくなければならない物が大きく値上がりしているので、「凄いインフレ!!」と言う感覚になってしまいます。

 しかし実は日本のインフレ率は4月で2%です。
 やっとギリギリ日銀の設定したインフレターゲットに届いた所です。
 でも食料とエネルギー価格を除いた物価指数コアコアCPIは0.7%です。 
 
 玉葱の例からわかるように、食料価格は天候など経済活動に関係ない問題で変動します。
 また現在エネルギー価格も凄く上がっているのですが、これは勿論ロシアのウクライナ侵略戦争が原因です。 
 つまりエネルギー価格も、日本国内の経済状況に関係なく、国際情勢など国外の問題で変動します。
 そこで国内の経済活動に関係なく変動するの物の価格を物価指数の計算から除外した物価指数がコアコアCPIなのですが、前記のようにこれがまだ0.7%なのです。
 これではデフレが続いているとみなすしかありません。 

 先日、日銀の黒田総裁が国会で「スーパーに行ってですね、物を買ったこともありますけれども、基本的には家内がやっておりますので、包括的にですね、物価の動向を直接買うことによって、感じているというほどではありません。」と答えた事で、発狂している人達がいました。
 因みに黒田総裁に質問したのは立憲民主党の白真勲ですが、さすが立憲民主党です。 
 マクロ経済政策も日銀の金融政策目標も全く理解していません。

 前記のように日銀は2%のインフレターゲットを設定して、それに向けてインフレ率を上げようと努力してきたのです。
 それでもまだ全然目標に届いていません。
 だからまだしばらく頑張って金融緩和を続けるしかありません。

 玉葱や灯油やガソリンが値上がりするのは困りますが、どれを見ても日銀の金融政策で価格を下げられるようなものじゃないのです。
 それを理解していれば、ここで黒田総裁を非難するようなことはしないでしょう。

 因みにアメリカのインフレ率は8%、欧州も日本よりはるかに高いインフレ率です。
 それでFRBは何とかこのインフレを退治しようと利上げし、今後も何度か利上げを予定していると発表したので、円安になったのです。
 そこで「悪い円安!!」と煽る連中が、日銀を非難しているのですが、しかしドルもユーロも通貨安になっていないのに日本よりインフレ率が上がっているのだから、日本の物価高だって円安に関係ない事ぐらいわかるでしょう?

 因みに歴史的に見ると今回のインフレは殆ど無問題です。

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 1980年まで5%を超えるインフレが続いていました。
 凄かったのが石油ショック時で、この時は20%超えのインフレになりました。
 しかしそれで日本が破綻したのでしょうか?
 国民生活は破綻したのでしょうか?

 違います。
 全く無問題でした。
 石油ショックの翌年、春闘では25%!!の賃上げになりました。
 そして日本は難なく石油ショックを乗り越えて経済成長を続けたのです。

 しかしこれは当然かもしれません。
 だって20%のインフレが起きるという事は、これまで1万円で買えたものが1万2千円出さないと買えないという事です。
 つまりお金の価値は8割程に下がってしまいます。

 10000÷12000=0.83

 これって貯金をしている人には困りますが、借金している人にはすごく助かります。
 一方企業って借金して設備投資をするのです。
 技術はドンドン進歩するのに、工場を新設するのに建設資金がたまるまで待つわけにはいかないのです。
 ところがインフレでその借金が2割も縮むのですから、助かりますよね。 
 これだと今後も安心して設備投資をできますよね?
 その逆がバブル崩壊以降から始まったデフレでした。 
 この頃から日本の経済成長は完全に止まってしまい、今も止まっています。

 借金って凄い悪いイメージなのですが、でもローンで家を買うとか、奨学金で大学に進学するのも借金なのです。
 こういう将来の為の借金って悪いモノじゃないでしょう?
 
 それを考えるとマイルドなインフレが経済成長を促す理由も納得できます。 
 だから黒田総裁には頑張ってほしいです。
 白真勲見たいな馬鹿議員は相手にしなでヘラヘラ笑っておけばよいのです。

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2019-06-06 13:39

日銀って何?

 昨日の日経平均は久しぶりに大幅に上昇しました。
 これは4日にアメリカ連邦銀行総裁の発言を受けてNYダウ平均が512ドル40セントの大幅上昇をしたこと受けた結果です。

 NY株512ドル高 FRB議長発言を好感 利下げ期待強まる
 日経新聞 2019/6/5 5:33 (2019/6/5 6:10更新)

 ニューヨーク=大島有美子】4日の米株式相場でダウ工業株30種平均は大幅に続伸し、前日比512ドル40セント(2.06%)高の2万5332ドル18セントで終えた。値上がり幅は今年2番目の大きさ。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は同日朝、「景気拡大を持続させるために適切な行動をとる」と発言。利下げ期待が強まったほか、貿易摩擦への懸念も和らぎ投資家心理が改善した。

 外国為替市場では、パウエル議長の発言を受けての株高からドル買いの流れが起こり、一時は東京為替市場の前日比で30銭の円安・ドル高の1ドル=108円34銭をつけた。

 米国株相場は買い先行で始まった。取引開始から約30分後にパウエル議長の発言が伝わり、買いが強まった。午前中は上昇を続け、昼すぎからは横ばいで推移したが、取引終了前に再び上昇。一時は523ドル高まで上昇した。

 パウエル議長はシカゴでの講演で貿易交渉について「米国経済の成長に及ぼす影響を注視し、強い雇用の維持と2%の物価上昇目標に向けて適切な行動をとる」と述べた。クラリダ副議長も「経済を現状のように良好な状態に保てるような政策にするだろう」と述べた。いずれも市場では状況に応じて利下げする用意があると受け止められた。

 貿易摩擦への過度な警戒感も後退した。4日、中国商務省の報道官が「貿易摩擦は対話によって解決すべきだ」との声明を出し、米中協議再開への期待を誘った。メキシコ製品に対する追加関税についても、メキシコ政府高官が「移民と貿易問題について着地点を探せることを期待する」と述べたことが米メディアで伝わった。米共和党議員がメキシコ製品への追加関税を阻止するために動いているという米メディアの報道も好感した。メキシコの通貨ペソは対ドルで横ばいの1ドル=19.6ペソ近辺で推移している。

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 アメリカの株価はアメリカ政府が米中貿易戦争をしてからも、余り変化しませんでしたが、先日トランプ大統領が「メキシコが不法移民を防止しなければ、関税を課す。」と言ったら、途端に下げ始めました。

 そしてアメリカの株価が下がり始めると、パウエル連邦準備理事会のパウエル議長が速攻で、今後予想される経済悪化に対応するという声明を出したのです。

 しかもそれは「米国経済の成長に及ぼす影響を注視し、強い雇用の維持と2%の物価上昇目標に向けて適切な行動をとる」と大変明快な物です。

 つまり雇用とインフレ率と言う極めて具体的な数値目標を守る為の政策を行うと宣言したのです。

 それでアメリカの株価も直ちに反応しました。
 その影響が日本の株価にも及んでいるのです。

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 ワタシは経済は詳しくないし、金融政策についても何も知りません。
 しかし幾ばくかの株を持っているので、一応経済関係のニュースと日経平均はいつも見ています。

 それで思うのですが、アメリカの連邦準備銀行は、株価暴落など現実に起きた経済危機は勿論、今回のように現在は「危機」でなくとも今後危機的な状況が予想される場合は、機敏に対応しています。
 
 つまり今回パウエル議長がやったように、議長自ら声明を出して、具体的な目標を宣言し、その目標を達成するための政策をとってきたのです。

 リーマンショックの時はバーナンキ議長が「買える物はケチャップでも買って、景気悪化に対応する」と言って、それを実行したので「ヘリコプター・ベン」とまで言われました。
 しかしそれでアメリカはリーマンショックの震源地でありながら、いち早く不況から立ち直りました。

 また「神様」とまで言われたグリーンスパン議長など、常に不況を予見して先手先手の不況防止策を取り続けたので、彼の在任中アメリカは不況知らずでした。

 しかしワタシはアメリカの連邦準備議長に相当するはずの日銀総裁が、このように機敏に経済状況に対応しのは見た記憶がありません。

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 黒田総裁も就任直後には、アメリカ連邦準備理事会と同様2%のインフレ目標を掲げていました。
 それでそれに好感して株価も上がり、景気も良くなってきたわけですが、それ以降だんまりを決め込んでいます。

 今回だってそうです。

 米中貿易戦争の影響は、既に日本に及んでいるし(だから今回のGDP速報値で輸出が激減している)、メキシコ製品への関税課税だって日本企業には大きな影響があります。

 そもそもアメリカの景気は、それ自体日本にも大きな影響があるのです。

 またハードブレグジッドの影響も予想されてます。
 
 しかも日本はアメリカと違って、デフレからの脱出ができず、黒田総裁が掲げた2%インフレ目標達成さへ無期延期になっている状況です。

 状況は日本の方が余程ヤバイでしょう?

 だから日銀にアメリカ連邦準備銀行並みの機敏さがあるなら、黒田総裁の方がパウエル議長より先に、今後予想される経済悪化に対応する声明を出しているはずです。

 ところが黒田総裁は相変わらず「だんまり」を決め込んでいます。
 その癖「増税しても大丈夫」などと、本来の日銀業務とは関係ない話はちゃっかりしているのです。

 これって一体何なのでしょうか?
 日銀は何をしているんでしょうか?

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 ワタシは低学歴ですから日銀についても中学公民で習った以上の知識はありません。
 
 だから漠然と「日本は先進国だし、日本の一流企業は皆、世界の一流企業として、アメリカやヨーロッパ諸国の同業者に伍して頑張っているのだから、日銀だってアメリカ連邦準備銀行や欧州中央銀行などと同じレベルで頑張っているのだ」と思ってました。

 ところがどうやら全然違うようなのです。
 
 日銀はバブル以降の30年余続いたデフレに対して何も対応してこなかったようなのです。
 それどころかリーマンショックの後も、アジア通貨危機の後も、一切有効な政策を取ってこなかったばかりか、他国の後追いをして金融緩和をする事さへしなかったので、危機の度に日本のデフレが悪化しました。

 それ以前にワタシはそもそも日銀の政策目標なる物を聞いた事がないのです。

 例えばアメリカの連邦準備銀行の目標は「雇用の適性化」です。
 
 なるほど「雇用の適性化」が経済の中で最も重要なのは、誰が考えてもわかります。
 どんな国でも殆どの国民は勤労で生活資金を得ているのです。
 納税者の大多数もまた勤労者だし、GDPの源も全ては勤労です。

 だから勤労意欲のある人が、全て働ける状況を維持する事が、国家の経済や財政に何より重要だし、また国民個人個人の幸福でもあるのです。

 しかしながらワタシは日銀が過去、こうした目標を掲げたのを見た事がありません。

 と言うより「アメリカ連邦準備銀行の目標は雇用の適性化」と言う話を高橋洋一がしているのを見て初めて「なるほど中央銀行とはそういう物なのか・・・・。」と感動したのです。

 それじゃ日銀は一体何の為に存在するのでしょうか?

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 日本の戦後は、バブル崩壊までは総じて失業率は低い時代が続いてきました。
 だからこの頃までは、日本全体が失業率に無関心だったのはわかります。

 しかしバブル崩壊、就職氷河期となっても、日銀から「雇用」と言う話は出ていないのです。
 
 バブル崩壊、就職氷河期に至って、それまで年間2万人前後だった日本の自殺者は3万人を超えたのです。
 
 病気や内面の苦悩から自殺する人は、どんなに景気の良い時代にもいますから、毎年一定数の自殺者が出る事は避けられません。
 
 しかし病気や内面の苦悩を抱える人が、突然増えるという事はあり得ないので、この頃から自殺者が増えたのは明らかに失業など経済要因なのです。

 実はワタシの親族にも就職氷河期に大学を卒業した人がいるのですが、本当に辛い思いをしていました。 
 あれでは自殺者が続出するのは当然だと思いました。

 しかしリーマンショックの後、この就職状況が更に悪化し、非正規職の解雇が続いても、日銀は異常な金融引き締め政策を続けて円高を悪化させ続けました。

 一体彼等の政策目標は何なのでしょうか?

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 しかしこの日銀が実はバブル以降、銀行の当座預金に利息をつけていたのです。

 当座預金って元来利子はつきませんよね?
 
 それなのに銀行が日銀にお金を預けると、当座預金でも利子がつくのです。

 マジにこんな事をやっていたら銀行がマトモに仕事をするようになるわけないでしょう?
 
 一体日銀は何の為にあるのでしょうか?

 そもそも日銀総裁や審議委員と言われる人達は、どういう人達なのでしょうか?

 アメリカ連邦準備銀行理事長は、皆経済金融の専門家です。
 経済学で博士号をもっていたり、金融業のトップとして働いてきた人達です。

 ヨーロッパ中央銀行総裁で、リーマンショックに見事な金融政策で対応して「スーパー・マリオ」と呼ばれたマリオ・ドラギ総裁も経済学者です。

 ところが日銀総裁と言うのは、多くが財務省の天下り、唯の法学士で経済専門家とは程遠い人達なのです。
 
 だから日銀総裁が就任すると、部下達が金融の専門用語を使って虐めるのだと言います。
 
 勿論経済学は自然科学のように精密に確定的に因果関係を証明できる学問ではないので、学問や知識があれば正しい政策ができるとは限りません。

 でもこれじゃ他国の中央銀行に伍して金融政策を取れるわけもないでしょう?
 これじゃ他国の後追い政策だってできないでしょう?

 現在の黒田日銀総裁も、インフレ目標の達成には全く無関心ですが、増税には熱烈な関心があるようです。

 いくら何でもこんな状況では、日本の金融政策がマトモにできるわけもないのです。
 
 そして金融政策がマトモにできないのでは、先進資本主義国としてやっていけるわけもないのです。

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 一体なぜ日本は金融財政政策をちゃんとした専門家にやらせることができないのでしょうか?

 江戸時代、幕府や藩の財政・金融政策を担当する「勘定方」と言われた所に勤務する侍達は、算盤侍と呼ばれましたが、数理の専門家でした。
 
 彼等はその計数能力、数理処理能力を生かして、財政だけではなく暦の作成など、自然科学に関係する仕事もしていたのです。

 関幸和だって幕府に仕えた時の身分は勘定方吟味役です。

 ところが現在の日本では、数Ⅲも履修していない、商業簿記3級も取ってない法学士が経済金融を仕切っているのです。

 何で日本はこんなにレベルダウンして、その状態から脱出できないのでしょうか?
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