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2022-06-07 15:06

黒田日銀総裁バッシングの目的は?

 どうやら新聞とテレビは黒田日銀総裁のバッシングを始めました。
 
 家計の“値上げ許容”発言で波紋 日銀黒田総裁が釈明「強調しすぎたかも」

 新聞とテレビはこのところ「悪い円安」を煽っていたのですが、今度は物価高の原因を「悪い円安」の責任、そしてその原因は日銀の金融緩和政策の責任にして、黒田日銀総裁のバッシングを扇動し始めたのです。

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 しかし事実を言えばそもそも現在、日本のインフレ率は2%に過ぎません。
 IMFが予想する2022年度の世界的なインフレ率は7.4%、アメリカは8%です。
 円安で輸入品の価格が上がるのは日本だけなのにヘンですね?

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 世界的に物価が上昇しているのは、一つはコロナの影響です。
 欧米ではコロナ禍が事実上終わって消費が異常なほど増えたのに、中国のロックダウンは続いていて、未だに生産も流通も回復していません。
 またロシアのウクライナ侵略戦争でエネルギー価格が急騰しました。
 エネルギー価格も欧米のコロナ禍が終わる頃から上がり続けていたのですが、これにロシアのウクライナ侵略戦争が拍車を駆けました。
 それで世界的なインフレが懸念されているのです。

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 そして日本の場合、天候不順で野菜の値段が高騰しています。 特に最近は玉葱の値上がりが酷くてワタシも閉口しています。 
 これは最大の産地北海道が去年不作で、しかも他の産地の作柄もよくないので、爆上げしていまいました。
  そしてそれ以外の食料品や飲食店の値上げも増えてきました。

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 食料やガソリンなどは誰でも始終買うので、誰でもすぐに値上がりが気になるので「物価が上がった~~~!!」と言う感覚になるのですが、しかし前記のように日本の物価上昇率は2%過ぎないのです。
 2%と言うのは、元来日銀が政策目標としてきたインフレターゲットです。 
 日銀は第一次安倍政権発足直後から2%のインフレターゲットを目標に、長々と金融緩和を続けてきたのですが、漸くその目標値に達したのです。

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 しかし実はこれ不十分なのです。
 なぜなら日本の場合、物価上昇の主因が食料とエネルギー価格の上昇ですが、前記のようにこれは天候とかロシアのウクライナ侵略戦争とか、日本の経済活動に関係のない事での価格上昇なのです。
 本来なら食料価格やエネルギー価格はこのように国内の経済活動より、天候とか海外情勢とか変動するので、金融政策はこういうモノを外した物価指数コアコアCPIで論じるべきなのです。

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 で、そのコアコアCPIは0.8%しか上昇していません。
 これだと日銀総裁としては、まだまだ金融緩和を止めてはいけないとしか思えなでしょう。
 そして玉葱とかガソリンの値段について文句を言われても困るとしか言いようがありません。

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 因みにこのレベルの話をすれば、今後カツオの値段の暴落が予想されています。 千葉で今カツオが途方もない豊漁なのです。 4月の35倍も取れてしまったのです。 しかも大型で脂がのって凄く美味しいというのです。
 しかしそのため、5月の値段が半分になってしまいました。
 大変だ~!! 
 大デフレだ!!
 日銀はもっと金融緩和しなくちゃ!!

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 つまり本来の日銀の仕事、金融政策についていえば、黒田総裁のやっている事には、何の問題もないのです。 ところが新聞とテレビはひたすら「悪い円安」で黒田総裁を叩き、更に「物価高」で黒田総裁を叩こうとしてます。 
 物価上昇率が2%、コアコアCPIが0.8%で物価高と言うのも異常なのですが、玉葱とガソリンで叩くのです。

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 勿論、エネルギー価格が上がるのは困ります。
 ガソリンも灯油も、そして石油や天然ガスを使った火力発電の電気代も、全部上がるので、国民も企業もみんな困るのです。
 でもこれは日銀がどうにかできる事ではありません。
 むしろ叩くべきは政府でしょう?

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 電気代を下げるには、まずは原発の稼働を急ぐべきです。 これは価格に関係なく一刻も早くやるべきです。 だって夏に首都圏でブラックアウトなんてことになると3桁の人が死にます。
 またガソリン税を減税し、灯油やガスについては、石油元売りに補助金を出せばよいでしょう。
 太陽光発電の電力買取価格をほぼゼロまで下げるのもよい方法です。

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 野菜の値段はどうにもなりませんが、とりあえず食料品の消費税をゼロにするなどの方法があります。
 またロシアのウクライナ侵略戦争で小麦価格が上がっていますが、日本の場合、国内での小麦価格は政府が統制しています。 だから輸入価格の上昇分は政府が負担して、売渡価格を据え置きにすればよいのです。

 これらは日銀には絶対にできないけれど、政府の決断でできます。
 そしてこれを全部やれば、エネルギー価格の上昇分と食料価格の上昇分はほぼ完全に相殺できるのではないでしょうか?

 ところが大変奇妙な事に、新聞とテレビはできる事をしないで物価高を放置する政府・岸田首相は非難せずに、なぜか全く責任のない日銀総裁をバッシングしています。
 そしてこれに扇動されて黒田総裁をバッシングしている人達も結構います。

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 何で新聞とテレビは黒田総裁をバッシングするのでしょうか?
 これはワタシの推測ですが、まず黒田総裁はバッシングしやすい人間と看做されたのだと思います。

 だって日銀総裁は首相や財務大臣と比べて新聞やテレビに出る事は少ないです。 その為、一般国民向けに「配慮した発言」をすることにも慣れていません。 マスコミへの露出も少ない分、バッシングを受ける事もなく、バッシングされる事にも慣れていません。
 だから新聞とテレビが一斉に叩き、ボコボコにバッシングされたら、精神的にダウンする可能性も高いです。 

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 新聞とテレビは事実上財務省の広報機関なのですが、財務省は今も何とかアベノミックスを全否定して、緊縮増税路線を復活したいと望んでいます。
 そこで新聞とテレビはひたすら「アベノミックスは失敗した」とプロパガンダしています。
 その一つが「給料が上がらない!!」だったわけですが、この円安を機会に「悪い円安」を煽って金融緩和を止めさせたいのです。 
 その為には黒田総裁をバッシングして、2023年4月に黒田総裁の任期が切れたら、超緊縮派の人間を日銀総裁にしたいのではないでしょうか?

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 しかし恐ろし話です。
 アメリカ始め欧米諸国が日本を遥かに上回るインフレなのに、日本のインフレ率が低いのは、日本の消費が全然増えていないからです。
 日本もコロナによる行動制限は緩和し始めたのですが、それでもまだみんなマスクをしていて、コロナが終わったさあ遊ぼうなんて気分ではありません。

 日本は欧米に比べたら死者は二桁少ない状態で済み、ロックダウンのような過酷な行動制限もなく、失業者もほとんど増えませんでした。
 だから欧米式のリベンジ消費もその分少なくなるのは仕方ないでしょうが、しかしその分いつまで経ってもコロナへの用心を止められず、消費も増えないのです。
 それで経済もコロナを引き摺り続けているのです。 
 から生産力と消費量の差、つまりGDPギャップは30兆円分もあるのです。しかも政府はその分を穴埋めするような補正予算を組む気はありません。 

 こんな状態で日銀が金融緩和を止めたらどうなるのでしょうか?
 リーマンショックの後の3年間の超円高を思い出してください。
 あの時のどれだけ多く人が職を失い露頭に迷ったか?
 しかしそれでもひたすら黒田総裁をバッシングして、金融緩和を止めさせたいのが新聞とテレビ、そしてそれを操る財務省なのです。

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2022-06-05 11:00

アメリカ産玉葱とインフレ雑感

 冷蔵庫の玉葱が残り3つになってしまいました。 小さい玉なのでカレーか豚汁を一回作れば終わりです。
 この玉葱は2週間程前に琴似の激安八百屋で買ったものです。 
 アメリカ産で2キロ498円でした。 

 ワタシはアメリカ産の玉葱と言うのを見たのは生まれて初めてなのですが、2キロ498年は「安い!!」と思って買いました。
 だって他ではこれと同じぐらいの玉で3個198円とか、少し大きな玉だと一個148円とかです。
 これまでは玉葱は2キロ298円とか、小さい玉だと1キロ99円とか普通だったので、買うにも使うにも値段を全く考えた事もなかったのに・・・・・。
 これじゃアスパラバス並の高級野菜です。

 こんなことになったのは昨年からの天候不順が原因です。
 元来日本の玉葱市場は、ほぼ国産品で占められていたのに、最大の産地北海道が昨年の天候不順で不作になり、しかも他の産地の出来もよくなったので、北海道産の在庫が減に連れて値段は上がるばかりです。

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 そしてついには円安の最中にアメリカから輸入してもなお国産品より安いという状況に至ったのです。
 ところが先日また琴似の八百屋にいったのですが、このアメリカ産も売っておらず、ここでも玉葱は高級野菜になっていました。

 玉葱だけでなく、ジャガイモ、キャベツ、大根、白菜など、元来安くて日持ちがするので、どの家庭でも常備している野菜が、昨年末から皆軒並み値上がりしています。
 これも天候不順が主な原因のようです。 

 これだと子だくさんの家族など大変でしょう。 だってジャガイモと玉葱が高級野菜になってしまっては、カレーも気楽に作れません。
 それに最近、スナック菓子など加工食品が一斉に値上げしているし、王将など飲食店も値上げを始めました。
 更にロシアウクライナ侵略戦争のお陰で昨年末からガソリン等エネルギー価格の値上がりが凄いです。

 エネルギーと食料。
 どんな人でも毎日必要し、頻繁の買わなくなければならない物が大きく値上がりしているので、「凄いインフレ!!」と言う感覚になってしまいます。

 しかし実は日本のインフレ率は4月で2%です。
 やっとギリギリ日銀の設定したインフレターゲットに届いた所です。
 でも食料とエネルギー価格を除いた物価指数コアコアCPIは0.7%です。 
 
 玉葱の例からわかるように、食料価格は天候など経済活動に関係ない問題で変動します。
 また現在エネルギー価格も凄く上がっているのですが、これは勿論ロシアのウクライナ侵略戦争が原因です。 
 つまりエネルギー価格も、日本国内の経済状況に関係なく、国際情勢など国外の問題で変動します。
 そこで国内の経済活動に関係なく変動するの物の価格を物価指数の計算から除外した物価指数がコアコアCPIなのですが、前記のようにこれがまだ0.7%なのです。
 これではデフレが続いているとみなすしかありません。 

 先日、日銀の黒田総裁が国会で「スーパーに行ってですね、物を買ったこともありますけれども、基本的には家内がやっておりますので、包括的にですね、物価の動向を直接買うことによって、感じているというほどではありません。」と答えた事で、発狂している人達がいました。
 因みに黒田総裁に質問したのは立憲民主党の白真勲ですが、さすが立憲民主党です。 
 マクロ経済政策も日銀の金融政策目標も全く理解していません。

 前記のように日銀は2%のインフレターゲットを設定して、それに向けてインフレ率を上げようと努力してきたのです。
 それでもまだ全然目標に届いていません。
 だからまだしばらく頑張って金融緩和を続けるしかありません。

 玉葱や灯油やガソリンが値上がりするのは困りますが、どれを見ても日銀の金融政策で価格を下げられるようなものじゃないのです。
 それを理解していれば、ここで黒田総裁を非難するようなことはしないでしょう。

 因みにアメリカのインフレ率は8%、欧州も日本よりはるかに高いインフレ率です。
 それでFRBは何とかこのインフレを退治しようと利上げし、今後も何度か利上げを予定していると発表したので、円安になったのです。
 そこで「悪い円安!!」と煽る連中が、日銀を非難しているのですが、しかしドルもユーロも通貨安になっていないのに日本よりインフレ率が上がっているのだから、日本の物価高だって円安に関係ない事ぐらいわかるでしょう?

 因みに歴史的に見ると今回のインフレは殆ど無問題です。

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 1980年まで5%を超えるインフレが続いていました。
 凄かったのが石油ショック時で、この時は20%超えのインフレになりました。
 しかしそれで日本が破綻したのでしょうか?
 国民生活は破綻したのでしょうか?

 違います。
 全く無問題でした。
 石油ショックの翌年、春闘では25%!!の賃上げになりました。
 そして日本は難なく石油ショックを乗り越えて経済成長を続けたのです。

 しかしこれは当然かもしれません。
 だって20%のインフレが起きるという事は、これまで1万円で買えたものが1万2千円出さないと買えないという事です。
 つまりお金の価値は8割程に下がってしまいます。

 10000÷12000=0.83

 これって貯金をしている人には困りますが、借金している人にはすごく助かります。
 一方企業って借金して設備投資をするのです。
 技術はドンドン進歩するのに、工場を新設するのに建設資金がたまるまで待つわけにはいかないのです。
 ところがインフレでその借金が2割も縮むのですから、助かりますよね。 
 これだと今後も安心して設備投資をできますよね?
 その逆がバブル崩壊以降から始まったデフレでした。 
 この頃から日本の経済成長は完全に止まってしまい、今も止まっています。

 借金って凄い悪いイメージなのですが、でもローンで家を買うとか、奨学金で大学に進学するのも借金なのです。
 こういう将来の為の借金って悪いモノじゃないでしょう?
 
 それを考えるとマイルドなインフレが経済成長を促す理由も納得できます。 
 だから黒田総裁には頑張ってほしいです。
 白真勲見たいな馬鹿議員は相手にしなでヘラヘラ笑っておけばよいのです。

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2019-06-06 13:39

日銀って何?

 昨日の日経平均は久しぶりに大幅に上昇しました。
 これは4日にアメリカ連邦銀行総裁の発言を受けてNYダウ平均が512ドル40セントの大幅上昇をしたこと受けた結果です。

 NY株512ドル高 FRB議長発言を好感 利下げ期待強まる
 日経新聞 2019/6/5 5:33 (2019/6/5 6:10更新)

 ニューヨーク=大島有美子】4日の米株式相場でダウ工業株30種平均は大幅に続伸し、前日比512ドル40セント(2.06%)高の2万5332ドル18セントで終えた。値上がり幅は今年2番目の大きさ。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は同日朝、「景気拡大を持続させるために適切な行動をとる」と発言。利下げ期待が強まったほか、貿易摩擦への懸念も和らぎ投資家心理が改善した。

 外国為替市場では、パウエル議長の発言を受けての株高からドル買いの流れが起こり、一時は東京為替市場の前日比で30銭の円安・ドル高の1ドル=108円34銭をつけた。

 米国株相場は買い先行で始まった。取引開始から約30分後にパウエル議長の発言が伝わり、買いが強まった。午前中は上昇を続け、昼すぎからは横ばいで推移したが、取引終了前に再び上昇。一時は523ドル高まで上昇した。

 パウエル議長はシカゴでの講演で貿易交渉について「米国経済の成長に及ぼす影響を注視し、強い雇用の維持と2%の物価上昇目標に向けて適切な行動をとる」と述べた。クラリダ副議長も「経済を現状のように良好な状態に保てるような政策にするだろう」と述べた。いずれも市場では状況に応じて利下げする用意があると受け止められた。

 貿易摩擦への過度な警戒感も後退した。4日、中国商務省の報道官が「貿易摩擦は対話によって解決すべきだ」との声明を出し、米中協議再開への期待を誘った。メキシコ製品に対する追加関税についても、メキシコ政府高官が「移民と貿易問題について着地点を探せることを期待する」と述べたことが米メディアで伝わった。米共和党議員がメキシコ製品への追加関税を阻止するために動いているという米メディアの報道も好感した。メキシコの通貨ペソは対ドルで横ばいの1ドル=19.6ペソ近辺で推移している。

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 アメリカの株価はアメリカ政府が米中貿易戦争をしてからも、余り変化しませんでしたが、先日トランプ大統領が「メキシコが不法移民を防止しなければ、関税を課す。」と言ったら、途端に下げ始めました。

 そしてアメリカの株価が下がり始めると、パウエル連邦準備理事会のパウエル議長が速攻で、今後予想される経済悪化に対応するという声明を出したのです。

 しかもそれは「米国経済の成長に及ぼす影響を注視し、強い雇用の維持と2%の物価上昇目標に向けて適切な行動をとる」と大変明快な物です。

 つまり雇用とインフレ率と言う極めて具体的な数値目標を守る為の政策を行うと宣言したのです。

 それでアメリカの株価も直ちに反応しました。
 その影響が日本の株価にも及んでいるのです。

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 ワタシは経済は詳しくないし、金融政策についても何も知りません。
 しかし幾ばくかの株を持っているので、一応経済関係のニュースと日経平均はいつも見ています。

 それで思うのですが、アメリカの連邦準備銀行は、株価暴落など現実に起きた経済危機は勿論、今回のように現在は「危機」でなくとも今後危機的な状況が予想される場合は、機敏に対応しています。
 
 つまり今回パウエル議長がやったように、議長自ら声明を出して、具体的な目標を宣言し、その目標を達成するための政策をとってきたのです。

 リーマンショックの時はバーナンキ議長が「買える物はケチャップでも買って、景気悪化に対応する」と言って、それを実行したので「ヘリコプター・ベン」とまで言われました。
 しかしそれでアメリカはリーマンショックの震源地でありながら、いち早く不況から立ち直りました。

 また「神様」とまで言われたグリーンスパン議長など、常に不況を予見して先手先手の不況防止策を取り続けたので、彼の在任中アメリカは不況知らずでした。

 しかしワタシはアメリカの連邦準備議長に相当するはずの日銀総裁が、このように機敏に経済状況に対応しのは見た記憶がありません。

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 黒田総裁も就任直後には、アメリカ連邦準備理事会と同様2%のインフレ目標を掲げていました。
 それでそれに好感して株価も上がり、景気も良くなってきたわけですが、それ以降だんまりを決め込んでいます。

 今回だってそうです。

 米中貿易戦争の影響は、既に日本に及んでいるし(だから今回のGDP速報値で輸出が激減している)、メキシコ製品への関税課税だって日本企業には大きな影響があります。

 そもそもアメリカの景気は、それ自体日本にも大きな影響があるのです。

 またハードブレグジッドの影響も予想されてます。
 
 しかも日本はアメリカと違って、デフレからの脱出ができず、黒田総裁が掲げた2%インフレ目標達成さへ無期延期になっている状況です。

 状況は日本の方が余程ヤバイでしょう?

 だから日銀にアメリカ連邦準備銀行並みの機敏さがあるなら、黒田総裁の方がパウエル議長より先に、今後予想される経済悪化に対応する声明を出しているはずです。

 ところが黒田総裁は相変わらず「だんまり」を決め込んでいます。
 その癖「増税しても大丈夫」などと、本来の日銀業務とは関係ない話はちゃっかりしているのです。

 これって一体何なのでしょうか?
 日銀は何をしているんでしょうか?

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 ワタシは低学歴ですから日銀についても中学公民で習った以上の知識はありません。
 
 だから漠然と「日本は先進国だし、日本の一流企業は皆、世界の一流企業として、アメリカやヨーロッパ諸国の同業者に伍して頑張っているのだから、日銀だってアメリカ連邦準備銀行や欧州中央銀行などと同じレベルで頑張っているのだ」と思ってました。

 ところがどうやら全然違うようなのです。
 
 日銀はバブル以降の30年余続いたデフレに対して何も対応してこなかったようなのです。
 それどころかリーマンショックの後も、アジア通貨危機の後も、一切有効な政策を取ってこなかったばかりか、他国の後追いをして金融緩和をする事さへしなかったので、危機の度に日本のデフレが悪化しました。

 それ以前にワタシはそもそも日銀の政策目標なる物を聞いた事がないのです。

 例えばアメリカの連邦準備銀行の目標は「雇用の適性化」です。
 
 なるほど「雇用の適性化」が経済の中で最も重要なのは、誰が考えてもわかります。
 どんな国でも殆どの国民は勤労で生活資金を得ているのです。
 納税者の大多数もまた勤労者だし、GDPの源も全ては勤労です。

 だから勤労意欲のある人が、全て働ける状況を維持する事が、国家の経済や財政に何より重要だし、また国民個人個人の幸福でもあるのです。

 しかしながらワタシは日銀が過去、こうした目標を掲げたのを見た事がありません。

 と言うより「アメリカ連邦準備銀行の目標は雇用の適性化」と言う話を高橋洋一がしているのを見て初めて「なるほど中央銀行とはそういう物なのか・・・・。」と感動したのです。

 それじゃ日銀は一体何の為に存在するのでしょうか?

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 日本の戦後は、バブル崩壊までは総じて失業率は低い時代が続いてきました。
 だからこの頃までは、日本全体が失業率に無関心だったのはわかります。

 しかしバブル崩壊、就職氷河期となっても、日銀から「雇用」と言う話は出ていないのです。
 
 バブル崩壊、就職氷河期に至って、それまで年間2万人前後だった日本の自殺者は3万人を超えたのです。
 
 病気や内面の苦悩から自殺する人は、どんなに景気の良い時代にもいますから、毎年一定数の自殺者が出る事は避けられません。
 
 しかし病気や内面の苦悩を抱える人が、突然増えるという事はあり得ないので、この頃から自殺者が増えたのは明らかに失業など経済要因なのです。

 実はワタシの親族にも就職氷河期に大学を卒業した人がいるのですが、本当に辛い思いをしていました。 
 あれでは自殺者が続出するのは当然だと思いました。

 しかしリーマンショックの後、この就職状況が更に悪化し、非正規職の解雇が続いても、日銀は異常な金融引き締め政策を続けて円高を悪化させ続けました。

 一体彼等の政策目標は何なのでしょうか?

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 しかしこの日銀が実はバブル以降、銀行の当座預金に利息をつけていたのです。

 当座預金って元来利子はつきませんよね?
 
 それなのに銀行が日銀にお金を預けると、当座預金でも利子がつくのです。

 マジにこんな事をやっていたら銀行がマトモに仕事をするようになるわけないでしょう?
 
 一体日銀は何の為にあるのでしょうか?

 そもそも日銀総裁や審議委員と言われる人達は、どういう人達なのでしょうか?

 アメリカ連邦準備銀行理事長は、皆経済金融の専門家です。
 経済学で博士号をもっていたり、金融業のトップとして働いてきた人達です。

 ヨーロッパ中央銀行総裁で、リーマンショックに見事な金融政策で対応して「スーパー・マリオ」と呼ばれたマリオ・ドラギ総裁も経済学者です。

 ところが日銀総裁と言うのは、多くが財務省の天下り、唯の法学士で経済専門家とは程遠い人達なのです。
 
 だから日銀総裁が就任すると、部下達が金融の専門用語を使って虐めるのだと言います。
 
 勿論経済学は自然科学のように精密に確定的に因果関係を証明できる学問ではないので、学問や知識があれば正しい政策ができるとは限りません。

 でもこれじゃ他国の中央銀行に伍して金融政策を取れるわけもないでしょう?
 これじゃ他国の後追い政策だってできないでしょう?

 現在の黒田日銀総裁も、インフレ目標の達成には全く無関心ですが、増税には熱烈な関心があるようです。

 いくら何でもこんな状況では、日本の金融政策がマトモにできるわけもないのです。
 
 そして金融政策がマトモにできないのでは、先進資本主義国としてやっていけるわけもないのです。

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 一体なぜ日本は金融財政政策をちゃんとした専門家にやらせることができないのでしょうか?

 江戸時代、幕府や藩の財政・金融政策を担当する「勘定方」と言われた所に勤務する侍達は、算盤侍と呼ばれましたが、数理の専門家でした。
 
 彼等はその計数能力、数理処理能力を生かして、財政だけではなく暦の作成など、自然科学に関係する仕事もしていたのです。

 関幸和だって幕府に仕えた時の身分は勘定方吟味役です。

 ところが現在の日本では、数Ⅲも履修していない、商業簿記3級も取ってない法学士が経済金融を仕切っているのです。

 何で日本はこんなにレベルダウンして、その状態から脱出できないのでしょうか?
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2019-05-31 13:59

増税論に合理的な根拠はない 高橋洋一vs増税派・原真人

 夕べ「激論クロスファイア」の反消費税増税派・高橋洋一と増税派・原真人の議論を見ました。

  https://gyao.yahoo.co.jp/title/【BS朝日】激論%EF%BC%81クロスファイア/5ba9f427-1d4f-40a3-ad82-209f6a98c45e

 番組は5月26日に放映された物ですが、ギャオで6月2日まで見る事ができます。



 ワタシは現在増税反対派です。 
 その論拠の殆どは高橋洋一の受け売りです。

 しかし高橋洋一が絶対正しいとも限らないので、反論はできるだけ聞く事にしています。
 だから夕べもこの議論をたわけです。

 で、議論を見た結論ですが「やはり増税派には合理的根拠がない」です。

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 そもそも増税派・原真人の言っている事が、支離滅裂なのです。

 彼は日本の国債残高が1000兆円を超えて、GDPの二倍、だからハイパーインフレになる!!!と言います。
 
 一方で「アベノミックスにより、日銀が大量に国債を買い続けているにも関わらず、インフレターゲットが達成できない、だから日銀の金融緩和政策は無駄であり、止めるべき」ともいうのです。

 ??

 日銀が国債を買うという事は、国債をお金に換えるという事です。
 だから日銀による国債の大量買入れが続けば、市中に出回るお金が増えて、インフレになります。

 そしてその国債買い入れが破滅的な量になれば、インフレも破滅的になるというのは、低学歴のワタシにだってわかります。

 だから2012年にアベノミックスが始まって以降、日銀はインフレターゲットつまり年率2%のインフレを実現するために、国債を大量に買い入れて市中に出回るお金を増やそうとしてきたのです。

 ところが現在まで年率2%のインフレにはなっていません。

 この状況について、原真人は「だから日銀の国債買い入れは無駄。」と言いながら、しかしこれを続けると「ハイパーインフレになる。」と言うのです。

 これオカシイでしょう?

 ハイパーインフレになるのが心配だから日銀の国債買い入れを止めろ、言うのであればインフレが起きていない段階で国債買い入れを止める必要はないでしょう?

 これまで日銀が国債を買い入れてもインフレにならなかったのは、つまりはそれでもまだ市中に出回るお金が足りなかったからではありませんか? 
 そもそも買い入れた国債と引き換えに、渡された代金が貯金になってしまい、市中に出なかったのではないでしょうか?

 いずれにせよ現在のところ国債を日銀が国債を買い入れてもインフレターゲットを達成できていないのですから、とりあえずターゲット達成まで買入れを続けるべきでしょう?

 国債買い入れを続けたからと言って、直ぐにハイパーインフレになるわけではありません。 インフレ率が2%になるまで続けて、2%になったところで止めれよいのです。
 最初からそういう予定だったでしょう?

 高橋洋一も番組内で「インフレターゲットに達成するまで、国債の買い入れを続ければ良い。」と言っていました。
 
 それをインフレターゲット達成前に止めなければならない理由が、全然わかりません。

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 これについて彼は国債残高について、明治初年から始まる長期のグラフを出して、現在の国債発行残高とそれに至る経過が、第二次大戦直前から貯金封鎖等が行われた戦後のインフレ期までの経過と酷似している事を示して、現在の日本の財政状況がいかに危機的であり、このままいけば戦後のインフレのような状況になる言うのです。

 確かに国債発行残高のグラフは戦前から戦後までと、バブル以降から現代までと大変良く似ています。
 しかしこれも高橋洋一が番組内で反論した通り、戦争で生産力の殆どを破壊されて、国家の資産も灰塵に帰した時代と現在では状況があまりに違います。

 現在の日本は国内の生産力があり余り、世界一の債権国でありその債権から得られる金利輸入で、常に経常収支が黒字になってるのです。
 明治から敗戦までの日本とは全然状況が違うのです。 

 原真人によらず「財政赤字でハイパーインフレが~~!!!」と言う人達が持ち出すハイパーインフレや国債暴落の例って皆この手なんですよね。

 つまり敗戦直後の日本とか、第一次大戦後のドイツとか、南北戦争敗戦後の南部同盟とかです。
 こんな敗戦で国土が荒廃し、国家主権をその物を喪ったような非常時の経済の話が、現在の日本と比較になるんでしょうか?

 財政金融政策の失敗だけで、ハイパーインフレが起きるというなら、戦争をしたわけでもなく、国家主権も国内の生産力も資産も喪われてない状態で、国債が暴落し、ハイパーインフレになった国の例を挙げて貰わないと困ります。

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 そしてアベノミックスへの評価ですが、高橋洋一はインフレターゲットは達成できなかったけど、失業率が減り雇用が改善した時点で、成功だと評価しています。
 因みにインフレターゲットが達成できないのは、前回の消費税増税の為だと言います。

 ワタシも消費税増税とそして本来アベノミックスでやると言っていたはずの財政出動を殆どやらなかったからだと思っています。

 しかし原真人は、失業率が減ったのは、日本の人口減少と高齢化の進行で、労働力不足になってきたからであり、アベノミックスは失敗だったと言います。

 これについて高橋洋一は、労働力の減少は民主党政権時代以前から始まっていたけれど、しかしアベノミックス開始以前には雇用は改善していない事をグラフで示しました。
 
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 「記録的な雇用改善」はマクロ経済政策の正しさを示している
 
 これを見ると人口減少は民主党政権時代以前から始まっていたけれど、雇用の増加はアベノミックス開始以降、そしてその増加量は人口減少をはるかに上回っているのです。

 これでは人口減少だけで、雇用の改善を説明するのは不可能です。

 これに対して原真人は、「増えたのは非正規ばかり」と言います。

 ええ、非正規労働者が増えたのは確かです。
 しかし正規雇用も確実に増えています。

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 原真人は「正規雇用が減って、その仕事を非正規が数人で行うようになったので、雇用者数が増えた」と言っていました。
 
 しかし正規雇用者が減ったという事実はないのです。

 むしろ人口が減少する中、フルタイムの正規雇用で働ける人の人数が限られている為、高齢者や主婦と言った人達が非正規雇用者として働くようになったというべきでしょう?

 実はこの図の元の図録(非正規雇用者と正規雇用者の推移)に非正規雇用者の内訳や、非正規雇用を選んだ理由のグラフも示されていますが、実は非正規雇用者の圧倒的多数は主婦のパートです。
 そしてその次が高齢者です。

 だから非正規雇用者の中で正規雇用を望んでいる人は、男性で2割、女性では1割弱なのです。

 こういう状況を無視して「非正規が~!!」と言われてもね・・・・。

 それにしても原真人お粗末です。
 番組で高橋洋一が示した雇用者数の推移のグラフは、彼が他の論文でも何度も使っています。 
 ネットにも一杯出ています。

 原真人は番組に出演する前に、高橋洋一の論文をチェックしてなかったのでしょうか?

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 雇用について言及したらこのグラフが出る事は自明なのだから、反論の為の資料を自分でも用意しておくべきだと思うんですけどね。
 
 それでも原真人はアベノミックスは失敗、日銀の金融緩和は止め、消費税を増税するべきと言うのです。

 「増税しないと日本経済が破綻する」と言うのです。

 それじゃ破綻の確率は?

 それはわからない・・・・・。
 確率として考えていない。

 と言うのが原真人の答えです。

 一方、高橋洋一は5年以内の破綻の確率を計算して5年以内では1%未満と言います。
 これには国債暴落の保険料の算定にもかかわるので、全世界の国債暴落のリスクを算定する方法が確立しているのです。

 国債を持っている人は、国債が暴落すると大損害を被りますから、その損害に対応する保険があります。 その保険料は国債が暴落する確率で決まるのです。
 それでその暴落が起きる確率を計算する方法があるのです。

 この方法で計算して日本の国債が暴落する確率は、5年以内に1%未満と言うのです。

 これは世界中の他の国の国債の暴落確率と比べても最低レベルなのです。
 だから日本国債の暴落保険の保険料は最低レベルなのです。

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 それでは原真人の言う財政破綻とは?
 また財政破綻する、国債が暴落するという話は、一体いつ起きるどのような事を想定しているのでしょうか?

 しかし彼は暴落が起きるとは言うのですが、その確率もまた暴落が起きる時期も全く示しません。
 そもそもそういう数理的を全く考えていないのでしょう。

 だから期間も区切らず、確率も言わないで「いずれ破綻する。 だから増税しろ」と言うのです。

 しかしこれは、降水確率10%未満の快晴の日に、「豪雨になるかもしれにから外出を控えろ」と言うのと同じです。
 
 そりゃ豪雨だっていつかは降るでしょう。
 でも降るかわからない豪雨に備えて外出を控え続けるのですか?

 因みに3年以内に東南海地震が起きる確率は、10%です。
 そして日本国債が暴落確率は5年以内に1%未満です。
 
 だったら今やるべきことは、増税なんかでは耐震化工事などの防災対策であり、その為には国債を発行して国家予算を出すべきでしょう?

 地震が起きれば国家の生産力は減少し、税収も減り、財政は確実に悪化します。
 だったら財政をよくするためにもまず必要なのは、地震被害を軽減するための政策なのです。

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 前記のようにワタシは増税派の意見を知りたくてこの番組を見たのですが、最後まで見ても出てきたのは、今まで散々論破されてきた話だけでした。

 増税派は国債残高だけを見て、とにかく増税しなければ破綻するというだけで、その国債残高と
国家資産のバランスも理解できていません。
 
 しかも現実の世界では日本国債の信用度は非常に高い=日本国債が暴落すると考える人は皆無であるため、超低金利なのです。
 
 それでも何でも増税しなければ国家破綻するというのは、もう唯の欲張り婆さんの金銭感覚でしょう?

 でも財務省の官僚だって同レベルだから、ひたすら増税を推進しているのです。
 だって連中も唯の法学士で、財政や金融の専門家ではありません。
 商業簿記3級も持ってないので、帳簿の見方もわかりません。

 そういう連中だから債務と資産のバランスも理解できずに「国の借金が~~!!」と喚き続けているのです。
 
 こんな連中の話に乗って増税を推進するのがナンセンスなのは自明ですが、しかしそれだけでなくこんな連中に財政を任せるのもいい加減にやめるべきでしょう?


 オマケ

 非正規雇用者の増加と、時給に関する分析が面白いです。

 去年あんなにサンプル入れ替えの実質賃金はインチキだって言ってたのに
  1. お金の話
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2019-05-26 15:24

銀行と財務省は降り込め詐欺とグル 極悪非道の財務省

 銀行と財務省は振り込め詐欺とグルです。
 なぜなら財務省と銀行は示し合わせて、振り込め詐欺の最終兵器と言うべき、個人向け国債の存在を殆ど国民から隠蔽しているからです。

 何で個人向け国債が振り込め詐欺撃退の最終兵器になるのか?
 
 それは個人向け国債の場合、解約を申し込んでも、実際にお金を降ろせるのが、4営業日以降になるからです。

 4営業日と言うのは、土日や祭日など金融機関が休業している日を除いて、4日と言う意味です。
 だから例えば祭日の全くない週の月曜日に解約を申し出ても、その週の金曜日にならないと、お金は降ろせません。
 そして火曜日に解約を申し出た場合は、土日を抜いて、翌週の月曜まで降ろせない事になります。
 間に祭日が入るとこれが更に遅れます。

 これだと振り込め詐欺の電話でパニックになっても、どうしようもありません。
 直ぐに国債の解約を申し出ても、実際にお金を降ろすまでの間に、被害者が冷静を取り戻す、或いは不安に耐えかねて家族に電話で確認する事になります。

 だから振り込め詐欺のターゲットにされやすい人は、不急不要のお金、老後資金など将来の為に用意している纏まったお金は、個人向け国債にしてしまうのが、一番安全なのです。

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 個人向け国債は1万円から買えて、最初に買ってから一年経てば、1万円単位でいつでも解約できます。
 金利は2年物でも10年物でも、銀行より遥かに良いです。

 そして日本国が崩壊しない限り、全額完全に元本が保証されます。
 逆に言えば国債が暴落するような事態になれば、日本円が紙くずになりますから、銀行預金も、また現金も無価値になります。

 国債は銀行や郵便局でも買う事ができます。
 だから現在貯金をしている銀行に行って、銀行預金の内、向こう一年に必要な分を除いて「個人向け国債を買います。」と言えばよいのです。

 金融機関によっては、百万円個人向け国債を買うと、2000円ぐらいのキャッシュバックをくれるところがあります。 マジにこれだけでも銀行預金より美味しいです。

 そして一年過ぎたら、その都度必要な額だけ、解約していけば良いのです。
 解約は簡単です。
 例えば3万円解約したいなら、国債を買った銀行に電話して「〇〇ですが、国債を3万円解約してください。」とか言えば終わりです。

 すると4営業日後にその3万円が、自分の講座に振り込まれます。 

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 こうしておけば振り込め詐欺に騙されても、最悪でも喪うのは銀行の預金口座に置いている分だけで済みます。

 またキャッシュカードからお金を抜かれる、所謂スキミングの被害に遭っても、或いは通帳を盗まれて貯金を下ろされても、やはり喪うのは貯金口座に入っている分だけで済むのです。

 災害等にあって通帳やカードが亡くなっても関係ありません。
 本人確認ができれば、所有を確認できるし、解約も簡単にできます。

 勿論、お金は欲しい時直ぐに降ろせた方が便利には違いありません。 
 でも現実の日常生活で、年金暮らしの老人や、サラリーマン家庭が、持っている貯金全部を直ぐに降ろさなければならない事など、まずありえないでしょう?

 現実の経済活動では、どんなに緊急な場合でも、支払いを4営業日まってくれないという事は、あり得ないのです。

 ところでこんなにも安全で高金利で、しかも犯罪に対しても最強と言う個人向け国債を持っている国民は殆どいないのです。

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 これ酷いでしょう? 

財務省の資料によると、'18年12月末の国債等の保有者別内訳は、日本銀行43%、銀行等16・7%、生損保等18・8%、海外12・1%となっていて、家計はわずか1・2%である。

 現在、銀行が国債の16.7%を持っています。 

 銀行が国債をもって何をしているか知ってますか?

 コイツラ、一般預金者から集めた預金で、国債を買ってその金利をゲットしているのです。 国債の金利は一般預金者の定期預金より遥かに高いので、その利ザヤを抜いて稼いでいるのです。

 前記のように国債は日本国が崩壊でもしない限り絶対的に元本保証です。
 だから全くリスクなしで、金利を稼いでいるのです。

 これは本来の銀行業務ではありません。

 でもそんな商売を延々と続けてこられたのは、財務省も銀行もグルになって、一般国民に個人向け国債の存在を隠蔽してきたからです。
 
 個人向け国債の存在を殆ど宣伝しないので、個人向け国債の存在を知らない人が殆どなのです。

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 何でそんなことをするの?
 財務省は国債が売れたら困るの?

 だって一般預金者が銀行預金をやめて、個人向け国債に代えたら、銀行は預金で国債を買って利ザヤを取るという極楽商売ができなくなります。

 銀行は財務官僚の大好きな天下り先なのです。

 だから皆で銀行の稼ぎを守る為に、個人向け国債の存在をできるだけ隠しておこうとしているのです。
 その為にお年寄りが振り込め詐欺の餌食になって、路頭に迷おうとも知らん顔です。

 逆に言えば振り込め詐欺は、こうした財務省と銀行のお陰でビジネスが続けられるのです。

 当に極悪非道の財務省なのです。

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 真面目に言うけど、こういう問題一つとっても、財務省が一体どこを向いて仕事をしているのか、非常に疑問なのです。

 ついでに言うと、日銀だってグルでしょう?
 
 アメリカの連邦準備銀行は雇用の適性化を目標に仕事をしています。

 一般国民の殆どは勤労で生活するのですから、常に働く所があり、失業の心配がないというのは、国家の経済で最も重要な事だというのはわかります。

 それでは日銀は一体何を目標にしているのでしょうか?
 
 就職氷河期が続き、日本の若者達が就職できず苦しみ続けた時、日銀は何をしていたのでしょうか?
 
 でも同じ時期日銀が一般の銀行が日銀に持っている当座預金に利子をつけていたのです。
 そして今もまだその利子はついているのです。

 当座預金に利子?

 あり得ないですよね?
 でも不況で銀行が困っているというので、日銀はこのような形で銀行を支援していたのです。
 
 だって銀行は日銀の天下り先でもあるのです。

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 そして今も日銀・財務省はタグを組んで、銀行を守ろうと頑張っています。

 でも一般勤労者を守る意思はないのです。

 ワタシ達国民は、これまで財務省も日銀も、優秀な専門家が日本経済と財政の為に頑張っていると信じてきたのですが、実は違います。

 そもそも財務省も日銀総裁も、只の法学士で経済・財政・金融の専門家ではありません。
 個人商店でも気の利いた所は、経理を仕切るのは、商業高校卒で商業簿記3級ぐらいは持っている人ですが、日銀と財務省は違います。

 複式簿記の存在すらよく知らない、オジサン達が唯先代、先々代の担当者がやっていた事をそのまま続けているというお粗末さなのです。
 だって東大法学部では商業簿記を教えてくれないから、仕方ありません。

 だから国民そっちのけで訳の分からない事を続け、日本経済を疲弊させ、振り込め詐欺に協力しながら、自分達の天下り先の確保だけはシッカリ頑張るという状態なのです。

 ワタシはこれこそが、平成の30年間の日本経済停滞の根源だったと思うのです。 
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