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2023-11-29 13:26

ハマスのプロパガンダ 子供の四肢切断900件?

 昨日、イスラエルのプロパガンダが超下手糞だと言う話をしたら今朝、こんなニュースが出ていました。

11月28日 CNN

(CNN) 英国系パレスチナ人の外科医で、パレスチナ自治区ガザ地区で患者の治療に携わったガッサン・アブシッタ氏は、10月7日にイスラム組織ハマスがイスラエルに対して攻撃を行って以降、四肢を切断された子どもの数が推計で700~900人にのぼると述べた。
アブシッタ氏は、数週間をガザの病院で過ごした後、最近になって英ロンドンに戻っていた。アブシッタ氏はロンドンで行われた記者会見で、麻酔薬や基本的な医薬品もない状態で、子どもたちの手術を行ったと振り返った。

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アブシッタ氏は「私の推計では、四肢を切断された子どもは現在、700人から900人いる。中には、複数の手足を切断された子どももいる」と述べた。

CNNはこうした推計について独自に確認ができていない。

アブシッタ氏は、他の人たちを残して来たことについて罪悪感を抱いていると述べた。アブシッタ氏がガザを離れた後、複数の医療関係者が死亡したという。

アブシッタ氏はまた、ガザで最大規模のシファ病院の下にハマスの司令部があるというイスラエル軍の主張を否定した。

アブシッタ氏は「私は2009年以来、戦争のたびにシファで断続的に働いてきた」と述べた。アブシッタ氏によれば、14年には赤十字国際委員会から、イスラエル軍がシファ病院を爆撃すると脅迫しているとの情報が寄せられたという。

アブシッタ氏は、シファ病院について、典型的な、かろうじて機能している第三世界の政府系の病院以外の何かがあるといった兆候を目撃したことは一度もなかったと述べた。

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 イスラエル軍のガザ攻撃で最大900人の子供が四肢切断をするような怪我をした・・・・・。
 本当なら酷い話です。

 しかしこのアブシッダ医師がどのようにしてこの人数を推定したのかわかりません。 
 ガザ地区は世界でも最も出生率の高い地区なので、居住者の中の子供の割合が非常に高くなります。   そのガザ地区から多数の怪我人が出るような事態になれば、その怪我人の中に子供の割合も高くなるの事は想像できます。

 しかし子供ばかりが怪我をするわけじゃないでしょうから、大人の四肢切断手術だって多数行われているはずです。 つまり四肢切断手術だけで大人子供あわせて数千人行われたはずです。
 で、凄く不思議なのですが、この短期間でそれだけの手術が行える物でしょうか?
 これほどの怪我人が出る戦闘の中で、これだけの手術を行っただけでなく、凡そであれその数を集計できるのでしょうか?

 ワタシはこの数自体、非常に疑問です。

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 しかしそれ以前にもっと根源的な疑問があります。
 この数が事実だったとして、責任はイスラエル軍ではなくハマスにあるはずです。
 だからこの話がホントなら非難されるべきはハマスであってイスラエル軍ではないはずなのです。

 なぜならガザ地区は2007年からハマスの支配下にあります。
 ハマスは2007年以降、パレスチナ自治政府からガザ地区の行政権を奪い、ハマスこそがガザ地区の正当な統治機構だと公言してきたのです。
 実際、ハマスは外部からガザ地区に入る物資に関税をかけたり、ガザ地区の警察権を行使したり、その他の行政サービスの一部を司っています。
 「ハマスは単なるテロ組織ではない。 ハマスは福祉団体や政党など面を持っている。」と言うイスラム研究者・中東専門家がいるのはこのためです。

 しかしそれならガザ地区の住民の安全を守る義務は一義的にハマスにあるのです。
 自国が敵の攻撃を受けた時に、自国民を守る義務があるのは自国民の政府・軍隊なのです。

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 例えば日本の戦後教育では、旧日本軍は悪の権化とされていますが、これは戦後教育では太平洋戦争を始めたのが日本軍であるとされていると共に、その戦争で日本軍が国民を守らなかったと言う事になっているからです。
 満州や沖縄では、日本軍は国民を見捨てたから許せないと言う事になっているのです。
 戦後教育では太平洋戦争の日本国民の犠牲は全て日本軍が国民保護の義務を果たさなかったからであって、アメリカのせいではない事になっています。

 実際ハマスには国民保護の義務があります。
 だからイスラエルのガザ攻撃でガザの子供達が大勢犠牲になっていると言うなら、その責任は全部ハマスにあるのです。

 イスラエルはガザ攻撃の前に避難地区を設置し、住民に避難を呼びかけました。
 そして避難するのに十分な時間を空けた後に攻撃を開始しました。
 本来であればハマス側がこの期間中に、住民をイスラエル側が設置した避難地区へ誘導するべきだったのです。
 また病院など避難不能な人達がいる施設は、国連など第三者機関の管理に任せて、完全な中立地帯として戦闘を避ける措置を取るべきでした。
 
 更にハマスはガザ地区全体に500キロとも1000キロとも言われる地下道を掘っていました。 
 本来ならハマスは、避難不能な人達、避難が遅れた人達を、地下道に退避させて、地下道にいるのは非戦闘員であることをイスラエル側に明示するべきだったのです。

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 ハマスにはこのようにして非戦闘員の安全を確保する義務があったのです。
 イスラエル軍のガザ攻撃は10月7日のハマスの大規模テロが原因で起きた事です。
 こんなテロをやればイスラエル側が大規模な報復攻撃を行う事は自明でした。 そしてイスラエル側はガザ攻撃の前に、攻撃を予告し、非戦闘員の退避を促しているのです。

 だったらハマス側もイスラエル軍の攻撃に備えてまずやるべき事は、非戦闘員の退避のはずです。
 イスラエル側が事前に非戦闘員の退避を勧告し、必要な時間も与えているのですから、それでも大量に非戦闘員の死者が多数出たと言うなら、それはハマス側の責任と言うしかありません。

 しかしハマス側が住民の避難を助けた形跡は一切ないのです。 それどころか避難路に爆弾を仕掛けて避難中の自動車を吹き飛ばすとか、避難する住民を狙撃するなどしています。

 ところが戦闘開始以降、ハマスは繰り返し「子供が死んだ!! イスラエルが悪い!!」と言い続けているのです。
 しかも明らかに犠牲者数を実際の数十倍に膨らませている節があります。
 これがハマスのプロパガンダなのです。

 ワタシはこう言うのを見ると、白けるばかりです。
 しかし世の中にはまんまとこれに乗せられて「イスラエルが悪い!!」と喚いている人も沢山います。
 何でこんなことになるのでしょうか?

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 これはこうしたプロパガンダでは、事実関係を論理的に説明して理性に訴えるより、悲惨な写真や動画をアップして感情を煽る事の方が有効だからでしょう。
 豊かな感性を持つ人達は、子供の死体や無残な手術跡など悲惨写真や動画を見せられると、その動画や写真で思考が停止していまうのです。
 それで何でこんな風に子供が死んだり、四肢を切断する嵌めになったのかを理性的に考えるより、こんな写真や動画を示して「イスラエルが悪い」と叫ぶ人間に同調してしまうのです。

 更に言えば、日本人は勿論、世界の大多数の人達にとって、中東と言う地域はよくわかりません。 日常生活で中東を考える機会など皆無なので関心の持ちようもないのです。 だからハマスとガザ地区の関係は勿論、ガザ地区の意味も分かりません。
 だからテレビや新聞の解説も適当に聞き流すだけです。
 
 このような状況で、血だらけの子供の写真など見せられて、子供の親と称する人物が「イスラエルが悪い」と叫べば「そうかイスラエルは悪いんだ。」と思ってしまうのです。

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 ハマスはこうした人間の本性を直感的に理解しており、自分の責任を見事にイスラエル軍に転嫁して、被害者ポジションを取っているのです。
 それにガザ地区は子供の8割が栄養不良と言う貧困状態です。
 ガザの人達がカワイソウなのは事実なのです。

 一方イスラエルは堂々たる先進国で、民主主義国家で、高所得で、人口1000万に満たない小国なのに世界軍事力ランキング18位と言う強国です。 因みにロシアのウクライナ侵略戦争が始まる前のウクライナはランキング22位ですから、イスラエルの強国ぶりが際立ちます。
 これは全てイスラエル人の努力の賜物ですが、しかし人間は元来妬み深い狭量な生物なので、本人の努力の結果であっても、成功してリッチに暮らす奴になんか同情しないのです。

 そこでハマスは臆面もなく自分達の責任を放棄して、それどころか女性や子供を人間の盾として利用しながら、犠牲者数をモリモリにして「イスラエルが悪い!!」と喚き続けるのです。

 これはプロパガンダの手法としては高度とは思えません。 
 唯々下劣で恥知らずな方法です。
 けれどもハマスはその下劣を恥じないので、堂々とこの手法を使うのです。
 そしてそもそもパレスチナ問題の現実、中東の現実に殆ど興味のない人々にはそれなりに有効です。
 だからこの方法を使い続けいるのでしょう。

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 しかし大変奇妙な事に、多くの報道機関、そして中東専門家或いは国際政治学者が、この下劣で恥知らずなプロパガンダを手伝っています。
 上記のCNNの記事でも、ただ多数の子供が四肢を喪ったと言うパレスチナ系英国人医師の意見を報道するだけです。
 本来ならこのような場合、「子供達はなぜ怪我をしたのか? ハマスはなぜ子供達を安全な場所に避難させなかったのか?」と突っ込むべきではありませんか?

 さらに言えばハマスは元々「女性や子供は大義の為に差し出す」と公言していました。 彼等は前々から女性や子供を人間の盾に使ってきたのです。 そしてこれを公言していたのです。
 中東専門家、国際政治学の専門家は当然皆これを知っていたはずです。
 ところが彼等は揃ってこの点を問題にしてこなかったのです。
 
 中東研究者である飯山陽博士は、こうした報道機関や中東研究者の姿勢を「イスラム左翼主義」からだと説明しています。
 つまり報道機関や人文科学者全体に、イスラム過激派が共産主義に代わって革命を起こしてくれると言う願望を抱いており、その為イスラム研究者もマスコミもイスラム過激派の悪事を隠蔽しようとしていると言うのです。

 ハマスはこのイスラム左翼主義に便乗して、ひたすら「虐げられた憐れな被害者」を演じ、イスラエルを「アメリカの分身、よって悪の権化」と叫び続けると言う訳です。

 こうなるとハマスのプロパガンダと言うよりも、欧米や日本の人文科学者や報道機関の自発的プロパガンダであり、ハマスはこれに便乗しているだけと言うべきでしょう。

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 けれどもワタシはこんなプロパガンダに乗せられてはならないと思います。
 確かにガザ住民はカワイソウです。
 でもガザ住民をカワイソウな状態にしているのは、ハマスだからです。 ハマスがガザを実行支配して以降、ハマスはひたすらガザ住民を搾取して、貧困化させています。
 そしてイスラエルにテロを行い、反撃されたら住民、女性や子供を人間の盾として使い、自分達は地下道に逃亡しているのです。
 
 だからこんなハマスのプロパガンダに乗せられて「ガザの子供達カワイソウ!! イスラエルが悪い」なんて言ってはイケナイのです。
 だってこうやってハマスのプロパガンダに乗る人達がいる限り、ハマスもハマスの同類のテロ組織も生き延びるのです。
 そして彼等はテロを続け、無辜の人々を殺し続け、ガザの住民を搾取し続け、人間の盾として使い続けるのですから。
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2023-11-25 13:38

ヒトラーの怨霊に憑依されたの? 篠田英明教授

 篠田英明東京外国語大学教授はイスラエル軍のアル・シファ病院攻撃についてこんなツィートをしています。

国際政治学者の篠田英朗 Hideaki SHINODA大先生

すでに私が書いたように、これだけ批判されるとイスラエル政府も追加で小出しに何らかの「動画」を出し続けることは織り込み済。 しかし彼らの病院攻撃の正当化は「病院地下の司令部」であった。事前にそれを確証するのが当然なので、すでにその点で、大きな疑念。


 攻撃をする前にイスラエル軍に証拠を出せと言うのです。

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 今回のアル・シファ病院攻撃については国際法が問題になっているのですが、篠田教授の論法だと国際法どころか日本国内の警察の強制捜査だってやってはイケナイ事になります。

 1995年3月22日、警視庁は上九一色村にあったオウム真理教のサティアンの強制捜査を行い、教祖麻原彰晃始めオウム真理教幹部を多数逮捕しました。
 地下鉄サリン事件の二日後です。

 地下鉄サリン事件からたった二日しか経っていないのですから、警視庁はこの時点ではまだ地下鉄サリン事件がオウムの犯行だったと言う確定証拠は握っていません。 
 しかし警察の強制捜査には裁判所の許可が必要です でも裁判所の許可は証拠はなくても、強制捜査をする事で証拠が得られる可能性があれば出るのです。

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 実際、地下鉄サリン事件や長野サリン事件などオウムが起こしたテロの証拠が出てきたのは、この強制捜査の後です。
 この強制捜査でサリン製造に使われた実験室や機材や、その作業日誌などの物証が発見されて、それが後の裁判で証拠として使われたのです。
 因みに警察がこれらの証拠を全て揃えるには結構な日にちがかかりました。 何しろ実験機材だけでも膨大な量であり、専門家の鑑定も必要だったからです。

 つまり裁判所への申請と許可と言うプロセスを除けば、イスラエル軍のアル・シファ病院攻撃は、警視庁のオウムの強制捜査と同じ手順なのです。

 しかし篠田教授のイスラエル非難の理論だと、警視庁は上九一色村のサティアンの強制捜査に入る前に、サリン製造の証拠を出しておくべきだったという事になります。
 強制捜査の前に証拠を出せなんて言われたら、警察はオウムはおろか、一般的な犯罪を殆ど摘発できなくなります。

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 因みに国際法は戦場の法であり、そもそも敵対する国や組織双方に対して強権を発動できる警察や検察が存在しない事を前提に作られています。
 そして戦争を防ぐ事はできない事を前提に、その戦争をより悲惨にさせない為に作られているのです。 
 だから一方が病院内に軍事拠点を作るような国際法違反をした場合、もう一方だけがその違法行為の完全証明を求めた上でなければ攻撃を禁止するなどと非現実的な構造にはなっていません。

 篠田教授は中東の専門家ではないけれど、国際政治学者であり、その立場から日本国憲法についての著書もあります。 
 だから国際法についても一応の見識はあると思ったら、国内法で考えても頓珍漢な事を言っているのです。
 一体この人は何でここまでハマスに肩入れし、イスラエルを憎悪しているんでしょうね?

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  そして不可解なのは、アル・シファ病院地下から武器やハマスの戦闘員が居た証拠が出てきても尚「司令部ではない」と言う人達です。
 ワタシは軍オタじゃないので、一体何が出たら「司令部」だと言えるのかわかりません。
 
 国際法でもジュネーブ条約でも、病院攻撃は禁じられていますが、しかし同様に病院を軍事的に利用する事も禁じられています。
 病院を「司令部」として利用しなくても、病院から敵を砲撃したり狙撃したりする事なども禁じられているのです。 そして軍事利用されている病院を攻撃する事は合法です。
 
 アル・シファ病院の地下では武器や弾薬が大量に見つかり、人質が連れ込まれた事が映像で確認されて、また本来ハマスの幹部しか決行を知らなかったはずの10月7日のテロの為に作られた手書きカレンダーも見つかっています。
 これだけ揃えばここはハマスのテロ実行犯が使用していた空間であり、ハマスが軍事利用していた言う事の証明にはなるでしょう?
 だったら攻撃しても全然構わないのではありませんか?

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 因みにハマスは所詮テロ組織であって、今回のテロでも航空戦力はパラグライダー、地上戦力には重火器はなく、イスラエルの設置した壁を壊すのにはブルドーザーを使っていました。 これでは司令部と言っても米軍や自衛隊が持っているような大規模で最新鋭の機器をそろえた設備などあるとも思えません。
 
 だから武器や弾薬が大量に備蓄されており、戦闘員や戦闘を指揮した人間達がいた場所であり、人質を監禁していた可能性もあるなら、これはハマスにとって重要な場所、司令部と考えて良いのではないですか?
 そしてそういう場所は間違いなく軍事拠点ですから、攻撃されても文句を言えないはずです。

 篠田教授等はハマスの司令部には、米軍の司令部みたいな設備があるとおもっているんでしょうか?
 司令部以外の軍事拠点は攻撃してはイケナイと思っているんでしょうか?

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 今回のガザ攻撃について、イスラエル軍憎悪派の言い分を聞いていると、そもそもこれが危険なテロリストとの戦争状態である事を脳内から完全に削除しちゃったんじゃないかと思ってしまいます。
 そしてその危険なテロリスト達は、ガザ住民を人間の盾として使っている事も綺麗に無視しています。
 
 危険なテロ組織を放置したらまた同様のテロを起こす。
 だから一刻も早くテロリストは殲滅しなけれならない。
 
 それでもイスラエル政府は攻撃までにかなりの時間を置き、その間に非戦闘員が退避するように促したのです。
 そして戦闘が始まてからも、危険な戦闘中で病院への燃料補給のような人道支援も続けています。

 ところが篠田教授等は、こうした事実を完全に無視して、ハマスを擁護し、イスラエルを非難し続けるのです。
 マジにこの人、イスラエルに何の恨みがあるんでしょうね?
 それともヒトラーの怨霊にでも憑りつかれたのでしょうか?
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2023-11-23 12:02

アル・シファ病院はハマスの本部なのか?

 ガザ地区のアル・シファ病院にハマスの本部があったか?否か?が問題になっています。
 この件について、倉山満が国際法の立場から簡単な解説をしていました。 



専門家の国際法無理解 病院が軍事施設でない証明義務はハマスにある 憲政史家倉山満【チャンネルくらら】

 倉山満と言う人は、かなりエキセントリックな一面があるので、ワタシはあまり好きじゃないのですが、しかし一応「憲政史家」です。
 で、国際法でも学術論文を書いたそうです。

 そしてこの短い動画を見る限り国際法では「病院が軍事施設でない証明義務はハマスにある」との事です。
 そうですね。 
 常識的に考えると、ハマスがガザの統治機構であるなら、ガザ市民を守る義務があるわけです。
 だからイスラエルの攻撃からアル・シファ病院の入院患者や医師・看護師を守る義務があるのはハマスです。 そしてハマスが軍事的にアル・シファ病院を守れないなら、ハマス側がアル・シファ病院に本部がない事の証明をするべきなのです。

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 無い事の証明って悪魔の証明では?
 でもアル・シファ病院がハマスではない事の証明は、数学の証明のように絶対的な真理の証明ではないのです。
 とりあえずアル・シファ病院にアメリカなど、イスラエルの友好国の関係者を入れて家探しでもしてもらえば済む話です。
 ハマス側に入院患者や職員を守る意思があるなら、ハマス側が申し出て、米軍でも英軍でもイスラエル側が信用できる軍関係者に家探ししてもらいますよね。
 それで家探しをした米軍や英軍が「イスラエルさん、うちらも一生懸命さがしたけど、ハマスの本部なんかなかったよ。」と言えば、イスラエルだって攻撃しないのです。

 またアル・シファ病院側も入院患者や職員を守りたいなら、イスラエル軍に病院を解放して、内部を自由に家探ししてもらうべきなのです。
 イスラエル側も別に入院患者や職員に危害を加える意志がないのは明らかなのですから。

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 ところが今回、イスラエルを非難している人達は、ひたすらイスラエルの側にだけ証明を求めています。
 
 例えばイスラエル側はアル・シファ病院に人質が連行される映像を二つ発表しました。 おそらくアル・シファ病院の防犯カメラの映像でしょう。
 一つは健康な男性が半裸で、数名の男に羽交い絞めにされながら、引きずられていく映像です。
 もう一つは片手と片足から血を流している男性が、ストレッチャーに乗せられて運び込まれる映像です。

 これについて軍事ブロガーとして名高いJFSさんは「人質が病気になったら病院に運んだだけと言われたら終わり」と言いました。
 確かに血を流してストレッチャーに乗せられている人の場合は、「人質が怪我をしたから病院に運び込んだ」と言えますが、しかしは怪我もしてない男性を羽交い数名で絞めした映像を「病気治療の為」と言うは無理でしょう?
 勿論、病気治療でも嫌がって抵抗する場合はあるでしょうが。

 しかしこのような基準での証明を求めるなら、イスラエル側だけでなくハマス側やアル・シファ病院側にもその証明について相応の協力を求めるべきではありませんか?

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 因みにアル・シファ病院がハマスに使われていたことは、実はアムネスティも前々から指摘して報告書を出しています。 
 ハマスはアル・シファ病院の使われていない診察室で、パレスチナ人を拷問していたというのです。
 ワタシの感覚では、こちらの方が怖いです。
 病院の診察室で日常的に拷問が行われているって、あまりと言えばあまりに悍ましいです。
 だって使われていない診察室と言っても、診察室なら一般職員が近くを歩き回ったりできるのです。 そういう場所で平然と拷問をしていたという事は、病院の職員全部がハマスとグルだったと言う事でしょう?
 病院職員が自分の病院で拷問が行われいる事を知っていて、黙っていたとは・・・・・。

 そう言えばイスラエルのガザ攻撃が始まった直後の10月17日、やはりガザにある病院が空爆されて500人が死亡と言うニュースがでました。
 この時はこの病院の院長と言う男性が記者会見をして「500人死亡」と言っていました。
 しかし結局、「空爆」されたのは病院の駐車場。 
 「空爆」はハマスとは別のテロ組織イスラム聖戦機構が、イスラエルを狙ったロケット砲のロケットが不具合を起こして病院の駐車場に落ちた物でした。

 勿論、それでも駐車場の車が何台もまる焼けになっていたので、車の中にいた人は焼死したでしょう。 しかし病院の建物本体は無傷で、駐車場に近い病棟のガラスが割れた程度でした。
 それではあの「院長」はなぜ「500人死亡」などと言ったのでしょうか?
 あの「院長」が本物なら、ガザ地区の病院関係者とハマスの関係はどうなっているのでしょうか?

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 これは別にガザ地区の病院関係者が全部ハマスとグルだと言っているのではありません。 
 ハマスは元来凶悪なテロ組織です。 ガザ地区は2007年からこのテロ組織に実行支配されているのです。 ハマスはこの時、パレスチナの警察権や徴税権も握りました。
 その為、エジプトなど外部からガザ地区に輸入される食糧等には、高額の関税をかけていますし、このようなハマスの政策に憤ったガザ住民を徹底的に弾圧しているのです。
 こういうテロ組織の支配下では、公然とハマスに逆らえる人はいないでしょう。

 ガザ市民の「世論」はこの状態で作られているのです。
 そしてハマスはこれまでも学校や病院から、イスラエルに向けてロケット砲やミサイルを撃ち込み、報復されると「イスラエルは学校や病院を攻撃した」と宣伝してきました。 
 イスラエル側はこれまで報復攻撃をする前に、ビラやゴム弾で「これから本物の爆弾を撃ち込むから非戦闘員は退避するように」と警告してきたのですが、それでも子供が死んだりしたのは、ハマス側が退避を阻止していたからです。

 こういう現実はハマスの実効支配が始まって以来15~16年も続いていており、アムネスティその他の人権機関も問題にしてきました。
 ところがイスラエル軍のガザ攻撃の報道やそれに反応する人々の脳内では、その現実を綺麗にネグレクトされているようです。

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 そもそもそんなに一般市民の犠牲が問題だと言うなら、一番非難されるべきはハマスです。
 ハマスが人質を全部解放して、ハマス全員がイスラエルに降伏したら、この攻撃はなかったのです。
 
 ハマスには最初からイスラエル軍と戦って勝つ能力はありません。 
 ハマスがテロをやれば、イスラエル軍は必ず報復してきました。
 だったらこんなテロをやれば、ハマスが降伏しない限り、ハマスの立て籠るガザが攻撃されて、ボコボコになるのは必定です。

 それでもハマス側がガザ市民を退避させた上で、玉砕覚悟で戦うならまだ同情できますが、コイツラは何と市民の避難を妨害した上で、地上で爆撃に晒し、自分達は地下に逃げ込んでいるのです。

 こういう連中にシンパシーを持つ人間ってなですか?

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 ワタシは個人的には、アル・シファ病院の地下が、ハマスの本部だったかどうかはわかりません。
 そもそもワタシは軍オタでもないので、どんな機能や設備があれば「本部」と言えるのか?もわかりません。
 幹部がいるところが本部だとしても、ハマスの大幹部はみんなトルコやカタールの高級ホテルで暮らしているのですから、ガザにいるのは全部「雑魚」です。 その「雑魚」の中のどのランクの「雑魚」がいっれば「本部」と言えるのかもわかりません。

 但しハマスの関係者がいた事は間違いないと思っています。
 イスラエル軍が病院地下に突入した直後に、手書きのカレンダーを発見しました。 
 そのカレンダーにはアラビア語で三週間程の日付と曜日が書かれていたのですが、その日付の上に「アル・アクサー洪水の作戦」と書かれていました。
 この「アル・アクサー洪水の作戦」と言うのは10月7日のテロのハマス側の呼び方なのです。
 そしてカレンダーは10月7日の数日前の日付から始まり、二週間程後までの日付に✖印が書かれています。

 つまりこのカレンダーはテロの決行の為に作られたカレンダーなのです。 地下にいた人物達はテロ決行の為にカレンダーを作り、一日が終わる度に✖印をつけて行ったのです。
 つまりこの病院の地下にいた人物達は、テロ決行について日付等を知っていたのです。 
 一方、このテロの準備にはハマス内でも完全な秘密が守られていたため、イスラエル側は一切兆候をつかむ事ができませんでした。 

 つまりハマス内でもこの作戦の決行は、一部の幹部にしか知らされていなかったという事になります。
 と、言う事はアル・シファ病院の地下で、手書きカレンダーを作って使用した人間達は、テロの実行犯の中でも上級幹部だったと言う事です。
 アル・シファ病院の地下がハマスの本部だったかどうかはわりませんが、彼等にとって安全で居心地の良い場所だったと言う事でしょう。

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 倉山満が動画の中で言う通り、今回のガザ攻撃については専門家と言える人が狂乱しています。 この専門家って国際外国大学の篠田英明教授でしょうね。
 この人は「自衛権」と言う問題から憲法9条について、世界の常識的な解釈を述べているので、ワタシもマトモな人だと思っていました。
 しかしその篠田教授がイスラエルのガザ攻撃を「快楽殺人」などと言い出したのですが、ホント狂いだしたとしか思えません。

 因み篠田教授がこんな風に狂った原因は「パレスチナ人カワイソウ」のようです。
 完全武装のイスラエル軍がハマスを攻撃するのを見て、「無抵抗なハマスカワイソウ」と感じている人達も沢山いるようです。 
 篠田教授もこの仲間でしょうね。
 
 でもイスラエル軍の装備って、自衛隊や米軍など先進国の軍隊のスワット部隊の装備と同じでしょう?
 自国軍の兵士を守りる為に必要な装備を付けているだけです。
 テロリストとの戦闘にこのような装備をしていたら「パレスチナ人カワイソウ」と言われても困ります。 
 何よりハマスはガザの一般住民ではなく、ガザ住民を武力で支配しているテロ組織なのです。
 篠田教授はそもそもそれを理解してないようです。 
 なんだかなあ・・・・。 
 これじゃOSO18の駆除を非難する馬鹿と同じではありませんか?

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 熊はぬいぐるみのような姿をした可愛い動物です。 
 小熊なんかホントに可愛いです。
 だから誰でも熊を殺すのはカワイソウだと思っています。 しかしこれまでも大勢の人を殺した危険な動物です。
 だから熊の研究をしている専門家は、皆「熊の駆除が必要」だと言っているのです。
 
 ところが中東の専門家や国際政治学の専門家の中には、熊よりも遥かに危険なテロ組織を一般のガザ住民と混同して「カワイソウ」だから駆除するなと言う連中が、多数いるのだから呆れます。

 
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2023-11-21 11:49

国家と国家を守るとは?

 先日、ある方のブログに今回のイスラエルのガザ攻撃について痛切な記事がありました。

 思想 11月19日 イギリス毒舌日記

大人の空手のクラスに数年前から急に来た50代後半か60代前半の女性がいる。
身体はかなり締まっていて、ずっと身体を鍛えてきた人なのだと分かる。

先日、その人がイスラエルに戻ると言った。
私は知らなかったが、40代までイスラエル軍に所属していた人らしく、まあまあ上の役職だったらしい。
今の状況を受け、再びイスラエル軍に戻ってハマスと戦わねばならないと言った。
びっくりした。

そこにいた生徒が、「それに伴い、ハマスではない市民が大量に殺されても平気なのか?」と聞いた。
「始めたのはハマスだ」と答えた女性。
彼女は来週、イスラエル軍に入る為にイスラエルに行く。

思想、それが怖いとつくづく感じた。
思想を理解し合う、譲り合うなど無理だと女性の訴える顔を見て思った。
また再びユダヤ人が迫害されない為に戦うのだと言った。

生きて帰れないかもしれないと言い残し、ひとまずイギリスを去った。
ガザに関して解決とは、どんな着地点が解決なのか…
聞いたとて、彼女の意見は彼女の思想による意見、そういう考え方もあるのねとはならないが、とにかく彼女はあの年齢で最前線に入るために願いを出したと言うのだから。

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 このブログ主はイギリス人の男性と結婚して、小学生と中学生の子供を育てながら、イギリスで生活している方です。
 非常に賢い方で、子供を育てながら近所の量販店の売り子のパートをしていると言う事で、一般のイギリス人の生活に密着しながら、イギリスの生活について非常に深い洞察にとんだ記事を書かれるので、ワタシは前々から愛読していました。

 この空手教室と言うは、息子さんが通っている教室なのですが、子供のクラスだけでなく大人のクラスもあります。 
 で、その大人のクラスの方が、実はイスラエル軍の軍人だった人で、今回のガザ攻撃の為に帰国して戦うと言うのです。

 実はガザ攻撃の直前、イスラエル政府は30万人の予備役を招集しました。 ところが招集完了前に予備役部隊の人員の充足率が100%を遥かに超えてしまったと言うニュースを聴いて驚きました。
 つまりイスラエルが政府がガザ攻撃の為に徴兵礼を出した人が直ぐに集まっただけでなく、徴兵礼の対象でなくても志願した人が多数いたのです。

 予備役は兵役経験はあるけれど、普通に働いて社会生活をしている人達です。 イスラエルの場合、専門職などとして国外で働いている人も多いようです。
 だから帰国して兵役に就くのは色々大変でしょう。
 またイスラエルの他に、もう一つ別な国の国籍を持っている二重国籍の人も多数いると言われます。
 ところがそういう人達も、続々と帰国して、兵役に志願していると言うのです。

 で、イギリス毒舌日記さんの所に出てくる空手教室の女性もそうした一人でしょう。
 40~60と思える年齢と言う事は、徴兵されたとは思えません。
 しかしそれでも帰国して兵役に就くと言うのです。

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 これはイスラエル人の戦意の高さと共に「また再びユダヤ人が迫害されない為」から見えるように危機感の強さを感じさせます。
 実際、現在イスラエル人が危機感を募らせるのはわかります。
 欧米ではこの事件を契機に、極めて古典的と言うか中世的な反ユダヤ主義が復活しつつあるようです。

 ヨーロッパではユダヤ人迫害は中世から続いていました。 
 元々はキリスト教徒にとって異教徒である事から始まった迫害ですが、しかし近代になってキリスト教の影響が薄れ、近代合理主義の時代になっても収まりませんでした。
 挙句にナチスドイツによる大虐殺です。
 しかも無残なのは、この大虐殺が行われいる間、ナチスドイツの虐殺から逃れようと必死で逃げるユダヤ人を受けてくれる国が殆どなかった事です。

 それどころかナチスドイツに便乗して虐殺を手伝った国も沢山ありました。 ナチスドイツのユダヤ人虐殺の被害者数は随分と曖昧で、資料により数字が100万単位でばらつくのですが、これはどうやら東欧諸国がナチスドイツに便乗して大量虐殺をしたからのようです。 そして戦後それらの国々が自国の責任を誤魔化してドイツに押し付けたりしたのが原因のようです。

 一方、イギリスやアメリカなど連合国側は、虐殺の手伝いこそしなくても、難民の救援には非常に消極的でした。 
 例えば、パレスチナは当時、イギリスの信託委任統治地であり、バルフォア宣言ではイギリスはパレスチナにユダヤ人が居住する事を認めていました。 因みにこの時期はフサイン=マクマフォン協定のアラブ側代表フサインも、この地がイギリスの信託委任統治になる事には反対していませんし、ユダヤ人の居住も認めています。
 
 しかしナチスドイツから迫害でパレスチナに逃げてくるユダヤ人が増えると、イギリスはユダヤ人の流入を阻止しました。 ユダヤ人難民が増えるにつれてパレスチナ在住のアラブ人とのトラブルが増えた為です。お
 で、難民を満載した船の入港を拒否して、その難民船を追い回した挙句、最後にその船が沈没すると言う悲劇まで起きています。

 現在の難民保護の為の条約や協定は、この第二次大戦中のユダヤ人の悲劇を反省して作られた物です。
 またユダヤ人差別は絶対タブーとなりました。
 しかしユダヤ人としてはもう二度とこんな目に遭いたくない!!、その為には自分達の国が絶対必要だと言う事になったのです。 

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 しかし現在の欧米を見ていると、第二次大戦前のユダヤ人迫害の悪夢が蘇りつつあるのでは?と思ってしまいます。
 欧米諸国にイスラム系移民が増え、そのイスラム系移民が「弱者」の地位を確保したため、彼等への批判がタブーになっています。
 その為、イスラム原理主義者のテロもテロの扇動も批判しないし、少女への強姦や売春強要でも相手がイスラム教徒だと警察も摘発しないと言う状況が続いていました。

 で、このイスラム移民達がこのハマスのテロに舞い上がり、絶賛した挙句に、反ユダヤ主義を扇動しているのです。
 そうするとこれまで欧米の中で抑制されてきた反ユダヤ主義が、イスラム教徒に便乗して、復活しつつあるようです。
 この状況では欧米在住のユダヤ人の恐怖は図り知れません。 
 そしてこのまま欧米で反ユダヤ主義が復活した場合、彼等が逃げ込める所はイスラエルしかありません。 
 
 国外在住のイスラエル人達が、帰国し軍隊に志願していると言われますが、こうした状況を考えるとむしろイスラエル国外に暮らすイスラエル人の方が、本国の人達よりむしろ敏感にこの危機感と恐怖を感じているのではないでしょうか?

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 ここで紹介したブログ記事の女性も、帰国して兵役に就くと言ったら、特に親しかったわけでもないイギリス人から「それに伴い、ハマスではない市民が大量に殺されても平気なのか?」と言われたりするのです。
 
 ??
 イギリスは911の後、アメリカが行ったアフガン攻撃に参戦し、その後も長々とアフガニスタンでの戦争に参加し続けていました。 この戦争に王子様まで送っています。
 アメリカは、911の首謀者オサマ・ビン・ラディンがアフガニスタンに逃げ込み、それをアフガニスタンのタリバン政権が庇い続けて、アメリカへの引き渡しを拒否したために、アフガニスタンを攻撃したのです。
 
 このアメリカのアフガニスタン攻撃と現在のイスラエルのガザ攻撃は、どちらも同じくテロ被害国がテロリストと戦う、その為にテロリスト達の立て籠る地域を攻撃すると言う話です。
 因みにイギリスのアフガニスタン攻撃参戦は、アメリカの御機嫌取りです。
 そのイギリス人がイスラエル軍に志願すると言う女性を「それに伴い、ハマスではない市民が大量に殺されても平気なのか?」と言うのは、イスラエル人から見れば「反ユダヤ主義からの悪意?」とも取れてしまいます。
 そしてこのように言われたら、切実な危機感と恐怖を感じるでしょう?

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 イギリスは民主主義国家です。
 そしてイギリス自身もこれまで何度もイスラム原理主義テロリストの被害に遭っています。
 それでも結局、イギリス人はイスラエルの立場を理解してくれない。
 これはイギリス在住のイスラエル人にとっては絶望的な話です。
 そしてイギリスに絶望したら、猶更イスラエルと言う国を守るしかないと思うでしょう。
 結局、ユダヤ人が迫害される事がないように守ってくれる国はイスラエルしかないのですから。

 塩野七生氏が著書の一つで書いていました。
 中世、ユダヤ人が憎まれた理由の一つが、戦争参加の拒否だったと。
 中世ヨーロッパでは、都市国家が戦争になって、街ごと市の城壁の中に立て籠って戦うと言う事が再々ありました。 都市が陥落したら、街中が略奪や虐殺に晒されるので、街中の人は女子供まで必死になって防戦するのです。

 ところがこのような場合でも「神の命令にしか従えない」と言う理由でユダヤ人は参戦を拒否するのです。 そしてユダヤ人だけで敵と和平条約を結んだりしてしまう事もありました。
 これでは街中の人がユダヤ人を憎むのもわかります。

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 しかし時代は進み、宗教の力が衰えるにつれてこれはなくなりました。 ヨーロッパ諸国に徴兵制が敷かれるようになるとユダヤ人も普通に徴兵されるし、そもそも宗教よりも国家の意識が強くなり、ユダヤ人の愛国者も増えて行ったのです。
 例えばアンモニア・ソーダ法を発明したフリッツ・フーバーは、ユダヤ人ですがしかしドイツで国民的に認められた愛国者でした。
 第一次世界大戦中、アンモニア・ソーダ法の発明のお陰で、ドイツ軍は無限に爆薬の原料である硝石を作る事ができました。 彼はまたドイツ軍の為に毒ガスも製造したのです。

 けれどもヒトラーが政権を取ると、彼はドイツを追われました。
 マックス・プランク等、ドイツの偉大な科学者達が揃ってフーバーがいかにドイツを愛し貢献してかをヒトラーに説いたのです、ヒトラーは彼をドイツから追放しました。
 
 一方、第二次大戦が始まるとアメリカではユダヤ人達が、続々と米軍に志願しました。 第二次大戦当時、米軍に入隊したユダヤ人の数は、20歳から50歳までの在米ユダヤ系男性の半数と言われます。
 これはホントにすごいです。 だって30過ぎ、40過ぎならメタボなど絶対兵役検査に合格しない人の方が多いでしょう?
 だから特技や資格等があって、多少なりとも軍隊で働けそうな人は全部、志願し、入隊したと言う事でしょう。

 ここまでアメリカユダヤ系の戦意が上がったのは、勿論相手がナチスドイツだったからでしょう。
 実はアメリカだって戦前は結構反ユダヤ主義も強く、ユダヤ人差別も酷かったのですが、しかしそれでもアメリカを守らないと、今現在、自分達が持っている自由も財産も生命も喪ってしまうのです。 

 そして第二次大戦中、ユダヤ人が大量に志願し、大量に戦死したことで、アメリカでのユダヤ人の地位が向上しました。

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 ユダヤ人は長く国を持たない民族でした。
 それはユダヤ人が国家よりも宗教を優先しきたからです。 旧約聖書の時代から、ユダヤ教内の宗派対立で国家が分裂破綻する事を再々やっています。
 しかし近代国民国家ができて、ユダヤ人も国家の力を認識せざるを得なくなりました。
 
 国家による大虐殺を被った事で、自分達を守る為にはやはり国家が必要だと考えたのです。
 それで現在のイスラエルがあるのですが、しかしそれが現在、宗教に生きる人々からの攻撃にさらされているのです。

 それにしてもこうした状況で何としても自分達の国を守りたいと言うイスラエル人女性の「思想」が怖いと言うのは、どういう事でしょうか?
 これは結局、日本人もまた一般のイギリス人も、イスラエルの置かれた状況には思い至らないと言う事ではないでしょうか?
 因みワタシはハマスの思想の方がよほど怖いと思います。

 ハマスはイスラム原理主義からイスラエルの殲滅を目的しており、パレスチナ人にいくら犠牲が出てイスラエルと話し合うとか共存するとかそういう事は一切考えていないのです。
 イスラエルを非難する人達はこれを理解しているのでしょうか?
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2023-11-19 13:05

イスラエル軍ガザ攻撃非難 イスラエル軍は警察?ハマスは凶悪犯?

 イスラエル軍のガザ攻撃で一般市民の死者が出ている事で、イスラエル側が非難されています。
 東京外国語大学教授篠田朗教授などは「快楽殺人」とまでツィートしているのです。
  しかしこれは大変奇妙です。

 そもそも今回のイスラエル軍のガザ攻撃は、10月7日にハマスがイスラエルに侵入に、音楽フェスティバルやキブツを襲い、民間人ばかり1300人を殺害し、更に人質300人弱を拉致したことが原因です。
 最初から民間人を殺し、拉致すると言うのは、戦争でも、戦争犯罪でもなく、純然たる犯罪、しかも凶悪犯罪です。

 実際ハマスは民間人を唯殺すだけでなく、赤ちゃんを丸焼きにしたり、女性を強姦して殺したり、犠牲者の手足を切り取って殺したりと、大変な残虐行為をしています。
 こうした残虐行為はハマス側が自分のサイトで公開しているのです。

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 篠田教授は国際政治学者と言う事ですが、しかし憲法、特に9条についても、自衛権の立場から非常にまともな解釈をしている事で知られた人です。
 それでは日本人が同様のテロに遭った場合、日本側にはこのようなテロに対する自衛権は認めないのでしょうか?
 
 テロリストが逃げ込んだ先の国も、国際社会もテロリストを逮捕処罰してくれる事は期待できず、放置すれば今後も同様なテロが繰り返される事が想定される場合、被害国の政府が直接このテロ組織を殲滅するのは自衛権の範囲内と言う事にならないのでしょうか?

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 勿論、ハマスは単なるテロ組織ではありません。
 オウム真理教や日本赤軍などとは比べ物にならない規模です。
 その為2007年ガザの統治権をパレスチナ自治政府から奪い取りました。 パレスチナ自治政府がガザに置いていた警察組織を破壊して、今はハマスがガザ住民を取り締まっています。 またそれまでパレスチナ自治政府が行っていた行政サービスもハマスが代行しています。
 しかし現在の所、ハマスのガザ支配は国際的には認められていませんし、またパレスチナ自治政府も認めていません。

 本来であればガザを統治する責任はパレスチナ自治政府があるのですから、パレスチナ自治政府がハマスのテロリストを逮捕し処罰するかイスラエルに引き渡すべきなのです。 しかしハマスは強大で、前記のようにパレスチナ自治政府はガザの支配権をハマスに奪われても手も足も出せない状況なのです。
 これでは結局、イスラエルが直接、テロリストを逮捕するしかないでしょう?

 それでイスラエルが直接ハマスを攻撃しているのです。
 そしてこの攻撃に多数の民間人が巻き込まれて死傷しています。

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 で、ここで不思議なのですが、この件でイスラエルのみが非難されているのです。
 と言うか篠田教授のようにイスラエルだけを非難している人がいる事です。
 これって結局、非難している人達は、イスラエルを警察のように考えているんじゃないですか?

 警察なら幾ら凶悪犯逮捕の為とは言え、民間人を死傷させてはいけません。
 例えば浅間山荘事件では警察側は人質は勿論、テロリスト達が死傷するのを避けたために機動隊側に何人もの死傷者が出てしまいました。
 イスラエルのガザ攻撃を非難している人達は、イスラエル軍の浅間山荘事件の機動隊のように行動するべきと考えているのでしょうか?
 これならイスラエルだけを非難するのもわかります。

 しかしハマスの規模と軍事力、そして10月7日のテロの凶悪さを考えると、これは余りに非現実的です。

 けれどここで更に不可解なのですが、篠田教授等、イスラエルを非難している人達は、どうもハマスを正当なパレスチナ代表、パレスチナの統治機構と考えている節がある事です。

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 けれどもそうなると彼等がイスラエルだけを非難するのは、更に奇妙です。
 先日、自衛隊のもと幕僚長達がこの攻撃を評価する動画をみたのですが、この中で元陸上自衛隊幕僚長がハマスのトンネルについて言っていました。

 ハマスの戦闘員がトンネルに籠り、非戦闘員が空爆に晒されている。
 ハマスが統治機構であるなら、これはオカシイ。
 統治機構であるなら、ハマスが地上で戦い、非戦闘員は地下に退避させるべきだ。

 全くその通りです。
 ハマスがパレスチナの統治機構であるなら、パレスチナの民間人を保護する義務があるのは、ハマス側なのです。 ハマスこそが民間人を保護しなければならないのです。
 戦時に国民を保護する義務があるのは、一義的にその国の政府と軍隊でしょう? 敵国の政府や軍対ではありません。

 ハマスはガザを実行支配してから、ガザの地下に500キロとも1000キロとも言われる地下トンネルを張り巡らしました。 このトンネルの一部は車やバイクが走れる程に整備されています。
 そしてこのトンネルの存在はハマス側がもうずうっと昔から公開しています。
 ところがハマスはこのトンネルを公開した時、ここは戦闘員だけが使い、非戦闘員の保護には使わない事もまた公言していたのです。
 
 篠田教授等、ハマス擁護、イスラエル非難の人達は、何でこのようなハマスの姿勢を問題にしないのでしょうか?
 自国民保護の義務を完全に放棄した上で、自国民に被害が出る事が明白な戦争を仕掛ける軍隊を篠田教授は擁護するんですか?

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 イスラエル軍のガザ地区攻撃は今回が初めてではありません。
 ハマスはガザ地区を実行支配してからもイスラエルにテロを繰り返しました。 そこでイスラエルはガザ地区からの人の出入りを厳重に管理できるように、ガザ地区を高い塀で囲いました。
 するとハマスは塀の中からイスラエルの民間施設に向けてロケット砲や短距離ミサイルを撃ち込みました。
 こうしたテロに対して、イスラエル側は必ず報復攻撃をしています。

 そういう場合も、ガザの民間人がイスラエルの報復に巻き込まれて死傷しています。
 しかしハマスの戦闘員はイスラエルを攻撃すると、速攻で地下に退避して安全を確保していたのです。

 だったら10月7日にテロをやった時点で、イスラエルの報復攻撃は予測できましたよね? 
 それどころかイスラエル側も、10月7日にテロ攻撃受けて直ぐガザを攻撃したわけじゃなく、攻撃の予定を発表する一方で、一般住民が戦闘に巻き込まれないように避難地区を設けて、早急に避難するように呼び掛けていました。

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 で、ここで本当にハマスが統治機構として行動する意思があるなら、イスラエルの呼びかけに応じて、ハマスの責任で一般住民の避難を支援し、それでも避難できない人達は、ハマスの地下トンネルに収容して保護するべきじゃないんですか?
 そうやって一般人の安全の確保した上で、ハマスは地上でイスラエル軍を迎え撃てば良いのです。

 しかし今回のガザ攻撃では、ハマスはこのような民間人の保護の為の行動は一切取っていません。
 自分達は安全な地下に潜り込み、民間人は地上で爆撃に晒しているのです。
 そして代わりにイスラエル軍がハマスと戦闘をする傍らで、民間人保護の為に行動しているのです。 勿論それでも民間人からも死者が出てしまうのですが、そうするとなぜかイスラエル軍が猛烈に非難されます。

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 これホントにオカシイでしょう?

 何度でも言います。
 ハマスがパレスチナの統治機構なら、ハマス側にこそ民間人保護の責任があるのです。
 しかしハマスは民間人保護を一切しないと公言しているし、実際していないのです。 自分達は地下に逃げ込み、民間人は地上で爆撃に晒すのです。
 ハマスを擁護しイスラエル非難擦る人達は、これをどう説明するのですか?
 
 これでイスラエル軍だけを非難し、ハマスの言動を問題にしないなら、それは結局、ハマスはテロリストで凶悪犯、イスラエルは警察だと言っているのと同じです。
 凶悪犯なら自分が助かる為なら、他人を巻き込んで犠牲にすることは厭いません。
 凶悪犯に倫理道徳を期待する事はできません。
 だから凶悪犯を逮捕する場合は、警察側には一般市民の安全を確保する義務があるのです。

 つまりイスラエルを非難する側は、結局イスラエルを警察、ハマスを凶悪犯と認識した上で、凶悪犯を応援していると言う事になります。
 最低ですね。
 ところが日本のメディア全般がこの報道姿勢なのです。 そりゃ重信房子のような凶悪犯を絶賛するのですから、凶悪犯大好きというのは日本のメディアの本性だと理解するしかないのでしょうか?

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 因みに現在イスラエル軍のガザ攻撃による犠牲者は10000人と言われています。
 日本だけでなく世界中のマスコミがこのように報道しています。
 しかしこの犠牲者10000人と言うのは、ハマスのこれまでの発表を足し合わせた物です。
 国際機関その他が遺体等を確認して出した数字ではありません。

 それで思い出すのが10月17日の病院爆発の話です。
 あの時は爆破直後にパレスチナ保険当局、つまりハマスが「死者500人!!」と言いました。 そしてそれに日本のマスコミが即同調して「笑顔が溢れる病院が空爆された」などと言うニュースを放映しました。

 しかしこれ結局ハマス側の嘘でした。
 病院空爆で死者500人なら、少なくとも患者職員1000人を超えるような大規模病院が瓦礫になった・・・・・、と思いきや爆発があったのは病院の駐車場で、病院の建物本体は殆ど無傷でした。
 その爆発もイスラム聖戦機構と言うハマスとは別のテロ組織のロケット弾が不具合で、イスラエル攻撃の途中落下と言うお粗末でした。

 駐車場の車が何台もまる焼けになっていましたから、それでも最大30人程度の死者が出た可能性はあります。 
 しかしハマスが500人と発表した物が実は最大30人でした。 
 だったら現在ハマスが10000人と言っている犠牲者だって最大600人程度ではないでしょうか?

 しかし現在世界中で、このような怪しげな数字をそのまま発表してイスラエルを非難それをネタに「停戦を」と叫んでいる人達がいます。
 でもこれは結局警察は凶悪犯を見逃せと言っているのと同じ事です。
 彼等はこの凶悪犯を見逃して、再度また凶悪事件を起こす事を切望しているのです。

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 勿論、それでも非戦闘員が戦闘に巻き込まれて死傷すると言うのは、大変痛ましい話です。
 しかしその責任が全部イスラエル側にあるんですか?

 イスラエルと言う国家もイスラエル軍も警察じゃないのです。
 でも相手がテロ組織ですから、民間人の避難や保護などは、イスラエル側から極めて積極的に対応しています。
 それでも相手が巨大テロ組織ですから、浅間山荘事件のようなわけには行かないのです。 
 だからと言って、自国民の安全を考えたら、このような凶悪で巨大なテロ組織を放置する事はできません。
 その為にガザ攻撃を決断したのです。

 今回のガザ攻撃ではイスラエル側にもかなりの死者が出ています。 開戦5日でメルカバ戦車などイスラエル側の重車両の23%が損害を受けて戦線離脱しています。
 つまりガザ攻撃はイスラエル側にとっても多大な損害を覚悟しての苦渋の決断の上の攻撃なのです。

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 ハマス擁護派はこのようなイスラエルの決断をどう考えているのでしょうか?
 東京外国大学の篠田英教授は、イスラエルのガザ攻撃を「快楽殺人」と言いました。
 自国民を大量に殺害され拉致された国の自衛のための反撃をなぜ篠田教授は「快楽殺人」と言うのでしょうか?
 篠田教授の日本の自衛権に関する憲法議論からは、何とも不思議な話です。

 ヒョッとして篠田教授は赤ちゃんを丸焼きにしたり、女性を集団で凌辱して殺すような連中が大好きで、それを逮捕しようとする警察は許せないと言う事でしょうか?
 これだと篠田教授ご自身が「快楽殺人ファン」と言う事になりますが、それでよろしいのでしょうか?
  1. テロリスト
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  3. CM(12)