2017-02-03 20:41

日本は今、建国以降最大の危機にある 対中国防衛

 マティス国防長官が安倍総理との会談で、尖閣諸島に日米安全保障条約5条が適用される事を明言したそうです。

 まずは安心です。

 今、日本は建国以来の危機的状況にあります。

 そ、そんな大袈裟な!?

 いいえ、全然大袈裟じゃないです。

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 だって今中国が日本の領土を侵略すると明言して、その為の活動を続けているのです。

 日本の歴史で外国が日本を侵略すると明言して、その為に延々と活動を続けた事がありましたか?

 鎌倉時代の二度の元寇以降初めてです。
 
 しかも元寇の時代は、モンゴルが海洋国家ではなく、補給の困難さを考えると、実際にモンゴルが長期的に日本を攻撃する事は不可能でした。
 
 明治以降、日本はロシア始め大国が日本の廻りで勢力を伸ばしている事を知って驚愕しました。

 しかしその頃はどの国も直接日本を侵略しようとしていたわけではありません。

 けれど時代の空気を読んだ先人たちは、日本の危機的状況を悟って近代化に着手したのです。

 ところが現在は中国が、日本の領土である尖閣諸島を「核心的利益」と明言して、その近海に交船を遊弋させているのです。

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 他国の領土を「核心的利益」などと言う事は、明らかな侵略宣言なのですが、日本政府も日本人もこの現実を見ない努力をしてきました。

 そういう間違った努力が、益々中国を増長させて危機を増大させてしまいました。

 だからもう幾ら見ない努力をしても、イヤでも見得てしまうようになったのです。

 中国は本当に日本を侵略する気なのです。
 そしてその為の行動を続けているのです。

 さらに言えば中国は尖閣諸島だけで満足する気はありません。 尖閣諸島を獲れば沖縄本島を獲り、更には日本全土を侵略する気です。

 だからこれはもう日本建国以来最大の危機と言うべきでしょう。

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 だから日本の最大の課題は対中国防衛なのです。
 そして安倍政権の政策はそれを中心に活動しているのです。

 例えば昨年末のプーチン・安倍会談なんか典型です。 あれについて北方領土が還るとか、ノーテンキな事を言っていた人達がいます。
 
 しかしどう考えても今プーチンが北方領土を返差なければらない状況は何処にもありません。
 それでも安倍総理がプーチンとあったのは、ロシアを中国側に着かせないないためです。

 「ロスケは信用できない。」と、言う人はいます。
 ええ、ワタシだって信用はしていません。

 しかし信用できても、できなくても、日本はロシアと中国の二正面作戦をとる事はできません。

 だからとにかくロシアと何で折り合えば、ロシアを中国側へ行かせないかを探る必要があるのです。
 その為にはとにかくプーチンとあって相手の腹を探り、どうすれば日本側に着ける事が出来るのか考えるしかないのです。 

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 安倍総理が就任以降、繰り返し東南アジア始め、世界中を活発に歴訪し、そこで気前よく経済援助をばら撒くのも、対中防衛網を作る為です。

 勿論向こうもそれを承知で中国と日本を両天秤にかけて、双方からできる限り貰えるモノを貰う心算なのだから、楽ではありません。

 しかし憲法の制約で軍事行動には厳しい制約のある日本としては、経済だけでもできる限りのことをするしかないのです。

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 問題は日本人の多くが、こうした厳しさに殆ど気づいていない事です。

 所謂愛国保守を名乗る人達さへ、本当の意味での危機感は鈍く、だから安倍・プーチン会談で「北方領土が~~!!」なんてノーテンキな事が言えるのです。

 馬鹿か!!

 今の自衛隊と海保では尖閣で手一杯なのに、ここで北方領土が返っても防衛できないわ!!

 それを承知でロシアが北方領土返して、戦力分散させられたらどうするんですか?

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 防衛費を増やせばできるじゃないか?

 そうです。
 でもどうやって?

 日本国民全部が危機感を持っていれば、防衛費を増やす事も、憲法を改正する事も可能です。
 
 しかし残念ながら現在の所、日本人の危機感は非常に希薄です。

 その日本人に直ぐに危機感を持たせる方法はありません。

 だから日本政府は日本人の危機感が希薄と言う条件の下で、できる事をしていくしかないのです。

 その為なら何でもやるしかないのです。

 例えそれが極めて屈辱的であっても、仕方ありません。

 外交と防衛には、善と悪も、名誉も屈辱のなく、勝か負けるか、生きるか死ぬかしかありません。

 だから生きる為には何でもするしかないのです。

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 しかしそれでも日本の立場はそう悪い事ばかりではありません。

 例えばロシアだって中国とは仲が悪いのです。 中国はネルチンスク条約で奪われたロシアの沿海州の奪還を狙っていますから、ロシアだって本心中国の側に着きたいわけもありません。
 
 中国と国境を接するアジア諸国も皆同様です。

 但し中国と正面切って戦えるわけもないのですから、どの国も中国と日米の間で何とか生き残りを模索しているのです。

 しかしこれは逆に言えば、日本が彼等を助けて戦う意思がないなら、彼等としては皆中国側に着くしかないと言う事でもあるのです。

 だから日本は何んとか彼等を鼓舞して、対中国防衛網を作るしかないのです。

 日本が置かれたそういう状況を理解していないと、安倍外交は理解できません。

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 それでも日本がこうやって後20年間頑張り続けたら、日本の勝ちです。
 時間は日本の味方です。
 
 日本の少子化が問題にされていますが、しかし中国の少子化は日本より遥かに厳しいのです。

 何しろ1969年から一人っ子政策をしています。 だから既に労働人口は減少に向かっています。

 現在でも高齢化率は1990年代の日本と同等です。
 後20年もすれば、高齢化率は日本を遥かに上回ります。

 しかも日本のように資産の蓄積はありません。

 だから中国の繁栄も後20年が限界です。
 それなら日本は後20年、中国と四つに組んで、中国が動けないように頑張り続ければ、それで勝てるのです。

 後20年間、中国が日本に侵略戦争を仕掛ける隙を与えないように頑張り続けたら、戦争を回避したまま中国の侵略を阻止できるのです。

 逆に言えばだからこそ中国も必死なのでしょう。 今のうちに資源や領土を獲得して、資産を作っておかないと老いて野垂れ死にする事になってしまいます。

 つまり危機は今現在、そして今後十年程度が最高レベルと言う事です。

 だから日本国民は危機感を持ってこれに対応するべきです。

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 でも危機感を持つって悪い事ばかりではありません。
 
 明治の日本が一気に近代化したのも、敗戦後の日本が経済大国になれたのも、皆日本国民が強烈な危機感を持って頑張ったからです。

 逆にバブルの後延々と20年もデフレを続けたのは、日本人が経済大国の地位に安住して、危機感を喪ったからでしょう?
 
 だったら今また対中国防衛で危機感を持つ事は、日本復活のカンフル剤ではありませんか?

 だからこの危機を梃に日本を復活させるように頑張って行こうではありませんか?

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2016-02-29 22:53

禿鷹さんの罠 元売り

 ジョージ・ソロスが元の空売りをやっているそうです。

 ソロス氏の人民元巡る攻防 ポンド危機時と状況が酷似

 ポンド危機やアジア通貨危機と同様の事が、元でも起きそうな話が出ているのです。

 しかしねえ・・・・・。
 中国元がSDRに指定されたのは、去年の12月でしょう?

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 元のSDR指定については産経新聞の田村記者などが随分危機感を持っていて、あれを読んでいたらSDR指定でアジアは元通貨圏になるような話でした。

 ところが何と年明けから、中国株が暴落、そして元の暴落を阻止するために日中通貨スワップとか、「中国は資本移動の自由化を制限するべき」なんて話まで出てきました。

 だったらあの去年のSDR指定って何だったんでしょうか?

 資本移動の自由化も為替取引の自由化も、SDR指定の条件だったのでは?
 
 自由に為替取引をして、資本移動を自由にさせておいても、安定した価格を維持できるからSDR=機軸通貨でしょう?
  
 それが指定されて一月で通貨危機だなんて・・・・・。

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 ワタシはどうもこれを見ると、世界のユダヤとハラグロ・サクソンの禿鷹さん達が、揃って中国をハメたんじゃないかと思ってしまうのですが?

 だって中国経済って去年の夏の株価暴落から赤信号が点いていましたよね?
 それが一旦収まったのは、別に中国の景気が良くなったからとかではなく、中国政府が大株主達に株の半年間売買を禁止すると言うトンデモな事をやっていたからです。

 そしてその株の売買禁止期限が年明けに切れたので、皆一斉に売り出して、それでいきなり株価が暴落したと言うのです。

 でもこういう中国経済の事情を、IMFの幹部達が知らなかったはずはないでしょう?

 中国経済はホントはボロボロ、元は暴落寸前で基軸通貨どころじゃない。
 そもそも大株主に株の売買を禁止するとか、トンデモなことをやる国の通貨がSDRなんてオカシイ!!

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 でもなぜかIMFは元をSDR指定しちゃたのです。

 この時、習近平は得意満面でした。 何しろ円より各上の扱いになったのですから。 

 そしてその少し前にイギリスを訪問して、バッキンガム宮殿に泊まり、何やら大歓迎を受けました。 
 
 で、この時ロンドンに元のオフショア市場を開設したのです。
 
 為替市場での自由な取引はSDR指定の条件ですから、オフショア市場だって開設しないとイケナイのです。

 中国政府は国内では資本主義の常識を踏みにじるような無茶苦茶をやりまくりなんですが、しかし幾らなんでもロンドンでそれは無理です。

 SDR指定なんてことを考えなければ、こんな市場の開設は認めなかったのでしょう。
 しかし元を世界の基軸通貨にするって中国の夢です。

 だからSDR指定の為に必要と言われたら、こんな市場の開設だって認めちゃったのです。

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 で、結果がジョージ・ソロス他禿鷹さん達による元売りです。

 つまりは禿鷹さん達が、元売りで儲けられるように、SDR指定と言うニンジンをぶら下げたのでは?

 そして習近平はマンマとそのニンジンに食いついてしまったのです。

 思うに習近平は自国の経済状況をホントの所良くわかっていなかったのでは?
 
 自分達の作ったインチキ統計資料を信じて、中国経済と元の強さに絶大な自信をあったのでは?
 だからあんなに得意満面だったのです。

 でも禿鷹さん達はそういう習近平を食いつぶす気満々だったのです。

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 怖いですね。

 ハラグロ・サクソンとユダヤの禿鷹さんって・・・・・。
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2011-01-26 22:00

特亜の「礼」

 ホワイトハウスでの晩餐会のランランの反米歌演奏は実に賤しい話ですが、これに関連してもう一つ気になっていた記事がありました。

 

 オバマ大統領の晩餐会に胡錦濤が普通のビジネススーツで出席したと言う記事です。(胡錦濤のスーツ姿は進歩? 米大統領晩餐会

 オバマ大統領は礼服で盛装です。

 

この記事では、胡錦濤が盛装しなかった理由を、以下のように書いています。

 

 

>欧米の衣装のイメージが強すぎるちょうネクタイにはまだ抵抗があるとみられるが、スーツは徐々に中国指導者の正装となっている。 

 

 

 けれどこれは、日本の常識からすれば、大変不作法な話です。 

 本来盛装で出席するべき席へ、普段着で出かけたのですから。 こんな事をして大目に見てもらえるのは、子供か或は貧しくて必要な礼服を用意できなくても仕方がないとみなされた人だけです。

 

 欧米的な服装に抵抗があると言うのは、理由になりません。 欧米的な服装がイヤなら、民族衣装を着れば良いのです。

 実際アラブ諸国の王様や、アフリカの首脳などは民族衣装でこのような場に臨みますが、これを非難する人はいません。

 

 これらの国々の首脳や大使は、日本で宮中晩餐会に出席する時や、天皇陛下に謁見す時も民族衣装です。 でもその国の盛装なら全然問題ないのです。

 

 だから胡錦濤もタキシードに蝶ネクタイがイヤなら、中国服を着れば良かったのです。 しかし彼はビジネススーツと言う普段着で出席すると言う無礼を働きました。

 

  

 

 ワタシはどうも中国人の「礼」と言うのは、日本人や欧米人のそれとは根源的に違うのではないかと思います。

 中国人だけでなく韓国人や朝鮮人も同様だと思います。

 

 日本人や欧米人の感覚だと、こうした外交上の公式の席で、不作法を働くとまず何よりも自分の恥、自国の恥になると考えます。

 

 外交交渉の席ではいかに熾烈な議論をしようとも、無茶苦茶な要求をしようとも、晩餐会の席などではにこやかに礼儀正しく振る舞い、十二分に丁重な対応をして、自分が立派な紳士であることを示すのです。

 そしてその事で、自国もまた信頼に値する国であるとアッピールするのです。

 

 でも特亜の国々ではむしろこのような場で、相手に無礼を働き、それを相手が抗議しないと、非常な優越感を感じるようです。 そしてその優越感がそのまま自国の地位の優越に繋がると考えているようななのです。

 

  

 

 この典型が2002年の日韓共同開催ワールドカップの開催式の金大中の天皇陛下とうせんぼうです。 ワタシはあれを見た時はホントに驚きました。

 

 開会式でロイヤルボックスのお席に着こうとされた天皇御夫妻の通り道を、先に入場していた金大中夫婦が塞いだのです。

 そして天皇陛下を側を通ろうとされても、体を寄せて道を開けようともせず陛下を無視したのです。

 

 ワタシが日ごろ行く近所の激安店や、その他日常立ち寄る場所でも、こんな無礼を働く人間は殆どみかけません。

 近所の激安店など賞味期限切れギリギリの商品を激安で売るのが人気のような店で、客もそれなりの連中ばかりです。  

 でもこの店の狭い通路で客同士がすれ違う時は、お互いに道を譲りあうし、ウッカリ相手のとおせんぼしをしてしまったら、「すみません」と言って軽くお辞儀するぐらいの事はするのです。

 

 でもおそらく金大中夫婦も、また韓国国民もああして天皇陛下の進路を塞いで、しかも陛下が何も抗議なさらなかった事で限りない優越感を味わったのでしょう。

 それだけでなく韓国の大統領は天皇陛下に道を譲らなかった事で、韓国の優越を世界に示したつもりだったのではないでしょうか?

  

  

 

 この金大中胡錦濤と全く逆をやったのが、2009年鳩山由紀夫の留守に来日したオバマ大統領です。

 鳩山由紀夫オバマ大統領の来日を無視して、シンガポールへ行ってしまっても、オバマ大統領は予定通り来日しました。

 またこのポッポの無礼には何も抗議もしませんでした。(ポッポまたアメリカに喧嘩を売る

 

 そして天皇陛下に謁見して、実に丁重なお辞儀をしたのです。 

 

 すると驚いた事に、それまでオバマ大統領に批判的だったり、敵対的だったりした日本の愛国保守派の人達のオバマ評価が一発で変わってしまいました。

 

 あの時、ネットにはオバマ大統領を絶賛し、鳩山を非難する意見が溢れていました。

 

 オバマ大統領がいくら頭を低く下げても、アメリカには何の損もないのです。 でもこのお辞儀一つで、一気に日本の世論を変え、オバマ大統領自身とアメリカの評価を爆上げしたのだからホントに凄いです。

 

   

 

 でもこのオバマ大統領の凄いファインプレーを見ても、中国は何も学びませんでした。

 

 この直後に来日して、小沢一郎の圧力で無理矢理天皇陛下に会った中国副国家主席近習平は「絶対に陛下に頭を下げてやるものか!!」とばかりに、陛下の前でふんぞり返っていました。

 

 結局これが特亜人の「礼」なのです。

 

 この「礼」は儒教から来ているのかも知れません。 でも幸い日本は儒教は学びませんでした。 日本が学んだのは「儒学」だったのです。

 

  

 

  

 

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2011-01-26 11:39

阿Q

 このランランとか言う人は、少年時代から様々の有名コンクールに優勝した中国ではトップのピアニストのようです。 でもアメリカに在住し、演奏活動も欧米が中心のようです。(ホワイトハウスで反米ソング 中国人ピアニスト演奏

 

 そりゃそうでしょう。 成金中国ではクラッシク音楽の演奏で稼げるとも思えません。 また欧米で保障されているような自由な演奏活動自体難しいでしょう。

 だから彼は「愛国者」のはずなのに、祖国の聴衆の為ではなくアメリカで演奏しているのです。

 

  

 

 一方アメリカは彼の才能を認め、在住を認め、アメリカのクラッシック音楽ファンが彼の生活を支えているのです。

 そしてアメリカ政府は、胡錦濤歓迎の晩餐会にワザワザ彼を招き、彼の選んだ曲を好きに演奏させると言う名誉を与えました。

 

 すると彼がしたことは「援朝抗美」つまり「北朝鮮を助け、アメリカと闘う」と言う曲を、アメリカ大統領の前で演奏することでした。

 胡錦濤はこれを非常に喜んで満面の笑みを浮かべて彼を抱きしめたようです。

 

 勿論、アメリカ側の人達がこんな曲は知らないと思っての事でしょう。 

 それを産経新聞は「ホワイトハウスで反米ソング 米政権が大恥」と書いています。

 

 http://sankei.jp.msn.com/world/news/110125/amr11012521500129-n1.htm

 

 でも大恥を掻いたのは米政権ですか?

 違うでしょう?

 アメリカ側の礼を尽くした歓迎を、こんな形で侮辱する方が、余程恥ずかしい事ではないですか?

 

 このランラン氏も胡錦濤アメリカが気に入らなければ、堂々と抗議すれば良いのです。 でも彼らにそんな勇気はありませんでした。 

 だからアメリカにわからない様に、コッソリと「あかんべえ」をして愛国者を気取ったのです。 

 

 オマケにこれがバレて、アメリカで問題になると、なんだかわけのわからない言い訳を始めたようです。

 

  

 

 ワタシはこんな人間が主人公の小説を読んだ事があります。

 中国近代文学の傑作です。

 「阿Q正伝」と言う小説です。

 

 そういえば中国では、今この「阿Q正伝」を教科書への掲載を辞めようと言う話が出ているのだそうです。 

 いくら教科書に載せても、理解できないんだから掲載するのが無駄だからでしょうね。

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2010-11-20 22:18

文化大革命の思い出

 中学生になってからワタシは新聞を読み始めました。 余り面白そうでもなかったのですが「もう中学生になったのだから、大人らしくしよう。」と思ったのです。

 

 新聞を読むと中国の事が沢山書いてありました。 ワタシが中学生になった頃、中国では文化大革命が始まっていたのです。

 

 新聞によると中国では、なんだか古い悪習がドンドン排されて、人々は希望に燃えているようでした。 そしてそれは全部、毛沢東のお陰だという事でした。

 

 ワタシは「毛沢東って、エライんだ。」と思いました。

 そしてやはりその頃、読み始めた「十八史略」などを思い合わせて、「毛沢東って、まるで唐の太宗みたいだ!」と思いました。

 

  

 

 しかし暫くすると、なんだかオカシイと思い始めました。

 なぜなら書いてあることが、何から何まで良い事ずくめで、誰一人毛沢東に不平や不満を言わないからです。

 

 「たとえ毛沢東がどんなに偉くて、その政治がどんなに良くても、これはオカシイのでは?」と、思い始めたのです。

 なぜなら世の中には、必ず天邪鬼やへそ曲がりが居ます。 そういう人は皆が「素晴らしい!」と言えば、それに反対するのです。

 

 自分自身が立派な天邪鬼でへそ曲がりであるワタシは、そのへそ曲がりや天邪鬼の一人も居ない国と言うのは、なんとも気持ちが悪いと思いました。

 

  

 

 けれども毛沢東文化大革命への賛美は、いつまでもいつまでも続きました。 そして益々エスカレートしました。

 それは記事だけではなく、読者の投書欄にも出てきました。

 

 それらの話を読み合わせると、中国人は常に人民と国家の為に奉仕し、それを心から喜んでいるようでした。

 

 そして中国人の生活は随分貧しいようでした。 当時は日本だって今に比べれば随分貧しく質素でしたが、それでも中国人の生活はどうもそれを遥かに下回るようでした。

 

 しかし新聞ではそれを「中国人は物を大切にする。」とか「日本人が失った助け合いの精神を持っている。」とか言う話に持っていきました。

 

 新聞を読んでいると、中国人は全部、人民に奉仕する聖人にでもなったようでした。

 そしてそれは今まで読んだ本、「十八史略」「三国志」「金瓶梅」(少女に読ませいいの?)などから見える中国人、つまりリアリストで即物的で逞しい人々とはまるで別物でした。

 

 何億人もの人が、数千年持ち続けた性格が、政治制度だけでこんなに変わるものだろうか?

 

  

 

 けれどもその後も文化大革命絶賛は止まりません。

 ワタシは中学を卒業して、高校を卒業して、大学に入っても、なを絶賛は続いていました。

 

 それどころか、大学へ入ると学生達の中には、毛沢東に心酔している人も結構いました。

 

 ある日、一人の先輩が奇妙なコピーを持ち歩いているのを見かけました。 当時はコピーはまだゼロックスの初期の物が使われていて、コピーした書類は薄紫のインクで書かれていたので、直ぐにコピーだとわかるのです。

 彼はそれを見せてくれましたが、全部漢字でした。

 そしてそれは熱力学第三法則を、毛沢東語録から論破した論文だと言うのです。

 

 ワタシは一瞬、呆然としました。

 目の前に異端審問官が出現したのです。

 

 聖書に反して地動説を唱えたジョルダーノ・ブルノーを火炙りにした異端審問官。

 聖書に反して血液循環説を唱えたトーマス・ハーベイを火炙りにした異端審問官。

 

 それが目の前に居るのです。

 

  

 

 しかしこの異端審問官達の名誉の為に言えば、彼等の方がまだしも合理的で科学的発想をしていました。

 

 なぜなら彼等は宗教と言う超自然的立場から、これらの問題を論じているのです。 そして聖書には実際に宇宙や人間に身体の事は、全て神が仕切るように書かれています。

 その意味では彼等の立場は、一貫性があり合理性があるのです。

 

 けれども短なる政治制度の理論であり毛沢東語録から、物理の法則を論じるというのは、全く荒唐無稽な話でした。

 

 しかしこの先輩は大真面目でした。 そして中国語なんか勿論できないけれど、この論文を理解しようと頑張っていました。

 しかも彼は三流大学とは言え、工学部で化学を専攻する学生なのです。

 

 そして同じ三流大学の学生として、ワタシにとって救いなのは、この先輩にこんなキチガイ論文のコピーをくれたのは、間違いなく一流大学に居る彼の仲間で、ソイツも同様にこのキチガイ論文を信じているという事でした。

 

  

 

 新聞やテレビはひたすら文化大革命を絶賛し続けましたが、当時でも「文芸春秋」など雑誌には、極めて批判的な論文が出ていました。 

 ワタシは大学の図書館で、これらの雑誌を読むようになって、オカシイと思っているのが自分一人ではないとわかって妙に安心しました。

 

 でも学生でこれらを読んでいるのは極少数でした。 お陰でワタシが個人購読したみたい好きな時に読めました。

 

 文化大革命はワタシが大学を卒業して間もなく終わりました。

 そしてその内実が次々と明るみに出ました。

 

 しかしそれを報道する新聞は、それまで自分が報道してきた「文化大革命万歳」記事など、まるで知らないような口ぶりでした。

 

 ちなみにワタシが中学生の頃から読んでいた新聞は朝日新聞です。 

 

  

 

 異端審問官の先輩が卒業後どうしているのかは知りません。 

 しかし結構幸せに暮らしているのはないかと思います。 彼はワタシと違って、善良で素直な人でしたから。

 

 そして今改めてチベットやウイグルの惨状を知るにつけて思うのです。

 

 「地獄への道は、善意、善意で舗装されている」と。

  1. 中国
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