しかし少し冷静になって考えてみると安倍総理としては、今が丁度良いタイミングと考えて辞任されたのでは?と思います。
まず衆議院の任期はあと1年と一か月ほどしかありません。
つまり何があろうともこの期間の間に衆議院選挙をしなければなりません。
だから健康状態が盤石でも、後1年ちょっとの間に辞任して内閣総辞職をしなければなりませんでした。
しかも安倍総理の自民党の総裁に任期もあと1年程しかありません。
そして安倍総理は今回で既に三選目です。
これだとこのまま続投して衆議院選挙を行い、それに勝利しても安倍総理の続投は難しくなります。
しかし健康状態の悪化を無視して、後1年余、総理を続けても、憲法改正や拉致問題など、安倍総理のライフワークは解決するわけではないでしょう?
むしろ安倍総理としてはこれまでの政権運営中に、これらの問題の解決が予想以上に難しい事を痛感されたのではないかと思います。
だったらこれらの問題を解決する為には、更に長期の安定政権を作る必要があると認識されたのではないでしょうか?
その為には一旦ここで辞任するのは正しい判断でしょう?
ここで辞任したら4選なんて事をしなくても、また自民党総裁になる事も可能ですし、しかもその後3選まで狙えます。
これだと十二分に時間がありますよね?
一方現在、マスゴミの煽り報道とは裏腹に、コロナパンデミックの第二派は収束しました。
安倍総理は緊急事態宣言解除後は、コロナウィルスの危険性を見切って、マスゴミや野党の望む「永遠の自粛」方針は取らず、経済を回しながらコロナパンデミックをコントロールするという方針を取りました。
その為、7月末から8月上旬にはPCR検査陽性者がベラボウに増えたのです。
しかし実際の死者・重症者はそれほど増えないまま、感染者数は7月27~29日にはピークアウトしました。
それでも連日マスゴミがPCR検査陽性者数を報道しては「新規感染者数がこれまでの最大になりました。」などと騒ぐのですから、何とも不気味に感じた人も多いでしょう?
これがそのまま安倍政権の支持率低下につながりました。
しかし安倍総理はこれにひるまず、経済活動の再開とパンデミックの抑制という方針を貫いて成功したのです。
そして冬のインフルエンザ流行に備えて、新型コロナウィルスの第二種感染症指定を外して、インフルエンザなど一般の感染症として対応するという方針も固めました。
これだと軽症や無症状のPCR検査陽性者の収容の為に、病院が満杯になって医療に過重な負担をかける事も避けられますし、一般国民が必要以上に恐怖心をあおられて経済が委縮することもなくなります。
勿論これに感染爆発や死者の激増などのリスクを伴いますが、そのリスクは安倍総理自身の政治責任で背負う決断をされたのです。
そして経済を支援する為の200兆の予算措置も済ませているのです。
GO TOキャンペーンはまだまだ続くし、GO TO EATも間もなく始まります。
安倍総理は日本を、経済活動の再開とパンデミックの抑制を両立させるという正しい路線に乗せたのですから、このままいけば日本経済も感染抑制も問題ないでしょう。
一方、外交・防衛は極めて深刻な状況です。
中国の侵略主義的な態度は益々露骨になり、アメリカとの対立も激化しています。
このような状態で安倍総理が居なくなるのは大変心配です。
しかし安倍総理が外交で最高のパフォーマンスを演じるのは、トランプ大統領始め海外首脳と直接会って会談した時です。
安倍総理は会って話をした相手の気持ちを取り込んでしまう人、つまり「人たらし」なんですね。
でも世界的にはコロナパンデミックは全く収束の目途が立っていません。
だから首脳会談の類も当面は行えないのです。
こうなると安倍総理の「人たらし」の能力も発揮しようがありません。
だったらコロナパンデミックが世界的に収束するまでは、安倍総理の後任が、日本政府としての正しい外交方針さへ維持するなら、安倍総理が退陣するデメリットも限定的です。
もう一つ心配なのは、安倍総理が退陣後に必ず迎える衆議院選挙です。
安倍総理なしで自民党は勝てるのでしょうか?
でもあの国民民主党と立憲民主党の合体で、これは自民党の楽勝になったのでは?
アイツラ、国民民主党の金が入った事で、絶対党内揉めまくりますよ。
つまり安倍総理は喫緊の問題には一応のケリをつけて、ケリのつかない問題に対応する為には自民党総裁任期中では難しい事を読んだ上で辞任されたわけです。
安倍総理は天才ではないけれど、失敗から学ぶ事の出来る人です。
実際、第二次安倍政権の安倍総理は、第一次安倍政権の安倍総理とは完全に別物と思える程の強かさでした。
それはつまり安倍総理自身が第一次安倍政権での失敗に学ばれたからでしょう?
しかし今回また持病の悪化という第一次安倍政権崩壊と同じ不運に見舞われたのです。
けれどもこれは不可抗力としか言えません。
第一次安倍政権では安倍総理は、最後の最後まで頑張ってぶっ倒れて辞任されました。
そしてその後、一年ごとに首相が変わるという混乱の末、悪魔の民主党政権の誕生になってしまいました。
今回は安倍総理の病状は、前回程はひどくはないようです。
それはつまり前回の失敗に学んで、最後の最後まで頑張るのではなく、むしろある程度余裕がある間に退陣して、その代わり後任の首相が安定的に政権を運営できる目途をつけているのではないでしょうか?
目途をつけた故に辞任されたのではないでしょうか?
ワタシは安倍総理が今後当面は療養に専念されて、その後、そう遠くない時期に再度首相として憲法改正等、残された課題に取り組まれる事を期待してます。
ともあれどうぞお体を大切に。
一日も早くご健康を取り戻される事を祈っています。