当日、与那国島では年に一度の全島運動会の日だったので、島民は皆それを楽しみにしていたのですが、この難民の上陸騒ぎで、役場の人々は運動会そっちのけでこの対応に忙殺されました。
島の中学の英語の先生二人が通訳に駆り出されて、主婦達が炊き出しをしました。
やがて沖縄本島から入管関係者や警察官が来て、数日で一通りの入国手続きを済ませたのですが、その後の処置が決まるまでは与那国島で面倒を見て欲しいと言い置いて帰ってしまいました。
それで与那国島では数か月間、彼等を公民館に収容して、面倒を見る嵌めになりました。
近藤紘一著の「サイゴンから来た妻と娘」の終わりの方、この与那国島へのベトナム難民襲来の顛末が書かれています。
産経新聞の記者で、ベントナム戦争中長くサイゴン支局で働いていた近藤紘一は、サイゴンで知り合ったベトナム女性と結婚してベトナム戦争終結直前に、妻と妻の連れ子を連れて帰国しました。
そしてその結婚と日本での生活の顛末を描いた「サイゴンから来た妻と娘」はベストセラーとなりました。
近藤夫妻が帰国後もベトナムとインドシナでは動乱が続き、旧南ベトナムからは共産党の支配嫌う人々が、大量に難民となって流出しました。
その多くは小舟でベトナムを出航して、タイやマレーシアなど近隣諸国を目指すか、或いは沖で大型船に救助される事を宛てにしてたのです。
こうした難民はボートピープルと呼ばれました。
ボートピープルを救助した大型船の一部は日本にも寄港しました。 そして彼等を日本に置いて行きました。
しかしこうしたボートピープルは、何処の国も受け入れたがらないので、彼等を救助した船は後の始末に苦労したようです。
近藤紘一は新聞記者として、与那国島に上陸したボートピープルを取材に行ったのですが、その時妻を通訳として同行しました。
近藤が取材したところ、彼等は一旦フィリピン船に救助されたのですが、その船が台湾に入港する直前に、「与那国島へ上陸するように」と言われて救助艇に乗せられて、その船を追われたそうです。
幸いこうした経緯で与那国島に上陸した人達ですから、純然たる難民でした。
武器ももっていなかったようです。
しかしもし武器を持った人間がいて、島民とトラブルが起きていたらどんな事になったかは想像するのも恐ろしいです。
与那国島には昨年から自衛隊が駐屯する事になりましが、それまでは警察官が二人いるだけで、武装はその警察官がもつピストルだけです。
現在の人口は1500人弱です。
飛行機でも那覇から1時間半、石垣空港からでも30分かかります。
一方現在ゲリラや欧米なら警察官でも所持している小型の自動小銃の殺傷力は大変な物です。
例えば2011年に起きたノルウェーのテロ事件では、警官を装った犯人がノルウェー警官が使用するのと同類の自動小銃で、69人を殺害しています。
テロが起きたのはノルウェーの首都オスロから少し離れた湖の中の島でした。 当時ノルウェーの与党の青年部の若者達700人がここでキャンプをしていました。
犯人はこのキャンプを襲ったのです。
小さな島なので若者達は逃げる所がなく、警官が到着するまで一時間半程の間、犯人は数百発の弾丸を撃ちまくりました。
この事件でわかるのは、健康な若者が数百人いても、素手では自動小銃を持った一人をどうする事も出来ないと言う事です。
だったら高齢者が大半の離島に、こうした武器を持った人間が数人上陸したらどうなるのでしょうか?
麻生さんが武装難民の話をした事で、左翼が騒いでいます。
しかし紛争地から来た難民が武装しているのは普通の話です。
インドシナ紛争でもアフガニスタンでも、ゲリラが難民キャンプを拠点に活動を続けました。
その為難民を抱え込んだ地域が否応なしに紛争に巻き込まれると言う状況になりました。
しかし朝鮮有事にはそれだけは済まないでしょう。
朝鮮戦争末期に韓国は竹島を強襲して占領しました。 そして日本人の漁民4000人余を殺傷・拿捕して拘束しました。
韓国政府はこの日本人を人質にして、日本政府に様々な要求を呑ませました。 しかも竹島は今も不法占拠されたままです。
その前に李承晩政権は、アメリカに李承晩政権による九州の領有を要求しているのです。
朝鮮戦争時、日本は国連軍の後方支援をしていたにも関わらずです。
だったら今度の朝鮮有事に同じ事がないと言えるのでしょうか?
ワタシは難民を装った韓国軍が、日本の離島を強襲して、島民を虐殺してそのまま占領するような事だって十二分にあり得ると思います。
さらに厄介なのが中国です。
中国だって同様の事を考えるでしょう。
昨年末、北朝鮮が核実験やミサイル発射を活発化して以降、中国公船の尖閣領海侵入の頻度は激増しました。
前回の全人代で、習近平は「中国は尖閣諸島を実効支配している」と言いました。
中国は北朝鮮危機以降、南シナ海への侵略も強化していますが、中国にすれば日米が北朝鮮対応に忙殺されている時こそ、侵略のチャンスだと考えているのです。
だったらこれで本当に朝鮮半島で軍事危機が起きれば、何をやらかしても不思議ではありません。
人民解放軍が朝鮮難民を装って、自衛隊の居ない離島を襲って島民を虐殺する。
それにパニックを起こした離島の人達が本土に避難する。
そして無人島化した島々を中国人が買占め、中国人を移住させる。
と言う事だってあり得るのです。
麻生さんは武装難民を「射殺か?」と言った事で非難されているのですが、マジに射殺だって十二分に考えておかないと、日本国民の生命も領土も守れません。
日本は嘗て朝鮮戦争時に多数の難民を受け入れました。
その中には李承晩政権の虐殺を逃れてきた人々も多数いました。
朝鮮戦争の頃の日本はまだ貧しく、こうした難民を抱え込むのは大変でしたが、それでも強制送還すれば韓国政府に殺されるのが解って返す事はしませんでした。
それではこの難民達はこのような日本政府に感謝したのでしょうか?
違います。
そもそも彼等は自分達が難民として受け入れられたと言う事実さへも否定しているのです。
代わりに「自分達は強制連行された」と言う虚偽を振り回して日本人に謝罪を迫ったのです。
そして彼等が中心となって朝鮮総連を作りひたすら反日活動を続け来たのです。
彼らを受け入れたために、多数の日本人が拉致され、ミサイルや核の技術が北朝鮮に渡ったのです。
本物の難民でさへ受け入れだって、日本に厄災にしかなりませんでした。
朝鮮有事には当然多数の難民、そして難民を装った不法移民、更に前記のように難民を装った軍隊が押し寄せる事を想定するしかありません。
だから麻生さんの「武装難民」への言及は絶対に必要です。
本来なら今回の解散総選挙でも、論点になるべき話ではありませんか?